春にさよなら1

 続々と参加者が増えております、『筆致は物語を超えるか【春にさよなら】』


 前回、自作の宣伝を致しましたので、ここからは他の参加者さまの作品の紹介と簡単な感想を書いていきます。

 ネタバレを含みますので、これから読もうとしている方はお気を付けください。



 まずはトップバッター

 西木 草成さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655322268899


 舞台は戦時中の日本の田舎村。村の鼻つまみものだったハルが、幼馴染のナツの結婚式を祝いに、こっそりと村に帰ってきます。

 自分の恋心に気づいたのは、失恋した瞬間だった。

 切ない思い出を、甘酸っぱいと言ってしまうには、あまりに悪いご時世でした。

 旅立つナツの決意が潔く、また悲壮でした。



 続いて、熱いSF愛を貫いてご参加

 暗黒星雲さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655343780838


 人型コンピューターのハルと、戦闘用人造人間のナツ。お互いの立場が、宿命が、二人を引き裂き、そして戦場にて再び巡り合わせました。

 熱いです。SFならではのガジェットと設定をお題の中にうまく落としこんでるな、と思いました。

 奇しくも戦争ものが続きましたね。



 続きまして、古参メンバーの中からこの方

 無月弟さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655368151174


 ある日の事故をきっかけに、ナツは意識を取り戻さず寝たきりの状態に。

 しかし、目覚めたハルには、何故かナツの意識が宿っていた。じゃあ、ハルの意識はどこへ……?

 こちらもお題へのアプローチがお見事。

 私には、事故のショックでハルが自分をナツだと思い込んでいるように見えたんですが、スワンプマンの例にもよって、本当のところは誰にも分からないですね。



 さらに戦争ものが続きます

 西野ゆうさん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655410484806


 こちらは主人公たちが五種競技のアスリート。

 日本人のハルと、外国人のナツとアキ。三人の微妙な関係性と、それを引き裂く戦争の風。

 夏がやってくる。不吉な風を孕んだ夏が。

 時代設定と人物設定に作者さまのこだわりが伺えました。



 なぜか戦争ものが続きます。

 田中ざくれろ さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655495454920


 私はSFものと思って読んだんですが、作者さま的にはノットSFだそうです。

 同じ孤児院に捨てられたハルとナツ。

 徴兵によって離れ離れとなったあと、ナツは異形の兵士となって誰もいない孤児院に帰ってくる。

 そして、それを遠くから見守るハルの姿もまた……。

 春から夏へ。最後のお題の表現がお見事でした。



 どうしても戦争ものが続きます。

 鈴ノ木 鈴ノ子さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655514246300


 こちらはイギリス大使館が舞台。

 独特な空気感と、やはりそこにも吹き荒れる戦争の禍つ風。

 ついにはずっと仲良しだった幼馴染のハルとナツを引き裂いて……。

 それでも、時代を超えて受け継がれる思いは、ついに巡り合い、実を結びます。

 綺麗なストーリーでした。



 お次はうっすら近未来

 桁とくん さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655510205898


 こちらのナツは、外国どころか宇宙に旅立とうとしています。

 日本人初の火星着陸者に選ばれたナツ。彼の使命は、火星に春をもたらすこと。

 その使命を支えるのは、幼い日のハルとの思い出で……。

 こちらも春から夏へ、のお題への回答が素敵でした。

 大人になったハルもエネルギッシュ!



 続きましてこちら

 いいの すけこ さん

 https://kakuyomu.jp/works/16817330655329680573


 幼い頃に見たバレエの演目に魅了されたハルとナツ。

 二人同じ夢を誓いますが、その道のりは険しく、同じようには歩めません。

 傷を負いながらひた進むハルの姿は痛々しく、ナツの心を揺るがせます。

 歩む先を分かち、それぞれの前を見据え、挫けて、足掻いて、足掻き続けて。

 大人になったハルとナツの姿はきっと、カッコイイ。



 はい。

 とりあえず今回はここまでとさせて頂きます。

 なるべく一通りの作品を読み回りたいと思ってますので、何回かに分けて投稿します。

 企画参加者の方もそうでない方も、是非色んなハルとナツに会いに行ってみてください。

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