偶然の様な必然の出逢い Vol2ー1
ジジッ……ジジッ……
「ねぇ。ずっと探してくれてたの?」
「ああ。ずっと探してたよ」
「迷ったりした?」
「迷子になってた」
あたしの零れる涙は一向に止まる気配は無い。
でもそんな事は全然気にならない。
少し拓けた空き地の様な土地にログハウス的な建物が三棟建ってて、看板は無いからお店が在ると知らなければ農業資材や建築資材の集積場と云われても違和感は無いわね。
でも良く視るとあたしが雑誌やネットサイトでしか見た事の無い
『それほど詳しくないあたしでも知ってる名車が置いて在るお店だなんて……』
あたしのバイクは高級車でも何でもない。しかもパンク修理だなんて……
嫌な顔されて断られないかな?
そうだと嫌だなぁ。
そんな被害妄想的な思考が頭に過ぎるわ。
大丈夫……よ……ね?
お祖母様に連れて来て戴いたお店だもの……
考え過ぎよね?
「やよいねぇね。リオにぃのトコ いこっ?」
気が付くとあやねちゃんが袖口をチョンチョンって引っ張ってる。
しおんちゃんはお祖母様と一緒にくっ付いて行ってるし。
ちょっと振られちゃったかな?
なんておバカな事を考えてしまったわ。
「あやねちゃん、ごめんね。うん。行きましょ!」
「やよいねぇね。えっと……リオにぃは ねぇ ちょっとイジワルな とき あるけど イタズラして めぇって するときも ぜったい たたかないの だから こわくないんだよ! ばぁば はホントに おこると おしりペンって しゅるからイタイんだよ」
可愛いらしいわぁ!
お祖母様があやねちゃんのお尻ペンって叩くの想像出来るかも?
…………って!
ダメじゃないっ。
あたしが少し不安になったの察してフォローしてくれてるの?
いけないわね。こんな小さな女の子に心配させちゃうなんて……
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