甲斐甲斐しい女はいかが?1


 璃央さんが汗を流してる間に、ビールに合う軽いおつまみでも作りましょうかねぇ。

 でも、何かあたしって甲斐甲斐しくない?

 それじゃぁ。なにをお作りして差し上げようかしら?

 さっきタンデムした時の仕返しおかえしも在るから……

 そう考えると彩華さんの献立じゃないけど、やっぱりお野菜に一択でしょ!

 お野菜はいっぱい摂らなきゃねっ。そうよ、そうよ。



「彩華さん。あたしが璃央さんの軽いおつまみを作りますから、お野菜を使っても良いですか?」


「あら~ふふふ。イイわねぇ~それで何を作るの?」


「あぁ~なにか勘違いされてませんか? そんなんじゃ無いですからねっ」


「え~勘違いって? なぁ~にぃかな~」


「もう……すぐ揶揄いモードに入らないで下さいよぉ」


「あらっ。分かっちゃったの? つまんないわよぉ。もう~。って冗談よ。ごめんなさいね。それでメニューはどうするの?」


「お夕飯前だからやっぱり軽いもので、キュウリとミョウガが在れば簡単なお味噌和え出来ますけど。少し軽すぎちゃいますかね?」


「ん~そうねぇ。ちょっと可哀想かもね。あっ! お豆腐在るから冷奴なんてどぉ? お味噌和えと冷奴で良いんじゃ無いかしらね」


「そうですね。お夕飯前ですから丁度良い感じで良いと思います」



 彩華さんのアイディアも在ってメニューは決まったわ。

 でも両方とも火を通さないからお料理って云って良いのか微妙なのだけど。

 キュウリは小口の薄切りにして、お味噌とお砂糖それに胡麻油を少々加えて和えたら小鉢に盛り付けて、ミョウガの千切りを天盛りすれば完成よ。

 お祖父様と透真さんがお帰りになられたら晩酌されるだろうし、お二人の分も一緒に作って置けば盛り付けるだけになるから、彩華さんの手間も省けてちょうど良いわね。


 問題は冷奴ね。普通に薬味を刻んで天盛りするだけじゃちょっと物足りないのよね。

 ん~……しらすが在ったら塗すように盛って薬味を載せればちょっと面白いかも?

 薬味はやっぱり生姜でしょ。おネギでしょ。ミョウガ、それに大葉を刻んで最後に白ゴマを少々振っても好いわね。

 彩りも綺麗になるし。そうしましょ。

 お手軽なメニューだから完成まで十分もかからないわね。




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