第45話 沈黙のエース

 レギュラーシーズン全日程が終了した。

 本当のMLBはここから始まる。

 いわば、流していたこれまでの試合とは異なる。

 一戦一戦の敗北が致命傷に近い、消耗戦ではなく決戦。

 それが始まるまで、アナハイムの場合は五日間の猶予がある。


 ア・リーグを圧勝したアナハイムは、その出場チームの中でも、メディアに注目は二番目に高い。

 やはり一番はニューヨークを本拠とし連覇を目指すメトロズだが、アナハイムもロスアンゼルス近隣の都市で、その経済圏には入っていると言える。

 スーパースターでもこういう時、黙々と練習をしたり、ある程度の息を入れてリラックスしたりと、それなりの調整法は違う。


 直史の場合は現在、金に任せて病院をホテル代わりに利用している。

 そしてマスコミからの取材に関しては、基本的に全て断っている。

 チームメンバーの一人としてのコメントは出すが、番組への出演などは全て断っている。

 数分程度のインタビューなら病院の中庭などで行うが、テレビ局のスタジオなどには行きたがらない。

 基本的にマスコミは嫌いと言うか、信用していないのが直史である。

 ただ日本のマスコミの報道の仕方よりは、マシだなと思ってしまうあたり、本当にマスコミはマスゴミである。

 ゴミでないマスコミの数も、ゴミのマスコミの数も、アメリカは圧倒的に多いのが多様性なのだろうか。


 真琴は興味深そうに明史を見て、自分が赤ん坊の頃のことを思い出そうとしている。

 難しいだろう。それにあの頃の真琴は、ものすごく毎日を苦しんでいたから、そんな記憶はない方がいい。

(子供時代ってどんなだったかな)

 直史は思い出すが、自分はもう気付けば、自分であったと思う。

 家を守り、土地を守り、山を守る。

 佐藤家の本家の長男だった。

 色々と傷つくことがあっても、それだけは変わらず心の中にあって、それが自分を安定させてくれていた。

 そのままずっと、世界は広がったが自分は自分のままのような気がする。


 日本に帰るとき、真琴は五歳になる。

 彼女の原風景は、アナハイムの地になるのではないだろうか。

 父親のマウンドで投げる姿を、どうにか記憶していられる年代。

 幸い今も既に、賢そうなことを言ったりするので、そのあたりは心配していない。

 いずれは嫁に出すのだと思うと、今でも既に胃がキリキリと痛むが。


 そんな病院における家族団らんは、とりあえずポストシーズンが終わるまでは続ける予定だ。

 自分がいない時に、万一のことがあったら困る。

 明史は割りとグズって、そのあたり元気そうに見えるが、それは真琴が病気のせいでおとなしすぎただけだ。

 正月に親戚が集まれば、赤ん坊の姿はよく目にする。

「意外と言ったらなんだけど、真琴の方が体重は重かったんだな」

「おもいの?」

「真琴は赤ちゃんの時から大きかったんだよっていう話よ」

 佐藤家の長女は、誕生時からの数ヶ月が嘘のように、すくすくと育っている。

 だいたい同年代の子供の中では、比較的誕生日が早いのもあって、だいたい一回り大きい。

 ただそれを重いと表現するのは、数年後にショックを受けたりもするのが女の子である。


 初歩的な幼児教育に入っている。

 共働きの両親であったが、直史は色々と祖父母に学んだのを憶えている。

 家中のあちこちに、クイズのように基礎知識の問題が貼られていたものだ。




 MLBの表彰などはポストシーズンも終わった、11月から始まっていく。だからまだ先の話だ。

 ただそれとは別に、タイトルは既に決定している。

 直史のタイトルは、30勝で最多勝、0.03で最優秀防御率、330奪三振で最多奪三振が決まっている。

 これは完全に偶然であったが、3というばかりがそろっていて、不思議な感じもしたものだ。

 ある者は陰謀論的に、直史がこれら3の数字を残したのは、宇宙人へのメッセージだとも言っている。

 さすがにそんなバカな話は、直史の耳にも届かないが。

 ちなみにレギュラーシーズンが直史が投げた球数は、2999球であった。


 前年と今年と、大介の残した記録も凄まじく、超人と呼ばれたりもした。

 だが直史の残した記録は、奇跡と呼ぶに相応しい。

 まあ上杉も今年は、1勝0敗63セーブを記録しているので、こちらも奇跡の記録だが。

 直史に比べて上杉は、防御率が完全な0という奇跡を残している。

 無敗ではなく無失点であるあたり、余計にその異常さが分かる。

 直史も上杉の約四倍のイニングを先発で投げ、そして自責点は一点。

 難易度ではどちらが高いか、比べられるものでもない。


 ただ年間セーブ記録では、一応年間無敗記録はある。

 もちろん無失点記録はないが。

 直史の先発投手として、規定投球回を投げての無敗記録も、これまた史上初。

 この年は日本人三人による、記録の草刈場と化していた。


 記録好きの瑞希は過去の記録と比べたりしているのだが、どうしても今年の記録はバグとしか思えない。

 日本の時点でもそうだったが、世界最高と言われるリーグでも、それに変わりはないのか。

 そう、たとえば防御率もWHIPもWHIPは去年のNPB時代と変わらないし、防御率はむしろ良化している。

 ランナーが出ても、絶対に点を取られない。

 なのでやはり、一発を狙っていくしかない。


 プロ入りしてからここまで、直史の取られた点を考えていけば、ホームラン狙いが一番正しい。

 ただその統計の結果を示しても、今度はホームランは打たれないピッチングをしてきたり、ホームランにしやすそうな球を打たれないように投げたりする。

 パワーではなく、思考の誘導を得意とするピッチャー。

 どれだけ優れたバッターであっても、事前に全く頭にない球は、打てなくても当然である。

 瑞希はなんとなく、直史が投げたボールなども分からなければ本人に聞きながら、一試合ごとに記録をしていっているが、そこに全く規則性が見えてこない。


 わずかに存在する規則性は、直史にとっては高校生時代に既に完成していた理論だ。

 人体の解剖学的知見から、打ちにくいボールというのは存在する。

 これはセイバーがたっぷりと説明してくれたため、白富東の選手は武史の代まではしっかりと習っている。

 ただ分かったところで、それを利用できるほど、変化球やコントロールに優れたピッチャーは、直史しかいないわけだが。

 ちなみに淳はアンダースローの時点でこの理屈がある程度成立するため、しっかしと結果を残せているわけだ。


 出産からまだ一週間も経過していないのに、ノートPCをポチポチと叩き始める瑞希は、やはり只者ではない。

 いや、直史たちと関わることで、只者ではなくなってしまったと言うべきか。

 ついでというわけではないが、アナハイムからもらったデータで、大介の分析などもしてみる。

 どのコースでも、どんなボールでも打っている。

 MLBに来てから、マイナーで長く生き残ったクセのあるピッチャーなどとも対戦して、対応力が上がっている。

 あくまでも個人的な感覚だと、直史が成長したよりも、大介の成長した割合の方が大きい。

 ただし直史も直史で、集中した時の爆発力はすごい。


 病院で上げ膳据え膳されてもらっているが、微妙に落ち着かないこともある。

 もちろん家事をする必要はないし、真琴も手元にいるしで、困ることなどはない。

 ようやくしっかり動けるようになって、病院の中庭などを散歩したりもする。


 MLBのポストシーズンの話題は、こんな場所でも話されているようであった。

 NBAやNFLに比べて、MLBは年配の層にファン層が多い。

 それもこの二年で、一気に様変わりしているようだが。

 NBAやNFLに比べると、野球の試合はやはり、のんびりと見ていられるというのが大きいらしい。

 のんびりと直史と散歩をしているが、もう季節は10月。

 今年の日程では11月の三日が、ワールドシリーズの最終戦。

 それまでに決着がついている可能性も、ないではない。


 わずかだが直史の肘が、炎症を起こしているのが確認された。

 やはりヒューストン相手に投げた二試合は、球数などとは無関係に、普段よりも力を入れていたのだ。

 レギュラーシーズンでは休むが、ポストシーズンでは休まない程度の症状。

 だがアナハイム首脳陣は、直史をポストシーズン序盤、出来るだけ休ませる日程で調整する。

 ワールドシリーズ以外のポストシーズンでも、相手チームは必死で戦ってくる。

 一試合の価値が違うポストシーズンで、直史を休ませるというのは英断だ。


 医者が保障したのは、ディビジョンシリーズの最終戦あたりからなら、投げても大丈夫だということ。

 それに加えて言われたのは、本当なら今年はもう、投げない方がいいということ。

 だがそれでは直史にとって意味がない。

 ワールドシリーズまでは勝ちあがらなければいけない。

 そこで大介が待っていなければ、それは仕方がないので笑ってやるしかないだろう。

 だがメトロズの今年の戦力を考えると、まともに殴り合えるチームは少ない。

 かなり戦術を考えて戦っていかなければ、アナハイムでも勝てないだろう。




 直史としては肘に、熱が残っているなという程度である。

 しかしやはりこれでも、問題は問題なのだ。

 靭帯などが損傷しているわけではないが、やや疲労している。

 体全体を使っていれば、大丈夫であったろうに。

(あと少しだけ、インナーマッスルでどうにかならないのかな)

 直史としてはあれだけ体のケアをしてきても、わずかなリミッターの解除ですぐに壊れそうになる。

 肉体的な強度が、そもそもMLBのピッチャーの中では最低クラスなのだ。


 シードで休める時間があって、本当に良かったと思う直史である。

 だがこれでオフの課題は分かった。

 限界以上の全力投球に、どうにか耐えられるだけの肉体の向上だ。

 もっとも靭帯や腱などは鍛えると言うよりは慣らす、と表現した方がいいものかもしれない。

 トレーナーに相談しても、ポストシーズンを前にどうこう出来ることではない。


 人間の肉体の、総合的な最大値は、まだこれから訪れる。

 だが若い頃にあった柔軟性は、さすがにもうこのあたりから失われていく。

 加齢による衰えは、どうしようもない。

 本来ならここから、技巧派に転身したり、読み合いの力をつけていくのだが。


 もはやほとんど、肉体は現状を維持することで精一杯。

 なのに大介はまだまだ、成長曲線が衰えていないという。

「なんとか今年のうちに勝っておきたいなあ」

 瑞希に付き合って散歩をする中、直史はそんなことを呟く。

 あの永遠の野球少年にとって、野球とは勝負する面白さが必要なのだろう。

 それに付き合ってやる人間が少ないというのは、間違いなく辛いことだろう。


 ボールは触るだけで、あとはゴムチューブなどを使ったインナーマッスルの強化。

 直史のポリシーに反するが、投げるだけの調整というのは、このあたりが限界なのかもしれない。

 あるいは直史も最初から、他のピッチャーと同じように鍛えていればよかったのか。

 もちろんそうとは思わない。


 練習において直史は、軽いジョギングをするだけである。

 あとは肘をかばわないように、ボールを投げることはやめておく。

 ブルペンでも投げない直史に、当然ながら故障説は流れたりする。

 別に故障とまではいかないのだが、ここから無理をすれば本当に故障にはなる。

 調整が難しいかもしれない。

 これだけは実際に投げてみなければ、確実にコントロールが出来るか分からないのだ。




 ポストシーズンのアナハイムとの最初の対戦相手は、トロントが優位に勝ちを先行している。

 今年の直史はトロントとは、一度も対戦の機会がない。

 ただこれは悪いことではなく、本質的にピッチャーは、初対決では有利なのだ。

 チームとしても5勝2敗で勝ち越している。

 シーズン後半の八月と九月にカードが組まれていた歪な日程だったので、さほどチームに変化はないだろう。

 あるとしたら意識の変化ぐらいである。

 トロントもタンパベイも、どちらも90勝をわずかに上回るレギュラーシーズン。

 どうやって勝利していくか、アナハイムの首脳陣は考える。


 直史を使うのは、おそらく大丈夫なことは大丈夫と言われている。

 ただ肘に負担がかかっていたのは、間違いのない事実だ。

 第一戦と第二戦を、スターンバックとヴィエラで勝つ。

 あとは第三戦と第四戦、リリーフをフル起用して勝てば、第五戦にまでもつれこむことはない。


 理想的なことを言うなら、直史にはリーグチャンピオンシップから投げてもらう。

 二試合ずつ投げてもらって、あとはワールドシリーズでもつれた場合、最後の第七戦も任せるかもしれない。

 どちらにしろ今のアナハイムは、直史をどう使うかで、勝てるかどうかが決まる。

 説明を受けたGMのビーンズも、現場の判断を尊重するしかない。


 最大の戦力を、序盤では使えない。

 出し惜しみをするよりは、少ない試合数で勝負を決めてしまって、温存をしていた方がいいはずだ。

 トロントの打線はアナハイムの投手陣が全力を出せば、そうそう五点以上は取れることはないだろう。

 そしてアナハイムはレギュラーシーズン、最低でもトロントから四点は取っている。


 直史を使わなくても、どうにか勝てる。

「いや、使いましょうよ」

 どこから話を聞いてきたのか、セイバーがビーンズの目の前に現れた。

 まあ直史が投げていないのは知られているので、そこまでは分かっていても良さそうだが。

「要するに治っていれば使えるわけでしょう? 治験の済んでいる薬というか治療法で、炎症程度なら簡単に治せますから」

「禁止薬物などには当たらないのですかな?」

「もちろん。元は上杉選手の肩の治療に使ったものですから」

 そんなわけで都合もよく病院に住んでいる直史は、簡単な治療を受けることになったわけである。


 話を聞いた時は、直史は本当に心から思ったものだ。

「セイバーさんはドラえもん並に、あちこちに現れては何かをどうにかしてくれますよね。まるで何でも出来そうだ」

「何でもは出来ませんよ。出来ると人間が知っていることだけです」

 注射を一本、肘にぷすり。

 そしたら翌日には、おそらく炎症はなくなっているだろう。

 そんな劇的な治療の効果があって、違反であったりしないのか。

「むしろこれは、この先のスポーツ選手にとって、新しい選択になりかねませんからね」

 下手をすれば今なら、トミージョンを受けているピッチャーが、全てこれだけで治るかもしれない。

 もっともトミージョンほどの損傷を受けている部位であれば、さすがに一日では治らないだろうが。

 だいたい一年は休まないと、リハビリまで完了しないトミージョン。

 それが二ヶ月ほどで治るかもしれないのだから、まさに新たな治療法と言えよう。


 ただこれは、その注射するもの自体が、ある程度準備にはかかる。

 それでも二週間ほどで済むので、靭帯をやってその年は全休という自体は、今後は劇的に減ってくるかもしれない。

「再生医療の分野は、今後も伸びていく分野でしょうからね」

 さすがはセバえもん。さすセバである。




 肘に注射を刺し、どこまでの深さで再生物質を注ぐか、その量などは確かに、計算された手腕が必要となる。

 だが上杉の例だけでもなく、この数年でこの治療技術によって、選手生命を回復した人間は少なくない。

 直史も事実、注射された翌日には、肘の重さと熱がなくなっていた。

 感謝するのはもちろんだが、セイバーにとってどんな得があったのか。


 もちろんセイバーは、金持ちという人種の中では、かなり善良な方である。

 だがこういった金持ちが最も嫌うのは、無駄に時間を使わされること。

 今回の場合は無駄ではなかったが、セイバーがその対価に何を求めているか。

 おそらくそれは直史以外からのものとなるのだろうが、知っておくにしたことはない。


 セイバーとしては、ごく簡単な理由である。

 ワールドシリーズの前に、アナハイムが負けてもらったら困るのだ。

 彼女の短期決戦用のアナハイムの戦力は、直史の多くが偏っている。

 その直史が投げられなければ、アナハイムがいきなり負ける可能性がある。

 そしてそれでなくとも、直史を上手く活用出来なければ。

 直史がわずかに肘に違和感が残っていても、全力のパフォーマンスは出せない。

 ならばそれは負けるか、少なくともワールドシリーズでは負けるだろう。


 セイバーとしては今のメトロズとアナハイムが、ほどよく戦力均衡していないと困るのだ。

 上杉を移籍させたことで、ようやくメトロズはアナハイムと、ほぼ同じ戦力となったと言っていい。

 そこにアナハイムから直史が抜けてしまえば、今度は逆にメトロズが強くなりすぎる。

 セイバー流の戦力均衡のために、直史の万全化は必要だったのだ。


 注射の翌日にそう聞かされて、本当にこの人はフィクサーのように動いてるなあと思う直史である。

 そして今の状態で、アナハイムとメトロズは互角なのか、とも思った。

 確かに勝率ではほぼ互角だが、どう計算したものであるのか。

 おそらくそれこそ、最新のトラッキングを使ってみたのだろう。

 いまだにセイバーと呼ばれているのは伊達ではない。

 

 直史としてはセイバーが色々と動き、そして資産を増やしているのは分かる。

 ただ重要なのは増やすだけではなく、何のために増やすことが必要なのか、ということだろうが。

 ともあれそこまで深くのことは、直史が関知することではない。

 セイバーがわざわざ直史の万全化を必要としたのなら、あとはそこで投げるだけだ。


 グラウンドでキャッチボールを始めるエースの姿。

 それを見せられて、安心したチームメイトは多いはずだ。

 直史としても微調整でどうにかなる程度に、休みの期間は短くて良かったと思う。

 ただあの治療法は、上杉のものと同じであるなら、事前に直史の細胞増殖を増やすため、その細胞を採取していなければいけなかったはずだ。

 もちろん直史はそんなものに同意した覚えはない。

 まあ血液の採取などはたびたび行っていたので、そのどこかでやっていたのだろうが。

 言うまでもなく、違法である。

 ただしこれを告発し、証拠まで集めたのならば、という次元だが。


 単純な正義の人でもないし、かといって金の亡者でもなく、だが利益が出るようには動く。

 少し前にあった、武史からのこちらの様子を確認する電話の中で、アメリカの社会の住み心地なども聞かれたものだ。

 セイバーが話を持っていったそうだが、完全にNPBのルールには違反している。

 だが直史は黙認する。

 直史は法律の人ではあるが、正義の人ではない。

 単純に法律が、正義のために使いやすいというだけで。


 そして対戦相手は決まった。

 トロント・ブルースカイズ。

 MLB球団の中で、唯一カナダに本拠を置く球団だ。

 まだ今の時期でよかったな、と直史は思う。

 もしももう少し後であれば、トロントの気温はかなり下がる。

 温暖なカリフォルニアに慣れていた直史の調子は、天気で狂ったかもしれない。

 もっとも直史の投げる初戦は、地元アナハイムでのホームゲームなわけだが。


 アナハイムにとってのポストシーズン初戦。

 直史はこの第一戦の先発を任されていた。

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