エピソード2 ~ロボット海老名と怪盗エビ~
1
2052年3月18日に
「我々は、宇宙人だ」
「おいおい、お前は宇宙人じゃないだろ。エビ型ロボットだ。自分の名前がわかるか?」
海老名を作った
「はい。ロボニャンエビノスケです」
「ちがう、ちがーう。全然ちがーう。こら。わざとやってるだろ。お前の名は、ロボット
「はい」
どうして2かというと、2048年に、ロボット海老名1を作ったが怪盗にさらわれてしまった。そこで博士は、パソコンに残っていたロボット海老名1のメモリーを使用して、ロボット海老名2を完成させたのだ。
「ん、なんだこれは?」
ある日、博士が家に帰ると、机の上に、謎の紙と『ロボット
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ロボット海老名は、改造して、悪のゴッドスペシ
ャルロボットエビという名前にしてやった。
そんで今夜はロボット海老名2をさらっていく。
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久しぶりだなあ、博士。僕はもうあなたの敵だ!
エビを攫ってくぞ。
悪のゴッドスペシャルロボットエビより
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「何だって、あいつを改造したじゃと? 私の最高の発明品を! 許さん! それに、海老名2をさらうとはどういう事じゃ。こいつはまだ作ったばかりなんじゃぞ」
博士は激怒していた。すると、海老名2は博士に言った。
「大丈夫です。僕なら彼を元に……」
「おい! 彼とは何だ! あいつは女(※博士の趣味)だぞ!」
「そんなの、知らないよー」
「ああん? 何か言ったか? こら」
「ごめんなさい。彼女を僕なら元に戻せますー」
「分かっとるわい。わしが作ったんじゃからな」
「それに、僕は絶対捕まりません」
「はあ……」
と、博士はため息をつき、それから、
「そうだといいんじゃが」
と言った。
「どうしたんですか?」
「いや、どうしたんですかじゃなーい。怪盗エビがどれだけ速いか知らんじゃろ」
「ど、どれだけ速いんですか?」
「チーターはとっくに超えとるわい。地球を2日で回ってしまうからな」
「えっ」
海老名2はとてもびっくりした。
2
――夜が来た。
海老名2の心臓は、ドクンドクンと鳴っていた。
「わしが助けるからな。最愛のロボット海老名2」
「海老名2って呼んでください。長いので」
「わかった。海老名2。お前を絶対に守ってみせる」
怪盗は来ない。海老名2はウトウトしてきた。博士は、
「おっと、忘れてた」
と言って、海老名の後ろのカバーを開けた。そして、「寝る」のボタンをOFFにした。
「こんなこともあろうかと、隠しておいたんじゃ」
「用意周到ですね」
海老名2は眠らなくった。というより、眠気がしなくなった。
でも、心臓はドクドクしたままだ。それは博士にも聞こえて、
「あっ、そうだそうだ」
といって、また博士はカバーを開け、「緊張」と「トイレ」をOFFにした。それから、「速度」を〝速い〟にした。最後に、「逃げる」をONにした。
3
いつになっても、怪盗は来ない。
「まさか――」
博士は、途中でいったん言葉を止めた。そして、
「わしが寝ている間に盗もうというのか」
と言い出した。
「そうかもしれません。寝ないように」
「お前は馬鹿か。ずっと寝なかったら、さすがのわしでもおかしくなってしまうわ」
「そうですか。どうしましょう」
「やばいなああああああああああ~~」
「急にどうしました、博士!?」
博士に早くも眠気が襲ってきた……のだろうか?
4
……怪盗エビは、すでに家の中へ侵入していた。小さな隙間から覗き見て、博士が寝るのを待っていた。ドアを針金を使って鍵を開けて中へ入り、接着剤を使って、一度海老名2たちが出られないようにする。
海老名2は博士が眠ってしまって慌てている。しばらくすると、海老名2が博士の方を見始め、隙ができた。
「今だ」
と、博士たちがいる部屋の前まで走り、中へ入った。海老名2はロボットだから水をかけると動かなくなることを知っていた怪盗エビは、用意しておいた瓶に入った水を海老名2に向かってかける……と、その瞬間、低い声が聞こえた。
「逃がさんぞ、怪盗」
博士だった。博士は寝たふりをしていたのだった。それから博士は、
「お前ら出てこい!」
と言った。すると、部屋の外からずらずらと、警察たちが出てきた。
「動くな!」
「ふふふ……」
警察が怪盗エビを包囲しても、怪盗エビは笑っていた。
「こんなの想定の内ですよ」
と言って、手を仰ぐように降ると、風のようなものにあおられて、一瞬で博士や警察たちがなぎ倒されてしまった。しかし、海老名2だけは、大丈夫だった。
「海老名2、がんばれ」
そんな博士の苦し紛れの言葉を聞き、元気いっぱいの海老名2は、〝戦闘モード〟になった。
そして怪盗エビと戦った…………。
部品がばらばらと落ちていく。怪盗エビは高性能のドリルを持っている。
「くう、負けるもんか!」
海老名2はめげなかった。
「無理をするな! 落ち着け! 海老名2!」
博士が言うが、海老名2は聞かない。それを見て、博士は立ち上がる。
「ウオ――――ッ!!」
博士は海老名2の前へ出た。目の前には怪盗エビのドリルが迫っている。
海老名2は急いで博士の前へと……博士もすかさずその前へと……・
結局、ドリルが刺さったのは――――海老名2の方だった。
その衝撃で、怪盗エビは家の外まで吹っ飛ばされ、そして逃げた。
バラバラ……。どんどん部品が落ちていく。海老名2は壊れてしまった。博士のために一生懸命戦って……。
「また……守れなかった…………」
――それから博士は一生、海老名2、そして海老名1のこともずっとずーっと忘れずに生きていった。
翌年、博士は高知能自立思考型AI、『海老名3』を発表し、大きな話題となった。
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