第2話 買い物
「まさか、同じアパートの隣の隣だったなんてね♪」
「ご縁…ですかね」
「そうかもね!」
ニコニコと笑顔の
一緒にスーパーで買い物に行っての帰り道。
「面白いなぁ~そして、世の中狭い!」
明るい人なんだな。良いな。
「
「はい?」
間を置いてから、清瀬さんは言った。
「あの時、すんごく暗かったけど、何かあったの?」
直球すぎる質問にドキリとした。
だが、不思議と口を開いていた。
「実は、清瀬さんと会う前に、フラれまして…」
「えっ」
目を丸くする清瀬さん。
そんなに驚かないで。
淡々と経緯を語り終えると。
「なんか、ごめんね」
「いや、いいんです、大丈夫です」
「そう?」
申し訳なさそうな表情に、俺は少しズキッとした。
「話したら、フラれた傷が軽くなった気がするんで」
本当にそんな気がした。
誰かに話すって、時に良いんだな。
「そっか」
スッと息を吸う音が聞こえた。
「また出逢いがあると良いね!」
「はい」
だと、良いな。うん。
アパートに到着し、清瀬さんの買い物袋を渡す。
「ここまで荷物持ちしてもらって助かったよ、ありがとう!」
「いえいえ」
荷物持ちなんて、お安いご用です。
「じゃあ、また」
「うん、またね!」
それぞれ部屋に入った。
※
隣の隣に、清瀬さんが…。
また同じタイミングで会えるかな?
なんて、な。
さて、明日はフッたあの子もいる講義がある。
どんな顔して行けば良いんだか。
あー、嫌だなぁ…。
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