第15話 襲来!!!
ヒタスラハシレオモイハムテキモウトマレナイコイスルジョシハサイキョウダモンゼンブノリコエテミセルカラ!
家に帰って、今日は泉美と一緒じゃないなー、英ちゃんもいないなー、なんて寂しくベッドの上でコロコロしていると、スマホの着信音が鳴る。
電話の相手を見てみると、そこには泉美の名前が……!!!
「泉美、どうしたの!? 何かあった?」
「ふぇ、その……友一君声大きすぎです。びっくりしちゃうじゃないですか」
興奮した僕の声にクスクス笑うような声で、電話越しの泉美が笑う……良かった、普通の泉美だ、変なことなくてよかった。
「ごめん、その……急に電話かけてきたから少し心配になって」
「ふふふ、急に電話かけたらダメですか?」
からかうような話し方で聞いてくる泉美……急に電話かけてくるなんて、嬉しいに決まっているじゃないですか!!!
「ううん、大歓迎だよ!」
「えへへ、そう言ってくれると嬉しいです……ところで、友一君、その……明日の予定は開いているでしょうか?」
おずおずと、心配するような声で聞いてくる泉美。
明日か……うん、予定はない!
「うん、予定ないよ!」
僕の言葉に泉美の息遣いが一気に明るくなる。
え、何かあるのかな? あるのかな!
「予定ない、嬉しいです! その、それなら、えっと……明日、私とデートしてくれませんか! その、友一君とお休みの日も会いたいから……その、大丈夫ですか?」
嬉しそうに、でもどこか不安を孕んだ声で聞いてくる。
もう、大丈夫に決まってるじゃん!
泉美から誘われて嬉しいに決まってるじゃん!
「もちろん、大丈夫だよ! 明日でしょ、大丈夫、むしろ大歓迎、嬉しい! 僕も泉美に会いたいし、明日もいっぱい遊ぼ!」
「……嬉しいです、そう言ってもらえると! 友一君、明日は私がエスコートします、楽しみにしていてください!」
「え、本当? 泉美がエスコートしてくれるの! 嬉しいね、それは……泉美の好きなところいっぱい連れて行ってね!」
「はい、友一君を私の好きでいっぱいにしてあげます! それで友一君……この後ちょっとお話しませんか? その、放課後友一君と一緒にいれなくて少し寂しかったですから……!」
「うん、もちろん! 僕も寂しかったから、たくさんお話しよ!」
「(*´σー`)エヘヘ、嬉しいです。それじゃあ、えっと……!」
ワクワクしたような声で話始める泉美の声に耳を傾けながら、僕も泉美と色々なことを話す。
明日は泉美とデートか……そう言えば、泉美の私服見たことなかったな、楽しみ、楽しみ!
☆
「おーい、友一、めっちゃ可愛い子来てるよ! マジで可愛いって言うか……え? って感じの! これ誰、あんたの友達?」
泉美との電話を終えて、再び自分の部屋でコロコロしているとお母さんが焦った声で僕の部屋の扉をバン、と開く。
もっと息子のプライバシーに気を使ってほしいです……でも、可愛い子か、泉美かな?
待ちきれずに泉美が来てくれたのかな?
もー、本当に、可愛いなあ、泉美は!
「泉美が来たの! もう、泉美ったらー!」
「……ハァ」
テンション高く下の階に降りて行こうとする僕に、お母さんは小さくため息をつく……あれ、この反応泉美じゃないの?
ため息をつきながら、呆れたような声でお母さんは続ける。
「はあ、あんたは本当にバカップルだね……違うよ、泉美ちゃんじゃない。泉美ちゃんよりもっともっと可愛い子よ!」
「は、何言ってるの、泉美が一番可愛いんだけど? 訂正して、お母さん! 泉美が一番可愛いから!!!」
お母さんにそう言って僕は階段を駆け下りる。
泉美が一番可愛いんだぞ、本当に!
泉美より可愛い子なんているわけないじゃん!
「はいはい、どなたですかー?」
そんなことを考えながら、扉を開ける。
そこにいたのは小柄な体躯に赤のメッシュが入った短い黒髪、そして学年のマドンナと呼ばれるような美貌……
「よ、友一! 来てあげたよ、嬉しいでしょ?」
皇さんが笑顔で手を振っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます