華やかな遊女が腐ちていく姿は刻の決まりごと。諸行無常を見つめる怪作!

万物はすべて変化し、普遍のものはない。
一休和尚と遊女の地獄姐さんの句のやりとりを傍らに過ごす女童の静かなモノローグで物語は進んでいきます。
むろん一休さんの「わがまま和尚」ぶりは歴史にある通りで笑えます。奔放で利己主義……の姿を『生涯演じ続けた』名高い聖職者です。そんな彼に心を砕いて微笑みながら寄り添い、座敷へと向かう姐さま。
うん、大人だ♡

雪のように艷やかだった姐さまを草むらに見つめる女童は何を思う。
ラストシーンの情景はとても”美しくて”、深くて、感動的なお話です。

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