人と人は分かり合えないんだというお話
みなさま、唐突ですが、プルダックポックンミョンって知ってますか?
Vtuberの宝鐘マリンさんという方の『シスターマリンの懺悔室』という番組(?)で、ゲストの夏色まつりさんが
「(前略)最近ダイエット忘れてんなーと思って、昨日なんてやばいことにカツカレー食べた後でプルダックポックンミョン食べて……」
と言ったところで、その単語を知らなかったマリンさんが「え? なんて?」と混乱し、「いや、プルダックポックンミョンはプルダックポックンミョンですけど」というまつりさんのセリフとその語感にツボったらしく笑い散らかしてました。
Youtubeでは、でねうさんという手書き切り抜き師の方がその場面を素敵なアニメにしてくださってます。
私の場合、それを見る前からプルダックポックンミョンのことは知っていて、何故かと言うと職場の韓国好きな子に教えてもらってたからなんですね。
そうなんです。韓国料理の名前なんです。いや、念のため今調べたところによると、プルダックという韓国料理があって、それをカップ焼きそば風にインスタント食品にしたのがプルダックポックンミョンなんだそうです。
「この前プルダックポックンミョン食べたんですけどー」
「え? なんて?」
「プルダックポックンミョンです」
「ええ? ごめん、もっかい言って?」
「だから、プルダックポックンミョン」
「ぷ、ぷるだ、ぷるだ、なに?」
「プルダックポックンミョン」
私が初めてプルダックポックンミョンという単語に触れた時のやりとりがこんな感じでした。耳馴染みがなさ過ぎて何回聞いても全然わかりませんでした。
みなさん、ご存知でした?
プルダックポックンミョン。プルダックポックンミョン。プルダックポックンミョンですよー。
まあ、辛いという情報だけは知っていたので、辛いの苦手な私としては手を出すつもりはなかったんです。
それが先日、実家に立ち寄ったときに母からもらってしまったんですよ。
「これ、この前スーパーに韓国コーナーがあって、試しに買ってみたの。あげるね」
「え、これ辛いやつじゃない?」
「え? 大丈夫じゃない? 辛いって書いてないし」
「いや、調理法の説明に“辛みが苦手な方はソースの量を調節してください”って書いてるよ」
「あらホント」
パッケージ表面には、クアトロチーズなんたらかんたらの説明をドドンと乗せていたので、確かにプルダックポックンミョンのことを知らない人には辛い商品には見えないだろうと思います。
ただ、母は私以上に辛いものが苦手ですし、父は体調崩していて刺激物はNGでしたので、まあ私が引き取るしかないかと持って帰ったわけです。
ただ、やはり直ぐには食べる勇気がなかった私は、一応職場の子に聞いてみたわけですよ。
「ねえ、昨日さ、プルダックポックンミョンのチーズなんたらもらっちゃってさ」
「ああ。たくさん種類ありますよね」
「辛いんだよね?」
「え? でもチーズのやつならそんなに辛くないですよ?」
「ホント?」
「だってlagerさん、この前マックの新作、ピリ辛だけどおいしかったって言ってませんでした?」
「言った」
「じゃあ大丈夫ですよ」
「そっか」
そっかー。ほんなら大丈夫かー。
さらに翌日、私は朝食代わりにプルダックポックンミョンを食べようと、でもやっぱりちょっと不安だから辛みを紛らわせる用にカット野菜パックを用意しておこうと、それでもまだ不安だからソースの量は三分の二くらいにしておこうと、さらに念のため牛乳もたっぷり備えておこうと、入念な準備の上でカップに湯を注いだわけです。
調理しました。
食べました。
(ん? うん。チーズが効いてるからそんなに辛くな………………)
「かっ! はっ。か、がっ! かっはっ。かっ。ぐ。げほっ。んんぐう!!」
辛いです。
マジで辛いです。
一口目で私を絶望が襲いました。
呼吸が苦しくなりました。
それでもこれを食べねば他に朝食はないと、頑張って口に含みました。
涙が出てきました。
レンチンして上に乗せたカット野菜はあっという間になくなりました。
半分以上麺が残ってます。
いや、麺はうまい。モチモチしててうまい。味も悪くない。旨味はしっかりあって、チーズの匂いもバランスがいい。
でも辛い。
辛い!!!
『チーズのやつならそんなに辛くないですよ』
嘘だろ?
これが、辛くない?
ソース三分の二にしたのに?
嘘だろ。
じゃあ普通のプルダックポックンミョンでソース全量入れたらどうなってしまうの?
それを食べたらどうなってしまうの?
なんでそんなものがこの世に存在してるの?
なんでそれを普通に食べる人がいるの?
世界はこれからどうなってしまうの?
食べきりました。
その日は仕事休もうかと思いました。
通勤中もしばらく口の中がおかしかったです。
『そんなに辛くないですよ』
『大丈夫ですよ』
もう金輪際食べ物に関してあの子の言うことは信用しないようにしようと思いました。
はい。というわけで、人と人は分かり合えないんだというお話でした。
今現在、中編コンテスト用の作品を執筆中です。
明日からはKAC2023も始まりますね。
777文字縛り? 余裕ですけど?
今年も皆勤賞500リワードゲットだぜ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます