第11話 乱入
道の真ん中、
「あかりちゃん!!あかりちゃん!!返事をして!!」
え、これ、大丈夫か?黄色死んでない?
((たーすーけーてー))
どういやら杞憂のようで、ぼんやりと、くぐもった声が聞こえた。
「クタ、この後どうすんの?」
『連れ帰るクタ。
「ふーん、どうやって連れてく?」
『まずは変身を解除させるクタ。応じて貰えなくてもダメージを与え続ければ変身状態を維持出来なくなるクタ。』
「おっけー、羽鳥ちゃんは…忙しい?」
問いかけると彼女は歌いながら頷く。
「んじゃ、俺がするしかないか」
「赤いのに告ぐ、君の仲間は預かった。奴を思うならば、無駄な抵抗をやめ、変身を――
内燃機関の叫び、アスファルトとタイヤが鳴らす接地音。
――解き、大人しく我々に投降せ、ん?」
振り向いたと、同時に左腕と左脚を切り飛ばされる。
「いってぇぇぇぇぇえええ!!!???」
腕と脚が霧散し、光の粒子がこぼれだす。ラメ入りの液体が流れていくようにも見える。
過ぎ去った黒い実行犯を見る。Uターンしているライダーと目が合う。赤い目から何を考えているか分からない不気味さが、黒い
無我夢中で残った手足を使って横に跳ぶ。すんでのところでライダーの攻撃避けるが、ろくに着地できずに地面を転がる。
この体は再生すると言えど瞬時に治る訳ではなく、時間もかかる。
「掴んで!!!」
羽鳥が手を差し出す。
俺は差し伸べられた手を掴み、なかば引きずられながらこの場から逃げ出した。
3日後
【組織のビル/3F/会議室】
「えー、本日の議題は、
“強すぎ!?謎の鉄騎兵出現!!!”
~どいつこいつもボロボロ
「いぇー」「うるせぇー」「こわーい」
「3日ほど前に突如現れた黒いライダー。
彼は中型のバイクに乗車しており、左腕から生えた刀身を振ることで攻撃を行う。」
「ながーい」「きらい」「こわーい」
「見た目から、魔人であると推定。魔獣によるものかナンファンによる改造かは不明。しかしナンファンの魔法少女が襲われていないことからナンファンとの関係が予想されている。また、相当に侵食が進んる。」
「かわいそー」「ほろべー」「こわーい」
「我々は彼を討つべく作戦を立て実行。
結果は、
オレク隊が2人と影兵4。
ジェイ隊が~どうだっけ?」
「4人、影兵15」
「魔法少女1名が再び戦闘不能クタ。」「こわーい」
「戦闘より、奴の能力を分析した。こちらジェイ隊で使われている盾なんだが」
「まっぷたつー」「こわーい」
「そう、真っ二つ。奴の攻撃力は非常に高い。そして、バイクへの攻撃は効果がほぼなく、鉄騎兵本体はあんま効いてる気がしない。らしい」
「うへー」「こわーい」
「機動力に関しては、ドレー曹長」
「ぶっちぎってやりました。」
「ほざけアホ」
「さて、諸君。どうやったらコイツを倒せるだろう。」「「「無理」」」
皆が口を揃えてそうやって言う中、一人の男が手を挙げる。
「ドレー君」
「鉄騎兵、鉄騎兵と言っていますが、要はバイク乗りなんでしょう?そこで、ひとつ浮かんだのは……」
【組織のビル/地下駐車場】
「すげぇー、かっけー」
俺の目の前には外骨格や装甲服と呼ばれていた防具?を装着?乗り込んだ?ジェイ達が居る。
前から見るとアニメやゲームのロボットの人間サイズといったところだ。頭から手足の先まで全身を鋼鉄に包んでいる。しかし、スリムなシルエット。クビレもある。あとお気に入りポイントは兜がフルフェイスでモノアイなところと、トサカみたいな通信用アンテナ。
『『『ジェイ隊!完☆全☆体!』』』
ポーズがダサい。セリフもダサい。せっかくの鎧が台無しだ。ちなみにコレは今日届いた。よほど楽しみだったらしくさっきの会議中もずっとソワソワしていた。しかし、実物を見てみるとその気持ちも分かった。
『にしても、この作戦名はどうやったら出てくるんだ?』
「作戦の内容そのまんまですよ。」
『そうかぁ?』
「知りませんか?
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