増えていく色
退院し、また両親との生活に戻る、病院から戻った僕に待ち受けていたのは、以前よりも過剰になった両親からの暴力だった。
「自殺しようとしたなんて他所様に顔向けが出来ん。俺達の顔に泥を塗りやがって」
「こんな恥を晒すくらいならあんたなんてそのまま死んでれば良かったのよ」
退院してから数週間が経ち、更に暴力はエスカレートする、流石に痛みを感じなくても体が限界だったようで僕は意識を失い、また病院へと運ばれることになる。
「ここは……」
「ソラ!」
「トワがいるって事は病院か……」
「凄い怪我ね」
「……うん」
「こういう言い方は良くないだろうけど、またソラと一緒ね」
また僕の病院生活が始まる、病院に戻って来た僕にトワは甲斐甲斐しく世話を焼いたり、話しかけてきたりとトワが絡んでこない日は無かった。
それらに最初こそ何も感じはしなかったが、トワの能力の暖かくする力なのか、僕の感情に何かが徐々に徐々に芽生え始めていった。
「あっ! 今ソラ笑ったよね?」
「え?」
「あ~ソラ怒ってる」
「……」
一月も経つ頃には、僕には幾分かの感情が芽生え始め、トワと話をするのが楽しく感じられるようになっていた。
だが、そんな楽しい日々は突然に崩れた。
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