第13話 いつかはそうなる
「あなたが、
「はい、そうですよ?」
「何でいるんだよ?」
スーパーに買い物に来ていた時に清瀬さんと会って話していたら、何故か
会わせてしまった、清瀬さんと榮口。
「はじめまして!私、
「はじめまして、清瀬さらです!」
2人はニコニコしていた。
一見、友好的に見える。
が、瞳を見ると、真逆な気がしてならない。
互いに探り合いな感じで、警戒しているようだ。
一体どういうことか。俺には分からない。
「あの、この後、お茶なんてどうですか?お話したいです!」
愛嬌たっぷりに、笑顔で言う榮口。
「
俺の方を見てきた清瀬さん。
おぉ…この斜めからの上目遣いという角度、良いかも…。
じゃなくて。と、煩悩を消す意味で、頭の中を切り替えて。
「清瀬さんが榮口と話したいのであれば、良いのでは?」
すると、「なら、3人でご飯食べに行こうよ♪」と清瀬さんは提案した。
「良いですね!そうしましょう!」
それに乗っかる榮口。
こうして、清瀬さんと家でお昼ご飯を一緒に食べる予定が、榮口が加わったことで、3人で出掛けることになった。
買い物した物を置きに、一旦俺と清瀬さんの住むアパートに帰る。
※
先に部屋から出てきた清瀬さん。
「すみません、突然で」
「ううん、大丈夫」
本当に綺麗な人だ。
私の隣に立つ清瀬さん。
チラッと横顔を見る。素敵だなぁ…。
敦音の鼻の下が伸びるはずだ。
どんな人なのか、本当に気になって、一緒にいることが多いとなると、近くのスーパーに2人は居るのではないかと思って行ってみたら、本当に居たから驚いた。
敵わないな。なんて、心の中で諦める。
それに、いい雰囲気だし。
でも、まだチャンスが見えるかもしれないから、もう少し粘ってみる。
もし粘ってもダメなら諦めるしかない。
諦めたくはないなぁー…。
※
ファミリーレストランの奥のテーブル席に、壁側に榮口、その向かいに俺と清瀬さんが並んで座った。
榮口は鯖の味噌煮定食、清瀬さんはチーズハンバーグとライス(量は少なめ)と日替わりスープ、俺はオムライスと日替わりスープを注文した。
「清瀬さん、いっぱい質問して良いですか?」
「答えられる範囲内なら何でも」
榮口は清瀬さんにたくさん質問をした。
好きな食べ物嫌いな食べ物、趣味特技、好きな色、休みの過ごし方など。
面接官か?なんてツッコミしそうになりつつ、女子2人の会話を見守る。
趣味に関しては、「読書」と答えた清瀬さん。
榮口は「ジャンルは?」の質問に対し、清瀬さんは当たり障りのない有名な作品や作家さんの名前を出した。
本当の所、ライトノベルなんだけど、守りに入ったのか、隠したようだ。
榮口に打ち明けても問題はないんだがな。
そんなにビビらなくても、と思った。
しばらく女子の会話が盛り上がった所で、「お待たせしました~」と注文したメニューがきた。
それぞれが頼んだメニューが目の前に並べられた所で「いただきます」と3人で言って食事を始めた。
※
「あー、美味しかったー!」
「美味しかったですね!」
女子2人は満足感に満ちていた。
俺も久々のオムライスを美味しく頂けて幸せだ。
「今日は清瀬さんといっぱい話せて良かったです!」
「こちらこそ楽しかったわ♪」
打ち解けたのか、良かった良かった。
「清瀬さん、連絡先交換しましょう?」
「良いよ!」
2人は連絡先交換を始めた。
あらあら、仲良くなって。
本当に良かった。
「ありがとうございます!」
「いえいえ♪」
「大学で素敵な先輩と出会えて嬉しいです!」
「あら、可愛い後輩ね!」
俺、邪魔だったかな?
ふと、そんなことを思ってしまった。
会計を済ませて、ファミリーレストランを出て直ぐのこと。
「私、これから予定あるのでここで」
「またね、芳枝ちゃん」
「はい!ありがとうございました!」
「じゃあな」
「またね、敦音!」
榮口は足取り軽く駅に向かって歩いて行った。
「帰りますか?」
「そうしましょう」
俺と清瀬さんはアパートに向かって歩き出した。
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