スタートラインはどんなに最悪でも、なんとかなる
ななみ
第1話 小学校の入学式
早朝、6時。慌てて私は、胸が高鳴り起きた。布団の整理はいつも母が整えて、起こしに来るのも母だった。母が起こしに来たとき、私がいつも寝ているベットの棚に目覚まし時計がおいてあったが、同時にアラームが鳴って部屋中がとてもうるさくなった。
そのアラームの音で、私は「えー!もう学校に行く時間なの?」とふてくされたかのように母に言い散らした。
すると、母は、こう言い返した。「ほらあ、、もう起きなさいよ。あんたはいつもお兄ちゃんよりも起きるのが遅いんだからあ。」と呆れた表情で返した。
そう、私には、6歳も歳が離れている兄がいる。兄はその時中学校1年生で兄も同じく入学式やスポーツの部活決めで忙しかった。
私は、すぐに起きて、寝ていた二階の部屋から離れ、階段を素早く、慌てながら駆け下りていった。
私の心の中は、緊張と、心配と、不安、そして小さな期待しかなかった。なぜなら、保育園に通っていた頃の友達とは縁がなく別の小学校へ入学することになってしまったからだ。
一番仲が良くて、親友とも呼べた、友達とも離れ離れになってしまい、悲しかった。悲しくて、手紙を何通も書いては、学校に届けに行ったなんてこともあった。
そんな不安が大きい中、私は朝ご飯を食べて、顔を洗い、歯を磨いて、服も入学式用の制服に着替えて、ピカピカの赤いランドセルを背負った。そしてなぜか、ランドセルを背負った瞬間、何かが私の背中を押すように「いってらっしゃい。」と言った。
それは母だった。
家から出ると母は私の成長記録のために買った、新品のカメラで、入学式に行く私を撮影し、写真も撮ってくれた。
私はわからなかった。なぜその時、不安がる私を写真としておさめてくれたのか。母は言った。「はい、撮るよー!ほら、あんた笑わないと学校でいじめられるわよ。こういう時こそ笑いなさい。」と言ってくれた言葉に対して、
上手に返事を返せなかった。
なぜか、わかっていた。誰も知らない、知っていて仲の良かった、保育園の友達が一人もいない小学校で上手くやっていく自信がなかったから。
家の前を背に向けて、左に行くと、登校を一緒にする小学1年生から6年生まで並んで待っていた。私もその列に負けじと並んだ。
母は「頑張りなさい、勉強も頑張りなさい、そして一番友達を大事にして、いじめられている子がいたら、あんたが守ってあげなさい。」と言った。
その時、幼い私の不安は勇気に変わっていくことをおぼえた。そして学校まで歩いて30分かかる道を私は大変そうに、体力が減る中、頑張って歩いた。
学校に到着すると、入学式と書かれた板の前にたくさんの担任の先生方が待っていた。
すると、私は心の中で「始まったんだ。」と実感し手の汗を握りしめ教室へ向かった。
‐第一話 終わり‐
スタートラインはどんなに最悪でも、なんとかなる ななみ @nanako077
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