水色
「……ここは?」
飛び降り自殺をしたはずの僕は、知らない場所で目を覚ます。
「あら? 起きたのね」
「あの、ここは?」
「あははは、何処も何もここは病院に決まってるわ」
病院……僕は自殺に失敗したのか
「ねえねえところで君の名前は?」
「名前……ごめん名前で呼ばれた事が無いんだ。名前もあるのか分からないんだ」
「へえ……そうなんだ」
終始笑顔の彼女は僕が何も言わないからか、飽きたのかそのまま自分のベッドへ戻ると本を読み始めた。
僕はする事も無くただぼんやりとベッドで横になっている、一方彼女の方はというと本を読みながら楽しそうにしている。
彼女が楽しそうにしていると周りが少し暖かくなる、多分彼女の能力は感情で気温とかに影響を与えるのだろう。
そんな彼女を見ているとこちらに気付いたのか、また話しかけてきた。
「そういえば君に名前を聞いて私は名前言ってなかったね、私はトワって言うのよろしくね」
「……よろしく」
「えっと……名前無いと不便だね――そうだ! 私が名前付けてあげる」
「……うん」
「……そうね、ソラなんてどう?」
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