積読を消化しよう

 例によって例のごとくVtuberの話なんですけど、私が箱推ししてるホロライブのメンバーを題材にした『Holoearth Chronicles Side:E ヤマト神想怪異単』というコミックが現在『マンガUP!』というマンガアプリにて連在中でして(正直物語としての魅力には乏しい、フブミオ推しのための漫画)。

 そのマンガを読むためだけにアプリをインストールしたんですが、折角だから色んなマンガも読んでみようと思って手を出してみたんですよ。コミック版『ゴブリンスレイヤー』とか。


 その一環で、気にはなってたけど未チェックだった、『その着せ替え人形ビスク・ドールは恋をする』とか『スーパーの裏でヤニ吸う二人』なんかも読んでみたんですけど、いやー面白い。

 こういう作品を読むと、私の作品にもまま見られる『男子は可愛く女子は格好よく』という癖が刺さる人は世間的にも多いのだな、と感じます。


 それはさておき、先月に長期連載作品を無事完結させた私、もうなんの気兼ねもなくゲームをして漫画を読んで小説を読み始めました。ゲームの話はまた別の機会にするとして、今回は最近読んだ紙の小説の話をしようと思います。


 というわけで、まずはこちら。



『錆びた太陽』恩田陸


 ジャンルとしては近未来SFなんでしょうけど、流石ノスタルジーの作家、至る所に散りばめられた昭和フレーバーが絶妙な味付けとなって親しみをもたらしています。


 テロリストによって原発が破壊され、多くの国土を汚染されてしまった日本が舞台。日々黙々と除染作業を続けるロボットたちの元に、国の役人を名乗る女性が現れるところから物語が始まります。


 このロボットたちがまたいいキャラクタなんですよ。ロボットなのに。親しみが半端ない。とあるキャラクタの日本政府に対する諦観には収まらない毒舌と皮肉もお見事。

 まあまあなボリュームの一冊なんですが、スルッと読めてしまいました。



 お次はこちら


『ののはな通信』三浦しをん


 文庫本にして517頁の小説全編が、二人の女性による往復書簡という形にて描かれた大作。

 巻末の解説にて、辻村深月さんが『あなたの胸に、今、誰の顔が思い浮かんでいるだろうか』と問いかけているのですが、私は明確に一人の人物を思い浮かべていました。

 高校時代の親友(私はこの人物以外の誰かに親友という言葉を使うことは生涯ない)、今どこで何をしているだろうか。私の方から勝手に音信不通になったのだけど、不意にまた会いたくなった。


 この作品を読んでふと思ったんですけど、私、自分の小説の中で『よくも裏切ったな』とか『この裏切者!』とか、キャラに言わせたことがないように思います。普通に裏切り展開を書いたことはあるはずなのに。

 多分自分の中で、噛み砕けないし飲み込めない言葉なんでしょうね。


 これって、結局相手のことを理解できてなかった自分も悪いんだけど、そんな風には思えないし認めたくないから相手を責めてるところがあると思うんですよ。

 私は実生活の中でもそこまで誰かに気持を向けることがないので、『よくも裏切ったな』なんて言ったほうが負けなんじゃないかと思ってしまいます。

 ラガーなのにスーパードライ。

 


本日最後のご紹介はこちら


『むかしむかしあるところに、死体がありました』青柳碧人


こっっっわ。

これはホラーですわ。

童話の世界観なのにキャラクタの怨念とそれを引き起こす生臭い人間味がすごい。

あと何がすごいって、結構複雑怪奇なトリックなのに有名な童話の設定と小道具をガジェットとして使うことでめちゃくちゃ分かりやすいのがすごい。

頭良っ。

あと最後の最後にクリスティのパロネタ持ってくるのもすごい。

これはすごいエンタメですわ。


……え、福田雄一監督が映画化!?

見るしかねぇって思ったら


またネトフリかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

アマプラでやってよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ


はい。

以上、lagerでした。

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