第10話 違和感

 今日の事を思い出しながら、パソコンで講義のレジメを作成する。

 あらかじめノートにまとめていたから、後は打ち込むだけ。

 とはいえ、引っ掛かる。

 清瀬きよせさん、菅崎かんざきさんとは高校の同級生と言っていた。


 しかし、


 これは一体、どういうことなのか。

 気にはなる。が、詮索は良くない。

 プライベートな事だし、そっとしとくのが良いのだろう。

 ぐるぐるしてきた、眠気と共に。

 子供の頃から、考えすぎると眠くなる。

 この癖、直さないとなぁ…。

 寝落ちに気を付けて、ラストスパートを越えて書き終えた。

 USBにデータを入れて、パソコンを閉じた。

「ふぅ…」

 溜め息を吐く。

 俺からは聞かない。

 そういう流れになったら、聞いてみよう。

 さて、歯を磨いて、寝よう。

 あれ?今、何時だ?

 時計を見ると、11時半過ぎ。

 そりゃ眠いは。



 もしかして、彼は、勘違いしているはず。

 家でゆっくりしていると、ふと思い出した今日の事。

 読んでいた本を閉じ、机に置く。

 ベッドに横になり、ふぅーと長く息を吐いた。


「おかしいって、思ってるよね…」


 学年は確かに1つしか違わない。

 でも、年齢は、 2

 積極的には言いたくはない。

 あの時の事、辛くて言えない、言いたくない。

 聞かれたりはしないはず。

 そんな人じゃないから、彼は。

 うとうとしてきたなぁ…。

 自然と深い眠りに私は抗うことなく落ちた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る