報告と告白 Vol1ー1
やっぱり小さな女の子って凄く可愛らしいけど、この双子ちゃん達は特別だわぁ。
若いお母さんが着せ替え人形みたいな感覚で色んなお洋服を着せたくなる気持ちが解るもの。
紫音ちゃんと綾音ちゃんにしたって、ビーズ付のヘアゴムとかシュシュみたいな簡単なヘアアクセで可愛くなっちゃうのよ。
いえ……元々が可愛いからアクセが素晴らしい訳では無いけど……
「より一層、可愛らしくなった」
これねっ!
あ~ん。こんな事ならシュシュとかいっぱい持ってくれば良かったぁ。
アナタ ニ ヨチノーリョク ナンテ ナイワヨ。
そんなの分かってるわよぉ。
予知能力があたしに在ったら後悔なんてして無いわ。
「彩華さんに報告が在るんですけど、良いですか?」
「ん~何かなぁ? もしかして璃央君にプロポーズされたとか? 招待客リストに入れといてね」
「なんでいきなりそんなにお話が飛躍しちゃうんですかぁ……」
「あらっ。違ったの? 璃央君もヘタレなのねぇ。ふふ」
「違いますって! 璃央さんも関係するお話ですけど、そっちじゃないですよ。もう」
「そっちって何の事でしょ? 弥生ちゃん意識し過ぎじゃないかしら? 可愛いわ」
彩華さんは揶揄いモードで手ぐすね引いてスタンバってるわ。
さて、どうやってお話しを戻そうかしら。
いま璃央さんに振ると火に油を注いで一気に炎上なんて事になりそうだし……
ちょっと強引でも彩華さんをスルーしてお話し進めちゃうのが得策かも?
「それでですね。明日の事なんですが、あたし電車で帰る事にしたんですよ」
「あらぁ~上手く躱されちゃったみたい。弥生ちゃんもやるわね」
「続けますね。その理由なんですが、璃央さんにあたしのバイクを改造して貰うってお話しになりまして、相談した結果このままバイクをお預けするのが一番スムーズなのでそう云う事になりました」
「そうなの? 弥生ちゃんは改造しなくて良いのかな? ねぇ璃央君」
「そんなに引っ張らないでよ。俺のレーサーを視せたら弥生ちゃんが気に入ってさ。そう云う事ならカスタム作業をやろうかって話しでね。最低でも三週間くらいは時間が必要だから今回は弥生ちゃんに電車で帰って貰うんだ。それで完成したら連絡するって感じで引き取りにまた来て貰う必要在るけどね」
「ふ~ん。そう云う事ね。璃央君もちゃっかり抜け目無いじゃないの。ちゃんと囲い込むなんて私も見直したわよ。これじゃもうヘタレなんて揶揄えないわ。ごめんなさいね。ふふふ」
「もう。彩華さんそのくらいで勘弁して下さいよぉ。あたしって自分で云うのも変ですけど、そう云う事にあまり耐性ないんですからドキドキしちゃいますよ」
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