報告と告白 Vol2ー2
あたしは笑いを噛みしめて堪えてるのがやっとだわ。
だって師匠が並んだお料理を前に苦虫を噛み潰したような顔をしたって事でしょ。
ご飯の支度を彩華さんに任せた手前、何も云えなかったのでしょうけど。
璃央さんはその時の献立を思い出してるのか、難しいそうな複雑で微妙な表情をしてるわね。
対照的に彩華さんは「失敗しちゃったぁ」って感じであっけらかんとしてる。
でも彩華さんの気持ちも分かるなぁ。
お料理も毎日の事だから献立に失敗する事も在るわよねぇって。
あたしの失敗例だと、インスピレーションだけで創作料理を作ったら、これってお料理って云えるの? みたいなのが出来ちゃって……
そんな時はもう失敗なんてレベルでは無くて、後悔するって表現が正しいわ。
「璃央君はもうお店に戻らないならビール出しましょうか?」
「それは魅力的なお誘いだね。その前にシャワー浴びて来たいかな」
「そうね。それが良いわ。お湯も張って在るから浴びてきたら?」
「それじゃ遠慮なく。紫音に綾音。お前らはどうするんだ?」
「おにぃちゃん。きょう おねぇちゃんと はいりゅん だよ」
「ねぇねと いっちょ なにょのよ。リオにぃは おひゅとり で どうぞ」
「弥生ちゃんにお願い出来るかな? もうこの娘達が勝手に決めちゃってるのよぉ。ごめんねぇ」
「全然大丈夫ですよ。あたしも一緒にお風呂したかったので」
「そぉ。ありがとう。手間掛けちゃうけどよろしくねっ」
「畏まりました。ふふ」
嬉しいぃ~! 紫音ちゃんと綾音ちゃんと一緒にお風呂よ!
しかもご指名まで戴いちゃって。
ねぇ~。 聞いてる? アタシさん。
羨ましいでしょうぉ。譲ってあげないわよっ。
キコエタワヨ。 ヨカッタジャナイノ。 チャント アラッテ アゲルノヨ?
勿論じゃない。やっぱりシャンプーハットとかするのかなぁ。
二人同時は無理だから洗ってあげる順番はジャンケンで決めるのが良いかな?
ニュウヨク ノ コマカイ ビョウシャ ワ オトナ ノ ジジョウデ キンシ ヨ!
ちょぉ~~~それ云っちゃらめ~~~
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