意外な一面 Vol2ー1
あたしと璃央さんがお店のインテリア談義にお花を咲かせて居ると、敷地の入り口付近からクラクションが鳴ったの。
視線を向けるその先にはさっき師匠が乗って行った軽トラに続き、
車から降りた師匠は、璃央さんの作業場に視線を向けながらこちらへ歩いて来る。
もう一台の乗用車は、カチャッとロックが外れる音に続き、ピッピッピッとアラームが鳴りながらスライドドアが開き始めると、運転席から女性が降りてゆっくりスライドドアの方へと廻ったわ。
「璃央、手伝っておくれ」
「オッケー。婆ぁば、案外と早かったね」
「そうさ。時間も時間だったし、彩華が殆んど用意してくれてたからねぇ。あたしゃぁ、むすび握るだけで済んだんだよ」
「流石だね。何時もながらそつがない」
「あっ。あたしもお手伝いさせて下さい」
「頼めるかい? じゃぁ行こうか」
「はい。喜んで。しおんちゃんとあやねちゃん。ちょっとここで待っててね」
「やよいおねぇ、ママに ごめんなさい する。いっしょに いく」
「あぁっ!? あの人がママ?」
「うん。そぉ。さっき やくそく だから」
「そうね! 偉いよ。偉いわね。本当に良い子だわ。あたしも応援するから! 一緒に行こっ」
あやねちゃんだけ残すのも可哀想なので三人で後を追った。
ジジッ……ジジッ……
「間違えないで。言葉は紡ぐものよ」
「そうだな。此れからは二人で紡ごうな」
「どうしてくれるの」
「そうだな。涙が枯れるのを待つかな」
「枯れないわよ。ずっと」
『もしかしてこれってあたしなの? それなら相手は誰なのよ。何回も云いたくないけどお独り様なのよ。あたしはっ』
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