青色
「僕には相応しいかもね」
「どういう事かな?」
「僕は何もないし何も感じないんだ。つまり空っぽって事なんだ。空と書いてソラって言うだろ?」
「う~んそれって何かつまらなくない? 考え方を変えてみたら?」
「考え方を変える? 君が僕の何を知ってるんだよ。僕が僕の事を一番知っているんだ。君にはきっと理解できないよ」
「あーもう! 考えすぎだよ。私にはソラの考えてる事も全く分かんないけどソラは難しく考えすぎだよ。もう普通に空のソラで良いじゃん。」
トワは何を言ってるんだろう、空っぽの僕にはそんな名前は相応しくない
「僕には空のソラは相応しくない」
「え~空っぽのソラよりはよっぽど良いと思うんだけどな、それに空っぽであるならば尚の事、空のソラの方が良いよ」
「……」
「だってさ夕暮れ時なら赤だったり曇ってたら灰色とか人間の感情みたいでいいじゃん。空っぽのソラは止めて空のソラにしよう! 決定ね」
強引なトワにソラと名前を付けられ、二日の病院生活を送る、その間トワは僕にずっと構って来る、何が楽しいのか笑顔で僕なんかにずっと……
「両親が迎えに来ました」
「ソラ行っちゃうんだ……」
「……うん」
「ねえ……ソラ……泣いてるの?」
「……え?」
僕の目からは、涙が溢れていた。
無色だと思っていた僕の感情にもまだ、青い色が残っていた。
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