第10話 違和感
今日の事を思い出しながら、パソコンで講義のレジメを作成する。
あらかじめノートにまとめていたから、後は打ち込むだけ。
とはいえ、引っ掛かる。
しかし、学年が違う。
これは一体、どういうことなのか。
気にはなる。が、詮索は良くない。
プライベートな事だし、そっとしとくのが良いのだろう。
ぐるぐるしてきた、眠気と共に。
子供の頃から、考えすぎると眠くなる。
この癖、直さないとなぁ…。
寝落ちに気を付けて、ラストスパートを越えて書き終えた。
USBにデータを入れて、パソコンを閉じた。
「ふぅ…」
溜め息を吐く。
俺からは聞かない。
そういう流れになったら、聞いてみよう。
さて、歯を磨いて、寝よう。
あれ?今、何時だ?
時計を見ると、11時半過ぎ。
そりゃ眠いは。
※
もしかして、彼は、勘違いしているはず。
家でゆっくりしていると、ふと思い出した今日の事。
読んでいた本を閉じ、机に置く。
ベッドに横になり、ふぅーと長く息を吐いた。
「おかしいって、思ってるよね…」
学年は確かに1つしか違わない。
でも、年齢は、 2つ違う。
積極的には言いたくはない。
あの時の事、辛くて言えない、言いたくない。
聞かれたりはしないはず。
そんな人じゃないから、彼は。
うとうとしてきたなぁ…。
自然と深い眠りに私は抗うことなく落ちた。
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