第52話 117と116

 ※ 今回はNL編が時系列先となります。



×××



 野球は筋書きのないドラマだ、などと言われる。

 実際のところ野球は、戦力差がそのまま勝敗につながることが、比較的少ないスポーツではある。

 たとえば今季、史上最高の勝ち星を上げたメトロズは、117勝45敗であった。

 これを半分にすると、おおよそ58勝22敗といったところか。

 同じ北米四大スポーツの中で、NBAはレギュラーシーズンが82試合行われる。

 この最高勝率の記録は、73勝9敗といったもの。

 NBAは戦力均衡が機能していないのか、それとも他に理由があるのか。

 だいたいの議論は、そもそも野球が偶然性の高いスポーツだから、というのが結論になる。

 確率が試合を左右するのだ。


 ピッチャーの投げた球が、狙い通りのところに投げられる確率。

 バッターがどんな球を待っていたかの確率。

 打ったボールが野手の守備範囲内である確率。

 またはその日のピッチャーの体調など。

 前述のバスケットボールに比べると、精密度がかなり違う。


 なのでポストシーズンでも、必ずしも強いほうが勝つわけではない。

 勝ったほうが強いのだ。

 これはあながち冗談でもなく、レギュラーシーズンで記録的な勝利数を記録すると、そこで緊張の糸が切れてしまって、スタミナ切れと共に、ポストシーズンでは優勝できなかったりする。

 なおNBAのかの73勝9敗の記録でも、そのチームは記録更新のために選手の体力を使いすぎて、優勝できなかったという事実がある。

 そのあたりの感覚を判断するのが、指揮官の役目。

 それでも六割勝てれば、シーズンは優勝できるのが、NPBであったりする。


 アナハイムはその中では、少なくともスタミナなどの問題は少ないだろう。

 レギュラーシーズンからして、ピッチャーの故障らしい故障がなかった。

 直史が一人でピッチャーの負担を、大幅に引き受けていたからである。

 そしてポストシーズンでも七連勝。

 無駄に多く試合をすることなく、ワールドシリーズにたどり着いた。


 直史は敵地ニューヨークで行われる、第一戦の先発を任されている。

 完全にチームのエース格扱いであり、実際にエースであろう。

 初めてホームゲームでの先発で、パーフェクトという派手なデビューをしてから、周囲は驚かされることばかり。

 だが昨年のMLBを驚愕させた大介とは、決定的に違う部分もあった。


 大介の場合は、人間の限界を超えてきた、と周囲には思われた。

 人間という生物の、新たな限界の枠を拡大する存在だと。

 直史の場合は、人間のこれまでの限界を超えているわけではない。

 それなのにこれまでの誰もが不可能であったことを、あっさりとやってのけてしまっている。

 MLBにおいて、パーフェクトゲームを二度達成したピッチャーは存在しなかった。

 だがデビュー戦で達成した直史は、その後のレギュラーシーズンの中で、さらに三回も達成。

 そしてポストシーズンでも、一回達成してしまった。

 一年間に五回。

 キャリアを通じて二回以上達成した者がいなかったのに、一シーズンで五回だ。


 球速は100マイルには遠く及ばない。

 基本的には打たせて取るタイプなので、相当に運が良くなければ、パーフェクトにはならないはずなのだ。

 ただノーヒットノーランも複数回達成しているが、それがパーフェクトにならなかったのは、だいたい味方のエラーが原因である。

 レギュラーシーズンで四死球が五つというのは、先発で規定投球回を満たしているピッチャーの中では、異常に少ないものである。

 運が良かったからパーフェクトが五回も出来たのではない。

 運が悪かったから、パーフェクトが五回しか出来なかったのだ。


 無四球ノーヒットノーランが三回。

 しかもその三試合は全て、たった一つのエラーによってパーフェクトを逃している。

 何をどう計算して投げたら、そんなピッチングになるのか。

 ミラクルなのかマジックなのか。

 直史としては、計算と確率と読み、としか答えられないのだが。




 かつてはオールスターの勝敗で、ホームフィールドのアドバンテージが決まっていたらしいが、現在では基本的に全て、レギュラーシーズンの成績で決まる。

 117勝と116勝の間には、深くて広い溝があったのだ。

 ただ直史としては、ニューヨークにはラッキーズとの対戦で、ついこの間に行ったばかり。

 シーズン中でも訪問しているため、初めていったところという緊張感はないだろう。 

 メトロズのスタジアムは、同じニューヨークでもラッキーズに比べると地味であるし。


 身の回りの準備をして、直史は見送る瑞希に告げる。

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 真琴が足にへばりつこうとするのを、瑞希は抱っこして引き離す。

 三歳にしては、かなり大きい。

 また正月になれば、親戚でいっぱい集まるだろう。

 ただ武史の一家は、恵美理の家の方に向かうことが多いが。

 佐藤四兄妹の中で一番の年上は、武史のところの長男であったりする。

 だが武史夫妻は恵美理が違う文化圏の生活風習で育っているため、正月などの集まりでは窮屈な思いをしていたりする。


 またシーズンオフのことを考えているな、と直史は軽く首を振った。

 これから行われるのが、半年以上にもわたって続いた、シーズンの最終決戦。その初戦だ。

 大介との約束の三年目。

 あと二年残っているからといって、のんびりと戦うつもりはない。

 今のままなら対決するのは、本当にワールドシリーズだけになる。

 大介も直史も、他の球団へのトレード拒否権を持っているからだ。


 セイバーから色々な契約に付帯してもらったので、アナハイムでの直史の生活は快適だ。

 だがもしこれがニューヨークのラッキーズであったらどうだったろうか。

 レギュラーシーズンでも数試合の対決があり、サブウェイシリーズでワールドシリーズと、ニューヨークは盛り上がっただろう。

 しかしアメリカ全土を巻き込むような騒ぎにはなっていなかったはずだ。

 直史としては、今のままでいいとは思う。

 もしこれが高校野球なら、どちらも延々と勝ち進んでも、対決するのは甲子園で二回、そして神宮の一度ぐらい。

 真剣勝負の舞台というのは、想像以上に少ない。

 だからこそ貴重になるのだろうが。


 球団スタッフの運転する車で、直史は空港へと向かう。

 NPB時代は自分で運転していたが、MLBではプロのスタッフが運転する場合もあり、これも契約の内に入っている。

 下手に運転で事故などを起こしたら、選手がしばらく怪我で離脱する可能性もある。

 直史としても道交法の違うアメリカでは運転したくないし、瑞希もタクシーを使っている。

 なんともブルジョワだな、と思わないでもない。

 実家に住んでいたころは車が足であったし、さらにオートマチックではなくミッションの免許を取ったものだ。

 祖父母の家の軽トラを運転するために。


 ぼんやりと考えながら、直史は徐々に集中力を高めていく。

 直史のコントロールは、肉体的なものもあるが、精神的な状態がとても重要になる。

 どんな時でもまずコントロールは乱れないではないか、と言われるかもしれないが、それはどんな試合もちゃんと集中力をコントロール出来ているからだ。

 スポーツ選手は多くのルーティンを持っていて、それで集中力を高める場合があるが、直史の場合はルーティンではなく瞑想によってそれを行う。

 それは試合の直前だけでなく、こういった時間の空いたときにも、意識的に行っている。

 これが直史が、時間を無駄に潰さない理由の一つになる。


 スタッフも直史が、基本的にはあまり話さないことを分かっている。

 外見から見ても、普段の言動から考えてみても、直史は良識のある人格ではあるが、人間的な面白みがない。

 身近な存在になれば、そのややこしさが面白くもなるのだが。

 ショースポーツにおいての、人間的なショーマンシップに欠けることがあるとは言われる。

 もっともスーパースターがそんな存在ばかりであれば、子供たちへは悪影響を与えるかもしれない。


 直史の言動や行動は、周囲に敵を作らないように配慮されたものだ。

 マスコミに対してはつまらないタイプと思われるが、保守的な層からはそこそこ受けがいい。

 もっともMLBの保守層からは、大介の方がよほど受けはいいが。

 ただ直史は、一番敵にしてはいけない存在である、審判を味方につけている。

 このあたりの強かなところは、高校時代から大学時代にかけて、コンビを組んだキャッチャーと共に育んだものだ。

 MLBであってもそのあたりは変わらない。

 直史の落差のあるカーブなどは、ボール判定されてもおかしくないものが、相当にあるのだ。


 ロスアンゼルスの空港から、ニューヨークへ。

 六時間をかけて移動し、いよいよ明日からはワールドシリーズ。

 空港に集まったアナハイムのメンバーは、既に緊張していたりする者もいる。

「坂本はまたギリギリか」

「いつものことだ。間に合わないなら自前で飛んでくるだろう」

 そんなやりとりもされていたが、本当にギリギリで間に合っているところが、いつもの坂本である。


 MLBの移動用飛行機は、前から話には聞いていたものの、こちらで実際に乗ってみて、驚いたものの一つだ。

 およそ六ヶ月で162試合を消化するには、どうしても移動手段が飛行機になる。

 日本の場合は、特にセでは飛行機での移動はない。

 交流戦においても、飛行機移動は体験したことはなかった。

 この移動で少し調子が崩れるかもしれないと、いつも以上に用心して開幕二戦目に登板した結果が、パーフェクトゲームであった。

 結局のところ、飛行機での移動は直史に、特に悪い影響を与えなかった。

 ただ日本の先発と違って、やはり負担は大きくなる。


 日本の場合はロースター登録とベンチ入りメンバーが違うため、翌日に投げる先発と前日に投げた先発が、ベンチ入りする場合は普通はない。

 遠征で三日間、出番がない場合などは、帯同せずに二軍の練習場で練習することもある。

 それに比べるとMLBは、本当に休みが少ない。

 ただこれでも日本人選手は、野手よりも投手の方に成功している選手が多い。

 そのあたりは直史にとって、正直に謎ではある。




 ニューヨークに到着した選手には、体を休めている選手もいれば、練習や調整を行う選手もいる。

 もちろん直史は後者である。

 三イニングを投げてから、中五日。

 充分に疲労は取れている。


 しかしラッキーズとの第四戦が終わってから、一度アナハイムに戻って、またもニューヨークを訪れる。

 この往復の距離だけでも、いったいどれだけの金がかかっているのか。

 もっともメトロズが必ず勝つとは分かっていなかったし、ニューヨークでのチーム専用高級ホテルは、かなりの金額にはなるはずだった。

 直史はこの間、休養と調整以外は、ノックを受ける練習ぐらいしかしていない。

 あとは恒例のキャッチボールである。


 試合の前の日だけあって、メトロズの最終チェックを行う。

 メトロズの要注意打者は、当然ながら大介である。

 今年はMLB二年目で、NPB時代よりもさらに成績を上げてきた。

 これをもってNPBのレベルはもうMLBに追いついているなどという論調もあったが、それは正しくない。

 単純に大介が、NPB時代よりもさらに成長しているだけだ。


 直史の場合も似たようなものである。

 そもそもNPB時代からずっと、相手を完璧に封じ続けてきた。

 ただ確実に奪三振率は低くなっている。

 スピードボールで三振を取ることは、日本時代よりも少ない。

 だが被安打と四球を合わせたWHIPなどは日本の二年目と変わらない。

 単純にバッターの力量が、まだ直史に追いついていないだけである。


 メトロズには他にも要注意のバッターがいる。

 大介が一番を打つこともあったが、基本的には一番を打っていたリードオフマンのカーペンター。

 打率も三割あるが、それ以上にフォアボールで出塁する方が目立つ。

 難しい球もカットしてくるが、直史相手にはどう打ってくるか、

 実際に対戦してみれば、厄介なバッターかもしれない。


 直史にとって厄介なタイプは、三番を打つことが多かったシュミットだ。

 言うなれば、さらに長打力を増した織田。

 さすがにあれほどの走力はないが、それでも年に10個ほどは着実に盗塁を決めていた。

 前の塁を大介が占めている場合が多かったため、そうでなければ盗塁の数はもう少し増えていたはずだ。


 そして四番のペレスと、五番のシュレンプは長距離王。

 共にシーズン40本ほどを打っているので、前にランナーがいればとても怖いバッターだ。

 ただし打率まで高いというわけではなく、三割には満たない。

 三振の数も多いので、直史との相性はいいはずだ。

 それでも他のピッチャーとしては、後ろにこんなスラッガーがいるので、大介とは勝負をしにくいわけだ。


 六番以降のメンバーも、それなりに打ってはいる。

 だがやはりメトロズの得点源は、この五番までが多い。

 単純に試合に勝つだけなら、選択肢は決まっている。

 大介を全打席敬遠するのだ。


 もしもこれが単純に勝つためならば、それも立派な作戦だ。

 ただこのあたり、直史は敬遠のリスクが低いと思っている。

 いや、もっと厳しく言えば低すぎるのか。

 申告敬遠が誕生してからは、つまりボール球を四つも投げなくてすむのと、暴投の危険がなくなったので、あまりにも守備側に有利になってしまった。

 大介は敬遠もどきの外角球でも、どうにかこうにか打ってしまう。

 それがなくなってしまったのだから、バッターにとっては不利になったと言えるだろう。

 球数計算などがややこしくなるというのはあるだろうが。

 申告敬遠のおかげで今の方が昔よりは、マダックスはしやすくなっている。

 直史は敬遠などしないが。




 おおよそバッターの分析は終わった。

 代打も含めてメトロズのバッターで、直史が注意しなければいけないのは三番まで。

 さらに言うなら二番の大介だ。

 それ以外はまあ、なんとかなるだろう。

 運がヒットかゴロかを決めてくれる。


 続いて直史は、メトロズの投手陣の分析にも入った。

 こちらは本来、直史の領分ではない。

 だが同じピッチャーということもあって、色々とアドバイスを求められることも多い。

 直史はMLB一年目の新人なのだが。

 ちなみに大介に続いて直史の大活躍の結果、NPBからの移籍組は、新人扱いはやめようという話も出てきたりしている。

 まあ自分には関係ないので、直史としては文句はないが。


 メトロズの投手陣は、あまり派手な選手はいない。

 成績だけなら、派手な数字は残されているが。

 上杉は別格であるが、上杉が出てくるまでリードを保てば、どうにかなるものだ。

 ただ最終戦あたりになると、先発で出てきてしまいそうで怖いが。


 先発の四枚はとんでもない勝ち星と勝率を誇っているが、そのほとんどは打線の援護によるものだ。

 同じことはリリーフ陣にも言える。

 その中ではベテランのウィッツ、今年から本格的にローテの一角となったロビンソン、そしてシーズン途中からマイナーから上がってきたリリーフ陣が、指標となる数字では優れている。

 ただそれも、攻略が不可能というほどではない。


 アナハイムの打線なら、おそらく三点は取ってくれる。

 ただし上杉は例外だ。終盤まで負けていれば、そこで封じられて終わる。

 上杉が出てこないうちに投げて、リードして終盤へ。

 たとえ大介に打たれても、状況を整えれば敗北はない。

 その冷静な考えは、ピッチャーである直史のものではないが。


 直史はもちろん、勝利しなければいけない。

 プロに入ってからずっと、とにかく勝利してきた。

 敗北を知らないピッチャーなど、いるはずもなかった。

 だがここに、一人いるのだ。

 敗北を知らない、最悪でも引き分ける、絶対的なピッチャーが。


 直史にはもちろん、勝利への貪欲さはある。

 だがワールドチャンピオンになりたいか、と問われると微妙である。

 野球はチームスポーツであり、ピッチャー一人では勝てない。

 勝てるとしても、せいぜいその一試合だけだ。

 ワールドシリーズは七試合で先に四試合を勝った方が優勝。

 直史が提供できる勝利は、せいぜいが二試合まで。

 あとは他のチームメイトと、指揮官の采配に委ねるしかない。

 それでもこうやって、メトロズの分析には力を貸している。

 なぜここまでやるのかなと考えると、やはり負けたくないのかな、と思わないでもない。


 そもそも直史は、大介と戦うためにプロ入りした。

 日本時代はライガースに勝つことが重要であり、樋口に加えて武史まで離脱してしまった日本シリーズ、あそこまで無理に勝ちに行かなくてもよかったのではないか。

 だがあそこで無理をしたからこそ、翌年の年俸が上がり、インセンティブも色々と付けられたのだ。

 ただMLBの場合は既に、インセンティブも達成しているし、複数年契約で契約更改の余地はない。

 成績さえ残しておけば、あまり優勝までは目指さなくていいのだ。

 もっともワールドシリーズに進出しないと、大介とは対決できなかったので、それはそれで仕方のないことであるが。


 チームへの帰属意識が薄いのだ。

 レックスは大学時代に主戦としていたスタジアムが本拠地で、日本のチームであり、ファン層が大学野球とかぶり、見知った顔も多かった。

 アメリカの、このカリフォルニアの大地には、そういうものはない。

 声援は英語であり、意味がそのまま心には響かない。

 それでも直史は、何かのために投げている。

 とりあえず自分の投げる試合では、必ず勝つという意識を持って。


 第一戦はニューヨークで夜から行われる。

 時差の関係でアナハイムは、まだ夕方のはずだ。

 メトロズのスタジアムは少し動いた限りでは、特に変なクセもない。

 風向きは一定ではなく、これは近くに空港があることも影響しているらしい。

 それほどホームランの出やすい球場でもないのに、よくも大介はホームランをあそこまで量産したものだ。


 ニューヨークという、世界最大の都市。

 そこでおそらく、第六戦まではもつれ込むだろう。

 アナハイムの本拠地も悪くはないが、本来はあそこはホームランがそこそこ出やすいスタジアムなのだ。

 どちらにしろ観客よりも、視聴者の方が圧倒的に多くはなるのだろうが。


 そう考えると、直史の投げることに、意味が出てくる。

 この試合はアメリカ国内だけではなく、世界中に放送される。

 それはもちろん、日本にもだ。

 傲慢に国内のシリーズにワールドシリーズなどと付ける試合で、直史は勝ちたい。

 そのあたり直史は、健全な範囲内でのナショナリズムの持ち主であった。




 10月26日。

 ワールドシリーズの第一戦が始まる。

 目覚めた直史には、時差ぼけの兆候などはない。

 あとはここから試合まで、どうやって集中力を高めていくか。

 最終戦がニューヨークで終われば、直史にはすべきことがある。

 本当ならもっと、早い段階で来たかったのだが。


 世界中の人々が見るとしても、死者が見ることはない。

 あるいは瑞希やツインズよりも、ずっとこの対決を見たがっていたイリヤが、もういない。

 分かっているつもりなのだが、まだ一年と少しと考えると、どこかに連絡をすれば、彼女が返事をしてくるような気がしている。

(ニューヨークか)

 もしも彼女が生きていれば、必ずスタジアムに来ていたのだろう。

 コネを使ってオーナー席に行くか、それとも一般席の一番いい席を買ったかは分からないが。


 まだアナハイムは目覚めない、早朝の時間。

 直史はストレッチと柔軟から、その日の活動を開始した。



  三章 了

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