第51話 12イニング
ひどい蹂躙と言うか、一方的な虐殺と言うか、もういっそのこと浄化と言ってしまうべきか。
とにかくラッキーズは、パーフェクトをされた第一戦が、一番健闘したとも言える結果になっている。
リーグチャンピオンシップでありながら、このむごい結果。
だが第四戦は、アナハイムの中でもそう強力とは言われないピッチャーのマクダイス。
ローテを完全に回して、13勝9敗で強力と言われないのは、なかなかアナハイムの狂った一年を思わせる。
七回まで投げた試合は一度もなく、28先発でクオリティスタートは12回。
なぜそれで先発ローテから外されていないのだ、と思うかもしれないが、それはまた五回を投げて、六点以上取られた試合が一つだけという、低空飛行ながら安定していた要素を持つからである。
せめて全ての試合で六回まで投げきったなら、それは評価出来るはずだが、実際には半分ほどは五回までで交代。
だが今年のアナハイムは、明らかにリリーフ陣も調子が良かったため、それでも充分に機能した。
クオリティスタートなどというのは、味方打線の得点力によって、重要度は変わるものだ。
これがメトロズのピッチャーであったら、もっと勝ち星は伸びていたかもしれない。
いや、六回まで投げることも少なかったマクダイスなら、むしろ勝ち星は減っていたか。
メトロズのリリーフは、アナハイムに比べればやや落ちる。
ただメトロズ打線で投げていたら、負け星の数は減っていたであろうことは間違いない。
単純に数字だけを見るなら、マクダイスよりも今季途中からメジャー昇格し、先発ローテの一角を担ったレナードの方が指標はいい。
ただやはりここは、ベテランの経験を重視したといったところか。
あとはリリーフ陣を上手く使って、終盤でリードしていればいい。
三イニング程度であれば、中三日で直史が投げる。
そして守護神として、ラッキーズを完封してくれるだろう。
直史としても第五戦まで、ニューヨークにいるつもりはない。
さっさとアナハイムに戻って、瑞希と子供たちの顔を見たい。
働くお父さんは家庭を大事にしている。
それと試合で全力を尽くすことは、関連していないようでいて関連している。
直史は人生の充実度は、余暇の過ごし方で決まると思っている。
そして余暇をただ単にのんびり過ごすのは、苦手な人間である。
そのあたりは間違いなく貧乏性だ。
もっとも東京に住んでいたころは、全力で余暇を瑞希と楽しんでいたが。
基本的に瑞希の方が少しだけ余暇は多かった。
その余暇を瑞希に対して使うことが、全く苦にならなかったことが、結婚への最後の一歩だったかもしれない。
誤解を与える言い方かもしれないが、結婚とはどこまでの妥協を相手に許せるかで、その後の人生は決まると言ってもいい。
全く何も我慢せずに認め合うことなど、出来はしないのだから。
瑞希はアナハイムの高級病室で、シッターに真琴の面倒を見てもらいながらも、明史に母乳をやっている。
基本的には母乳で育てる派であるが、無理なら普通に市販のミルクを使う。
だが瑞希はあまり胸も大きくないのに、母乳はしっかりと出るタイプであったりした。
夫に散々にいじられたのが、良かったのかもしれない。本人には絶対に言わないが。
性欲過多なあたりは、瑞希が直史に妥協している部分である。
学生時代から、ちょっとこれは多すぎるのではと思っていたものだ。
それ以外にも色々と直史は、優良物件のように見えながら瑕疵も多い。
許容範囲かどうか、それを許す女性側の度量もまた、結婚を長続きさせるポイントである。
パパの出番を待っているはずの真琴は、そもそもパパが投げるかどうか分からないので、瑞希の傍でスヤスヤと眠りに就いている。
瑞希としても今日の試合は、直史の出番があるかは微妙なところだと思う。
ラッキーズは中三日で、エースのハワードを出してきた。
後先考えない起用であるが、負けてしまえばそこで終わりだ。
最低でも第五戦までを行えば、チケット収入は増える。
そのあたりの世知辛い事情は別としても、ここであっさりスウィープされては情けない。
マクダイスがかなりスタミナを考えずに投げて、三回までを投げる。
対するハワードは、第一戦に比べれば好調とは言いがたい。
やはり直史との投手戦は、肉体以上にメンタルを削っていったのだ。
それでも大きく崩れることなく、ピンチを迎えても最少失点で乗り切る。
マクダイスは四回途中で降板し、そこにアナハイムもリリーフをつぎ込む。
当初予定では第五戦を直史が投げるので、最悪スターンバックまでつぎ込むつもりのアナハイムである。
ただしやはり、リードしている状況であるのが大前提だ。
しかしハワードも、六回になってから崩れてきた。
ラッキーズも豊富なリリーフ陣をつぎ込む。
それにしても最後までは、どうしてもピッチャーが続かない。
アナハイムの上位打線の連打で、ついに逆転を果たす。
既にブルペンに行っていた直史は、キャッチボールを開始していた。
「どうれ」
日本人にしか分からないネタ出しをして、直史は七回のマウンドに登る。
点差は5-4とわずか一点のリード。
ただこの一試合でラッキーズは、過去の三試合を合わせたよりも多い点を取っていた。
そこそこ殴りあいになり、勢いのついた両チーム。
なのに直史がマウンドに立っただけで、熱量がやや下がってしまう。
ここからの試合は、見たいが見たくない。
それがラッキーズファンの本音である。
見るのは怖いが、それでも見たくなってしまう。
ホラー映画か!
ただ世界的な野球の歴史から見ても、直史の成績はホラーかコメディかヒーロー物か、かなり意見が分かれるところだろう。
甲子園の決勝や、日本シリーズ第七戦はヒーローであった。
普段のシリーズやリーグ戦は中立的な立場から見れば悲劇であり喜劇。
そして対戦する相手の選手やファンからすれば、間違いなくホラーである。
もっとも直史本人としては、こういった使われ方はリスクが強いなとは思っている。
もちろん負けるつもりはないが、直史は別に、全ての試合で確実な勝算があって投げているわけではない。
本当にあっさりと勝てるならば、そもそも野球などはやっていない。
忘れてはいけない。確かに直史はプロに行こうとはしなかった。
しかしクラブチームで本格的にやるほどには、野球のことが好きだったのだ。
野球は統計のスポーツだ。
直史はその打たれるボールを、かつてはフライになるように考えていた。
ゴロを打たせると守備がモタつき、内野安打になることが多かったからだ。
高校以降は守備が信じられるため、基本的にはゴロを打たせていく。
その直史の期待に、アナハイムの野手たちはしっかりと応えてくれていた。
七回の裏は、内野ゴロ二つと空振り三振が一つ。
そして八回の表は、アナハイムも追加点はない。
八回の裏、ラッキーズは内野ゴロ、内野フライ、三振が一つ。
絶望が近づいてくる。
九回の表、アナハイムの攻撃はまたも追加点なし。
そして一点差のまま、九回の裏のラッキーズの攻撃である。
レギュラーシーズンは全て、先発として投げていた直史。
だがそのリリーフ適性の高さも、以前から知られていた。
ただランナーのいる状況から、問答無用で三振を取れるというわけではない。
イニングの頭から使っていけば、ランナーは出すかもしれないが、それでも失点にまでは及ばない。
それが統計上の直史の評価だ。
レギュラーシーズン274イニングも投げてきた。
その中で失点したのは二度。自責点は一点。
幻のホームランもあわせたとしても、直史が点を取られる可能性は、はっきり言って0に近い。
この第四戦で勝負を決めてしまえば、ワールドシリーズまでに五日間の休みがある。
アナハイムとしては当然、ワールドシリーズの第一戦も、直史に投げてもらうつもりでいる。
そうでもしないと大介を擁するメトロズ打線は封じられないだろうし、実際に去年のエキシビションで、メトロズを抑えているのだ。
アナハイムの人間で、大介の怖さを知っている選手はほとんどいない。
MLBの舞台で大介と対戦したピッチャーは、一人もいないのだ。
だから第一戦に投げるべきは、直史となる。
高校時代には同じチームで、プロでも対戦経験があり、去年はメトロズ打線を完全に封じた。
直史によって完全に封じられてしまったからこそ、今年のメトロズ打線はより、強力になったとも言えるのだ。
トローリーズが勝ち進んでくれた方が、アナハイムとしては楽である。
今年は四試合して全勝し、さらにその内容も、先発陣は強力な三本柱が、0に封じていたのだ。
もちろんレギュラーシーズンとポストシーズンでは、戦い方は異なる。
ただだいたいポストシーズンの方が、ピッチャーは全力で投げてくるのだ。
トローリーズもスーパーエースクラスのピッチャーはいるが、それでもアナハイムを一点に抑えることは難しいだろう。
だが直史なら逆に、トローリーズを抑えきるはずだ。
そんな直史であるので、九回の裏も早々にツーアウトを取る。
代打が出てくるがそのあたりは、あまり直史には関係がない。
直史を打つために必要なのは、何度も直史と対決すること。
それがないバッターにとって直史は、初見殺し以外の何者でもない。
キャッチャーフライを坂本が捕って、試合終了。
アナハイムはラッキーズに四連勝し、ワールドシリーズ進出を決めたのであった。
ア・リーグの代表は順当に、アナハイムと決まった。
だがナ・リーグの方はまだ、決定していない。
初戦で本多の力投の前に、メトロズはレギュラーシーズンと比べても、最も少ない点しか取れなかった。
もちろんトローリーズの方に、強いクローザーがいたということもあるが。
アナハイム陣営は本拠地に戻り、対戦相手が決まるのを待つ。
このあたりの休養の感覚は、人によって違う。
試合と試合の間が開いてしまうと、試合勘が鈍ると言う者もいる。
ただピッチャーとしては、充分に休みが取れるため、間は空いていた方がいいと直史は思う。
第一戦で100球未満でパーフェクト勝利し、第四戦にはリリーフで登板。
三イニングを投げてパーフェクトリリーフであったので、結局ラッキーズは直史から、12イニング連続でランナーを出すことが出来なかったのだ。
あまりにもひどい結果である。
ニューヨーカーたちはメトロズに、敵討ちを頼むであろうか。
いや、同じニューヨークだとしても、ファンは明確に区別されているだろう。
おそらく中立なファンからすると、直史が投げた試合ではアナハイムが勝利し、それ以外でメトロズが勝利する。
そんな展開が一番、面白いのではないだろうか。
直史が絶対に勝つピッチャーであっても、一度だけ勝ちの付かない試合があった。
0-0の状態から、上杉がリリーフしてきた試合だ。
あの試合はまだ、上杉がボストンにいた頃。
直史は球数が嵩まないように、八回で交代したのだ。
その後はリリーフが打たれて、アナハイムは直史が先発した試合で、唯一の敗北を喫したのだった。
アナハイムに戻ったその日、直史は軽くランニングとストレッチ、柔軟だけをして練習は上がった。
前日には投げていたのだから、当然の調整である。
メトロズがちゃんとトローリーズに勝てるかどうか。
その気になればロスアンゼルスまで、見に行くことすら出来るのだ。
もしもトローリーズが勝つなら、今年のワールドシリーズは、全てカリフォルニアで行われるということになる。
もっともそれはトローリーズだけではなく、他のカリフォルニア州のチームでも同じことだが。
移動の手間を考えれば、むしろそちらの方が楽と言っていい。
だがやはり東西で、チャンピオンを決める展開になった方が、リーグとしては面白いだろう。
練習はほどほどで切り上げて、直史は研究をする。
メトロズの打線とは、今季一度も対戦していないのだ。
スタッフによるスコアは完全に取ってあるが、直史は映像の方を見る。
出来るだけ技巧派のピッチャーが対戦したとき、メトロズをどう抑えにいっているか。
あまり参考になるとも思えないが。
MLBのバッターであっても、苦手なコース、球種、組み立てというものはある。
だが逆に、そこにだけ絞っていけば、打てるというバッターがほとんどなのだ。
なのでバッテリーはバッターの意識を読まなければいけない。
普通なら苦手な組み立てで、簡単に打ち取れるものだ。
だがポストシーズンになれば、そこに駆け引きが発生する。
トロントもラッキーズも、直史はそのデータを元にして、対決することが出来た。
トロント相手には投げていなかったが、それでもリアルタイムでそれを見ていて、分析することは出来たのだ。
ただメトロズとは、完全な初対決となる。
まさか日本時代のように、七戦で四試合に先発し、その全てに勝つということも出来ないだろう。
やれたとしてもせいぜいが二試合に先発し、一試合にリリーフというぐらい。
一試合は確実に、他のピッチャーで勝ってもらう必要がある。
その時にはどれだけ、打線の援護が必要になるだろうか。
直史の見る限りでは、メトロズのピッチャーの中には、スーパーエースクラスはいない。
今年から昇格したジャッキー・ロビンソンにはその片鱗があるが、今はまだ成長の途中。
日本と違ってMLBの選手は、高卒からいきなり活躍するということは少ない。
だいたいは大学を経るし、そうでなくても最初はルーキーリーグで結果を求められるのだ。
おおよそ選手としての完成は、20代の後半。
基礎技術においては日本の方が、最初は高いとすら言える。
ピッチャーの勝敗を見たところで、一点も取れないようなピッチャーは一人しかいない。
それがクローザーの上杉であるあたり、恐ろしいとは言えるのだが。
このポストシーズンでも上杉は回またぎで、相手の打線を完全に封じている。
一点を取るどころか、ランナーさえも出していない。
おそらくアナハイムの選手でも、上杉のボールのスピードには、全く付いていけないだろう。
坂本辺りは変化球に的を絞って、一発を狙っていくかもしれないが。
スターンバックとヴィエラの試合で、アナハイムが先取点を取っていくこと。
常に主導権を握ることを、なんとかやってほしいものだ。
そうすれば上杉の出番はない。
七戦目までもつれこめば、下手をしなくても先発してきそうではあるが。
ただ上杉はもう、二年もフルイニングを投げていないのだ。
もし先発などしてきても、そこに攻略の糸があるかもしれない。
もっと大きな問題は単純に、直史が大介を抑えられるかということ。
大介を敬遠して、他のバッターを抑えるならば、普通に出来るとは思う。
リードオフマンのカーペンター、好打者のシュミットあたりは少し厄介だろうが、それでもどうにかなるだろうという計算はある。
パワーヒッター相手には、直史はそれほど恐れるものなどない。
ただ直史は、大介を敬遠するつもりはない。
チームとしてFMがその判断を下せば別だが、メトロズの打線を封じて、さらにアナハイムが打ち勝っていくためには、大介を封じる必要がある。
別にピッチャーとしての意地ではなく、大介との約束が関係している。
そして実際に大介と対戦して、勝つか負けるかどちらだろうか。
勝てると断言はしないが、勝たなければいけない。
約束がなかったとしても、大介とは勝負をしにいっただろう。
魂の奥底では、直史も野球というスポーツを、ピッチャーとバッターの究極の個人技対決だと思っている。
わざわざスタジアムにまでは行かないが、直史も試合自体は、リアルタイムで視聴している。
病院住まいが長くなってしまったが、ワールドシリーズが終わればようやく、直史もマンションに戻ることになる。
ただそれに伴って、色々な表彰などがあるのだが。
11月はもう序盤にワールドシリーズがもつれこんでいることはあるだろうが、基本的に全てシーズンオフだ。
だがその中でも選手の表彰は発生し、それに多く直史は選ばれることだろう。
ゴールドグラブ、シルバースラッガー、新人王、サイ・ヤング賞、MVP。
この中で直史は、新人王とサイ・ヤング賞は決定していると言っていい。
他に誰を選ぶのだ、という話である。
あとはMVPだが、基本的にMVPは、ピッチャーではなく野手から選ばれることが多い。
ピッチャーにはサイ・ヤング賞があるのだから、そちらで選ばれるべきだ、という話になる。
だがそれを言えばバッターにも、ハンク・アーロン賞がある。
それに過去には、ピッチャーから選ばれた選手も、それなりにいるのだ。
これが両リーグ合わせてのものならば、確かに選出は分かれたかもしれない。
だがNPBと同じくMLBも、リーグごとにMVPは選出される。
NPBだと沢村賞が両リーグから一人だが、MPBのサイ・ヤング賞は両方のリーグから一人ずつが選ばれる。
ナ・リーグのMVPは大介で、ア・リーグのMVPは直史。
おそらくそれが一番、誰もが納得するものだ。
過去にMVPに選ばれたどのピッチャーより、直史の成績は傑出していたのだから。
こんなことを考えていると、長かった一年がやっと終わるのだな、と直史は実感する。
162試合という、NPBよりも一割は多い試合数。
そしてポストシーズンも、NPBよりも長い。
実はレギュラーシーズンは、NPBより短い日程で行われていたりもする。
なので延期はあまりなく、天候で試合が潰れたら、ダブルヘッダーになったりするのだが。
残る試合は、多くても七試合。
直史が投げるのは、多くても三試合。
ワールドシリーズだけが、もう残っている。
ストーブリーグも関係ないので、直史は今年は早めに帰りたいものだ。
半年以上も日本を離れるなど、昔は思ってもいなかったことである。
大介がどういう年末年始を過ごすのか、直史は聞いていない。
だがどうせまた、日本には戻ってくるのだろう。
MLBの各種授賞式などは、選手の出席が必要なのだろうか。
出来れば直史はさっさと日本に戻り、身の回りのことを色々と片付けてしまいたい。
ただ一度、ニューヨークには行くつもりである。
その時は瑞希や子供たちも一緒だ。
とても長い一年だったな、と直史は思う。
31試合も登板するなど、高校時代の練習試合を重ねた中でも、一度もなかったことだ。
もっとも高校時代から既に、直史は登板機会を分け合える戦友に恵まれていた。
日本ではもう日本シリーズが始まっており、またレックスが優勝していたりする。
MVPは樋口が取ったらしいが、各種表彰はまだ先のことである。
直史は武史の動きを聞いていない。
兄弟はこの半年間、ほとんど没交渉であった。
ただ直史は武史の成績ぐらいは、しっかりと確認している。
多分これは、今年も沢村賞を取るのだろうな、という数字である。
あとは日本の方から聞こえてくる情報は、来年からMLBに挑戦しに来る選手。
直史はふと、武史の契約更改はどうなのかな、と考えたりもする。
樋口の年俸が上がっているため、武史にしわ寄せがいくのではないか。
金銭欲はあるがこだわりの少ない武史だけに、財布の紐をしっかりと握る人間が必要になる。
ただ妻の恵美理もお嬢様であるだけに、あまりそのあたりには強くないとも聞いている。
セイバーの動きを、直史は知らない。
もしも先に知っていたなら、来年以降も足腰が立たないぐらいに、メトロズを抑えるという決心をしていたかもしれない。
だがそのあたりの事情は、まだ知るのは先の話。
直史はワールドシリーズの対戦相手が決まるのを待っている。
そしてそれがメトロズであれと、強く願っているのであった。
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