お昼ご飯のメニュー Vol2ー2
大人数で食べるご飯ってそれだけで美味しいのだけど。
お料理の味も素晴らしくて、至福のひと時だわ。
あたしは文字通りに遠慮なく彩華さんに取り分けて貰ったお料理に手を付ける。
小魚の南蛮漬けを一口。
甘酸っぱくて、最後にちょっとだけピリッってする刺激が何とも云えないわ。
ご飯欲しくなるお料理ね。早速おにぎりに手を伸ばし。
「ぱくっ」
おかかの薫りとお醤油の塩っぱさが心地好いのよね。
小さなサイズのおにぎりって、摘まみ食いしてるみたいで愉しくなっちゃう。
次はお惣菜の王道でも在るレンコンのきんぴら。
このシャキシャキした食感が堪らないわねぇ。
ヒジキの炒り煮は、大豆、きざみ揚げ、人参を具材にして、トッピングとして白ゴマも散らしてるのね。
定番とは云え、一切の手抜きは感じられないわ。
特に大豆は一晩お水に浸けてから使わないと割れちゃうのよね。
確か師匠が、このお料理は殆んど彩華さん一人で作ったって話してた筈。
お料理のコツとか、秘伝のレシピとか、色々お話して教えて貰わなきゃ。
おにぎりの具はやっぱり五種類だったから、あたしの予想が当たったわ。
因みに。おかか、梅干し、鮭、たらこ、昆布の佃煮でした。
小さなおにぎりをコンプリートして色々な味を愉しめて堪能出来たのよ。
あれ? あっ!
そう云う事なんだ。
あたしったら何で気付かなかったのかしら。
おむすびのサイズを小さくするメリットは、具材の種類を増やす事で少しずつ色んな味を愉しむ事にも通じてるんだわ。
てっきり、まだ小さい双子ちゃんにも食べ易い様にって思っていたのだけど、それだけじゃ無いみたい。
食べ易さと味を愉しむ事の二つを兼ねさせてるのね。
良いとこ取りって感じ。これこそが本当のウィンウィンよっ!
さっきのあたしの暴走状態と違って……
その発想がとても素敵だと思うの。
お食事を一緒する皆が愉しめる様にってする工夫には、優しさと愛情が籠ってるのだわ。
こう云う手法もレシピの一つに数えて良いんじゃないかしら?
さっき、師匠はおむすび握っただけなんて云ってたけど、これって実は師匠の発案だったりするのかな?
もしそうなら師匠もお料理の腕前はかなりの上級レベルだし、達人の域に達していても不思議じゃないと思うわ。
毎日の献立ってルーチンワークに成りがちだけど、食べる人の顔を思い描いてお料理するのって、とっても素晴らしいじゃないっ。
是非あたしも見習わなきゃね!
アナタ ニ ツクッテ アゲラレル アイテ ガ アラワレマス ヨーニ。
合唱。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます