第4話 目標とスケジュール
あの後俺は活動目標や配信スケジュールなどを決めて無事初配信を終えた。
配信自体は30分程で終わってしまい、新たに始めたSNSのツブヤキでは《幸せだった》《気付いたら終わってた!配信日が待ち遠しい!》《リアタイ出来なかったけど観ました!最高でした!次は必ずリアタイします!》などの感想が【#カズヤの奇跡】付きで投稿されていた。ちなみにこの【#カズヤの奇跡】は俺の配信のタグであり視聴者は配信に対する感想を、配信者の俺はエゴサをするとき等に使用する。
――――「奇跡」と「軌跡」が掛かってる良いタグだろう? 視聴者が考えてくれたんだよ!!見た瞬間ピンときたね! 俺じゃ無きゃ見逃してたよ絶対!!
そして俺の今年の活動目標。それは――――【チャンネル登録者数100万人】である。
なぜ100万人なのかと言うと、この数は前世では人気配信者の基準とも言える数だったから。
今世でも人気の女性配信者には既に100万人越えの人が居るのだ。だから目標にした。
……視聴者には《少なくない?》《一週間も経たずに超えてそう》などと言われたがこんなものだろう。
むしろちょっと多くない? と思ったくらいだ。
また、前世に比べて人口が少ないのに加えオタクが多い男性が少ないからか、この業界は未だ発展途上だ。
具体的には、事務所の数は未だ二桁に届いたばかり。所属しているタレントはあまり人気が出ていない状況で経営も上手くいっていない状況なのだ。数で人気配信者との差を埋めようとしているのと箱内コラボなどの事務所の利点を生かし切れていない印象だ。上手くいっている事務所は2~3個ほど。しかしそれでも経営は厳しいらしい。
今は100万人を越える数人の個人勢が独走している状態。
そして配信者という職業に火が付きそうで付いていないという感じだ。何かきっかけがあれば一気に流行る直前。
前世でもこの状況が、この期間が長かったのを覚えている。
しかし今回に限っては別だ。俺がいるからだ!
この世界の主体は女性なんだから配信者は異性である男性の方が人気が出やすくなるはずだ。
人間は無意識下で異性を求めるものだ。――そうどこかの偉い人も言ってたしな。
加えてこの情勢である。人気が出ないはずが無いしそれは既に初配信で証明済みだ。
それ以前に同性の配信より異性の配信の方が観たいだろう? ……隠さなくて良い! 俺もそうだったからな!
初見の配信者(男女)が同時刻に配信してたら俺は真っ先に女性の方を見に行く!
つまりそういうことだ。Q・E・D。
―― ゲフンゲフン。話を戻そうか。
最後は1番大事な配信スケジュールだ! これは同時視聴者数ましてやファンにとっては重要な要素なのでアンケートを採ることにした。内容は、基本週3日で配信するからその曜日と時間帯を決めてもらうというものだ。
アンケートをしてみてわかったんだが、この時点で10万人もの視聴者がいたことに驚いた。
ちなみに配信始めてから20分である。
そして彼女らの激しいバトルの元決まったのが、《水曜日の21:00》《金曜日の23:00》《日曜日の19:00》。
理由はそれぞれあるようで、水曜日は週の疲れを癒やし残りの2日を頑張るため。金曜日は週末に晩酌などをしながらゆったりと楽しむため。日曜日は来週から始まる仕事や学校を頑張るモチベーションを上げるため。などが挙げられた。
俺としては早朝配信が無いのとバランスがとれているので何の問題も無かった。
それに週4日も休みがあるのだ。何て良い仕事なのだろうか……。
本当は毎日配信しようとも思ったんだけど、それだと配信するのが嫌になったり三日坊主で終わりそうな気がしたから余裕も持ったスケジュールにした。続けることが大事だからね!
それに、別にこの日にしか配信をしていけない訳じゃない。これらは基本必ず配信をする日時なだけであり、配信したくなったらゲリラでやれば良いだけだ。アーカイブにも残るから何の問題も無い。
休みが沢山あるから趣味の時間や作業時間もたっぷり取れて最高だ!
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