意外な一面 Vol3ー1
やっぱり彩華さんも師匠と同じで、双子ちゃん達にいっぱい愛情を注いでいて、優しいそうなママね。
穏やかな物腰に柔らかな表情でしおんちゃんを諭し、最後にはニコって笑いながら『許します』って。
もぉ完璧よっ! あたしも彩華さんの娘になりたぁい。
と云う事は……?
しおんちゃんとあやねちゃんはあたしの妹!?
最高じゃない! 可愛い妹が二人も出来るなんて。
その上、師匠がお祖母ちゃん?
こんなに素晴らしい事なんて無いじゃない!
モーソー 乙。 イイカゲン メ ヲ サマシナサイナ。
「さぁ。早速、お昼ご飯をサロンの方に運んじゃいましょ。紫音と綾音は綺麗にテーブル拭けるかな?」
「うん。ママ ちゃんと できるのよ」
「おみずに だい のって すりゅから できる」
「彩華さん。あたしはこれをみんな運べば良いですね?」
「そうね。取り敢えずサロンのカウンターにお願いね。弥生さん、助かります」
「いえいえ。当然の事ですから」
お弁当じゃなくて、昼食のお料理ごとお引越しみたい。
幾つもお弁当を詰めるのって、結構な手間だったりするのよねぇ。
でも、こんなにたくさんを車に積むのも手間的に考えると……
えぇとぉ。色々在りますねぇ。
お鍋に、大皿のお料理に、布巾の掛かってるこれは何かしら?
それと食器類まで。
お鍋だけで三つも在るわ。
まぁ、いまは何も考えないでせっせと運びましょ。
「弥生。温め直すから鍋はこっちにおくれよ」
「お鍋は全部で良いですか?」
「そうそう。全部温めるよ」
「分かりました。これですね。お願いします」
皆さん手熟れてるわ。
打ち合わせや指示も無く役割分担が出来てるもの。
これって家族の絆の成せる技なのかしら?
しおんちゃんとあやねちゃんは、ぴょこんぴょこんって背伸びしながらテーブル拭いてて愛くるしい。
あまりに可愛いからスマホで「カシャッ」ってしたいけど自重しなきゃ。
彩華さんはカウンターに大皿を順に並べてるから、きっとお料理を盛付ける準備ね。
師匠はストーブテーブルで鍋の中身をかき混ぜながら温めていて、ここに居ない璃央さんは搬入し易い様にサロン前に停めてたミニバンを移動させに行ったわ。
一切の無駄がなくて、まさに完璧なチームワークって感じで感心してしまうわね。
あたしはねぇ……そうねぇ……
隅の方に二つ置いて在る子供用の背高チェアを運びましょ。
こうして観察してみると、ここに食事を運んで皆さんで食べるのって珍しく無いみたいな気がするわ。
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