続くなら多分、こんな感じ。
酔い潰れた子供を介抱して店を出る。
「ちゃんと持ち帰れよー!」
店の酔っ払いから野次が飛んだが、無視する。
こんな子供を持ち帰る訳ないだろうが。
そして、路地に湧き出た怪しい占い師に声をかけられる。
「おや、お持ち帰りかい?」
「子供の教育に悪い事を言うな。」
いつもいきなり湧いて出る、顔見知りだ。
「くくく、永く生きる者の戯れじゃて。」
「エルフの秘術か。未来視なんて目のつけられる事をして、暇なんだな。」
暇で占い師をしている女だ。
「おうさ、暇じゃて可愛い女子と一緒にいる顔見知りを揶揄うのが楽しゅうてな。」
ひひひっと笑っているが、化けるとそれは美女になる占い師。長い時を得ると変人になると言うが、自身は回避したいな。
「不死など、秘術でもなんでもない。秘されている、広めていないだけでその恩恵を受ける事はできる。」
男は頷いて肯定した。自身がその例だ。
その長い爪と皺のある指を向ける。
「運命の相手さ、ちゃんと捕まえておくさね。」
話が終わったようなので、男はまた歩き出す。
聞いてやらないと、ついてくるから仕方なく止まっただけだ。
背に担いだ子供は、気持ちよさそうに寝ている。
もう男から逃げられないと考えるより、抱きしめられれば
居心地の良さを返してくれる。その感触を夢見心地に、しっかり捕まえているのだった。
[ラフ版]超有名冒険者の元へ、暗殺に行ってしまった私。 BBやっこ @BByakko
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