昔読んだ小説を思い出そう
というわけで、前回に引き続き昔読んで面白かった文豪作品の思い出です。
まずはこちら。
井伏鱒二で、『山椒魚』
わかる。わかるよ。冷静に考えたら全然別の方法だってあるのに、一度テンパって強気に出ちゃった手前引っ込みがつかなくなっちゃうこと、あるよね。
そして、本自体は短編集なんだけど、その中の『掛け持ち』が分かりみ深すぎてヤバい。
え、なんでこの人、現代人にこんな刺さる文章書けるの?
面白かったです。
お次はこちら。
レ・ファニュで、『カーミラ』
これも前半に収録されている短編が予想以上に面白くて得した気分になりました。
自作の『夜の王は静かに暮らしたい』でホラーっぽい風景描写をするのに、本棚の奥から引っ張り出して大いに参考にさせてもらった覚えがあります。
本編はというと、適度に妖しげで適度にスリリング、普通に今読んでも楽しめるエンタメでした。
みなさま、念仏を聞いて機嫌が悪くなる隣人がいたら要注意ですよ。
面白かったです。
続きましてこちら。
サン=テグジュベリで、『星の王子さま』
大事なことは数字じゃないんだ。
いやホント。ホントそれな。
昔、空想科学読本の何冊目だったか忘れちゃいましたけど、柳田理科雄さんが本題から脱線して、仕事をしてて上司に言ってはいけない(けど言ってやりたい)諺として『小人閑居して不善をなす』と、『燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや』を挙げてたんですが、私としてはこのセリフを追加したい。
大事なことは数字じゃないんだ!
予算とか進捗とか決定率とか個人成績とか順位表とか前年対比とか損益分岐とか12カ月移動平均とか加重平均単価とかうるせえええええ!!!!
って。
一回くらい言ってみたいですよね。
言いませんけど。
とにかく登場人物のツンデレっぷりが可愛かった記憶があります。
とくにキツネ。
「私を懐かせて」
って、自分の中では名ゼリフなんですが、どうでしょう。
面白かったです。
そしてこちら。
スウィフトで、『ガリバー旅行記』
これ、タイトル知らない人はいないと思いますけど、実際に全部小説で読んだ人、います?(笑)
そしてガリバーが日本とラピュタにも行ってたこと知ってる人、います?
私は読むまで知りませんでした。
いや、ラピュタて(笑)
というか、そもそも『天空の城ラピュタ』の名前の元ネタが『ガリバー旅行記』だってことも、この本を読んで初めて知りました。どうなんでしょう、これって普通に有名な話なんでしょうか。
お話としては、前半の風刺的な描写は当時の社会情勢に詳しい方じゃないとピンと来ないと思うんですが、最後のフウイヌム国は刺さりましたね。
人間は醜い……。
シンプル過ぎる風刺……。
最後にグサッとヤラれた感じがありました。
面白かったです。
今回の最後はこちら。
ドイルで、『失われた世界』
これも、タイトルは知ってても読んだことある人少ないのではシリーズ。
ただねぇ……。
終盤の、チャレンジャー教授が猿人に攫われるシーンが完全に読者を笑かせにきてて、正直恐竜の描写よりそっちの思い出しか残ってないんですよね(笑)
ドイル先生、やってくれるぜ。
あと、ちょっと面白いのは、表紙の恐竜の絵がどう見てもゴジラ。
まあ、これは単純に古生物学の進歩の問題なんですけどね。
昔はティラノサウルス(獣脚類)もゴジラみたいな姿勢で歩いてたと思われてて、だからゴジラもあんな姿勢で立ち歩いてるわけで。
昔のハリウッド版『GODZILLA』は現在考えられている獣脚類と似た姿勢で歩いてた記憶があります。
完全に余談ですけど、今年2歳になる私の甥っ子がティラノサウルスを『ティー』って呼んで、トリケラトプスを『プー』って呼ぶの、めちゃくちゃ可愛くないですか?
はい、すみません。お話のほうもちゃんと面白かったです。
ということで、今回はここまで。
現在、新規の長編執筆に向けて資料を読み込み勉強中です。今年のカクコンに間に合ったらいいな。無理かな。という感じです。目標は10万字ちょっとの読みやすい長編!
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