〝異世界〟って何? ◇◇💎◇◇◇◇◇◇◇

 例えば『【滅殺】【呪怨】【毒殺】【怨念】【呪縛】【呪殺】【盗撮】の中で、仲間外れはどれか』と聞かれたとする。



 ほとんどの人は間違いなく【盗撮】を選ぶだろう。これだけ系統が違うからだ。


 しかし〝仲間外れ〟の明確な定義なんて設定されていない。


 だから、「『ジュ』と『サツ』と読む漢字が入っていないもの」と考えて、仲間外れは【怨念】! というのも間違いではないだろう。


 それに、仲間外れが一つであるなんてのもただの「思い込み」に過ぎない。「『呪』が入ってないもの」と考えて【滅殺】と【毒殺】と【怨念】と【盗撮】! これも間違いではないのではないだろうか。


 人間という生き物は、「思い込み」が激しい。それだからこそ、人狼ゲームのような騙し合いのゲームができる。しかし普段、会話中の思い込みによる解釈の違いなどで困ることもある。


 人間は醜い生き物だ。それと同時に、儚く、尊いのだ。愛し、愛される。悲劇も喜劇に変えられる。どれだけ打ちのめされようと、命ある限り立ち直ることができる。


「思い込み」は、人間を醜くする。しかし人間らしさを醸し出す、人間特有のものである。



「――なんだこりゃあ~!」


 今まさに俺は、その「思い込み」によって、現実を受け入れられずにいた。


「なんだよここは?」


 周りに人がいない。異世界に来たのはいいが、地図でもなきゃ場所もわからない。


 そして隣には、あの女神。


「おい早く起きろよ、フェアリー。どうなってんだ?」


 返事はない。「おーい」と何度も叫ぶが、ピクリとも動かない。


「……うん、気絶してる」


 しょうがない。少し癪だが、今はそっとしておこうか。


「さてと」


 辺りを見渡すと、どこも中世風の建物ばかりだ。石造りの家がほとんどである。まさに異世界って感じだ。


 ――と、探るように周囲を眺めていた。すると、



「――誰だ!」



 背後から怒声が聞こえた。


 俺がそちらを振り向くと、その場にいたの顔はひどく青ざめ始めた。


 俺も少し――いや、かなり驚いた。なぜならそこにいた鎧を身にまとい西洋風の光る剣を手に持つ男たちは――――全員、西洋風爽やかイケメンだったのだ。


 …………大丈夫か? 俺、ここの世界の言語とかわかんねぇけど。


「おお、びゅーてぃふるぼーいず。えっと……のっとうぇるかーむ」


「何を言っている無礼者! ブス! ブタか? きもっ! 顔全体の大きさと顔のパーツの大きさおかしくない? まあ人間じゃないなら仕方ないか。よくのうのうとここを歩けるもんだな。まさか俺たちヴェイス騎士団に見つからないとでも? 何のために騎士団がいると思っている? お前らみたいなクソ人間をこの町から駆逐するためだよ!」


 ズキン! 胸が痛い。イケメンに真正面から続けざまに顔の悪口を言われたら普通に悲しい。全然違う言語だったらよかったが、普通に日本語じゃねえか。


 ……でも、これでよく分かった。


 神様の言っていたことは本当らしい。ここは、顔の良さですべてが決まる最悪の世界だ。


 これほどまでだったなんて。さっきまでの俺が馬鹿みたいだ。


―――――――

―――――時は、

―――遡る


「――ここが天界よ」


 辺り一面真っ白な世界。その中に一筋の光があり、禍々しい雰囲気を漂わせている。


「あそこに神様がいるんだな」


「ええそうよ」


 フェアリーは振り返り、無言で歩き出した。俺はそれに付いて行く。


「もうすぐお別れだな」


「そうね。ガルセの良さがわからないお調子者がいなくなって清々するわ……」


「ああ……。好みの合わないブスはただのブスでしかないもんな」


「みんな知ってるけど正直意味は分からないあの言葉みたいに言わないで」


 俺たちの会話は光に近づくに連れ、減っていった。


 …………が、なぜだろう。今はフェアリーと同じことを考えているのではないか、と思ってしまう。


 俺たちは数十分前にあったばかりだ。ガルセのことで対立もした。


 ――それなのに……。



 ……気が付くと、俺の目前には白い雲でできた扉が出現していた。


「ここよ」


「そうか」


 そんな質素な会話の後、扉の先にいたのはもちろん神様だ。


 チャラいサングラスに、チャラいアロハシャツに、チャラいシークワーサーに、チャラいシーサー……っていやただの沖縄じゃねえか! ――とかいうツッコミを何とか抑える俺。


 神様は、あからさまにしょんぼりとした顔だった。


「もう少し仲良くできると思っていたのに」


 そう言うと神様は椅子から立ち上がり、手を振り上げた。


「――――」


 バチン! 神様はフェアリーを思いきりビンタした。


「バカチン! 盟約を破ったな! 拷問にかけられるのは私だぞ、分かっているのか?」


「え……?」


 戸惑うフェアリー。


「理解していないようじゃな。いいか。私は確かに君に厳しいかもしれない。だが私なりの優しさじゃ。本気で拷問にかけるつもりなどない。盟約だけは守らねばならんから、そう言ったのじゃ!」


「…………」


「盟約を破ったらどうなるか。お前は拷問というものを甘く見過ぎている。神は死ねない。だが苦痛は感じる。この意味が分かるか? 死ぬよりも辛い、何回死んでも届かないような痛みを味わうんだ」


「…………」


「お前には拷問を受ける覚悟があるのか!」


「――ごめんなさい!」


 態度が豹変し、全力土下座で謝るフェアリー。その目からは涙が出ていた。後悔しているんだろう。それも尋常じゃないくらいに。


「まず謝ったことだけは評価しよう。じゃが、わかっているな」


「はい。それだけでは償えません」


「そうじゃ。どうしたらいいと思う?」


「どうする……。わかりません」


「甘えるな! 簡単なことじゃ。謝罪の気持ちを表せ。最大限の反省も込めて。あ、私は靴をなめろとか言ってるんじゃないからな。お前になめられたら気分を害される」


「はい、神様! ご無礼を働き申し訳ございませんでした! 今回のことに限らず、あなた様のご恩に気が付かず、見下していました。これからはあなたを崇め、慕い続けます。この度は誠に申し訳ございませんでした」


 フェアリーは深く深く、頭を下げていた。神様を馬鹿にしていたのを悔やんでいることが誰の目にも容易に見て取れるだろう。


「よし。分かった。お前の無礼を許そう。じゃが、レバウス君には当然罰を与えるべきじゃ」


「はい」


「うーん、そうじゃな……」


 神様は顎髭をいじりながら少し俯き、考えるそぶりを見せる。その数秒後、目を輝かせて、の方を見た神様は言った。



「――そうだ! レバウス君、お前も異世界行って来い!」



「え?」「ふぇ!?」


 顔を見合わせて驚くフェアリーと俺。


 なんか、「今、お前も異世界行って来い!」とか聞こえてきた気がしたんだが……。


「? どうしたんじゃ。そんな顔して。聞こえなかったか? 行ってこい、異世界! 罰だから反論は受け付けません!」


「あのー、俺が嫌なんですけど……」


 この女神となんて絶対に嫌だ! いやだいやだいやだいやだいや――


「――神に逆らうのか?」


「あ…………すみません行きます」


 絶対的圧力に負けた。神様怖ぇ。


「あのー……」


 ニコッと笑っている神様に向かって、フェアリーが声を上げた。


 それからフェアリーの素朴な疑問、


「あのぅ、なんで私なんですか?」


「罰だからじゃ」


「罰ならもっと重いほうがいいんじゃないんですか?」


「何を言っておる。あそこは拷問よりもある意味辛いかもしれん」


「どういう意味ですか?」


「お前も見たじゃろう。あの世界の惨状を」


「はあ……」


「それはさておき――」


 俺のほうに視線を移す神様。


「君、異世界に行きたいんじゃよね?」


「はい! 憧れてます!」


「そうか、それは丁度いい。でも、君が想像してる世界とはチョ~っと違うかもしれないんじゃ」


 神様がそこまで言ったところで、俺の傍らでフェアリーが俯いた。そして神様は笑顔のまま続ける。


「今から君が行く世界は、最悪の世界なんじゃ」


「え? 最悪の、世界?」


「そう。全宇宙の中で最悪。顔面偏差値で全てが決まる世界なんじゃ」


「顔面偏差値で全てが決まる、ですって?」


 信じられない。そうは思うけれど、他の何物でもない『神様』が言っているという事実に信じざるを得ないと確信する。


「嫌な世界ですね」


「そうじゃ。とっても治安が悪い」


「ですよねー。……え? おかしくないですか? 顔面偏差値って顔の良し悪しのことで合ってますよね? 俺、そんなに顔良くないんじゃ?」


「うん、君はソフトに言っても最悪じゃね」


「ぐっ! 胸がっ…! 胸があっ!!」


 自分のことを〝イケメン〟だと思ったことはないにしても、最悪とか言われたらやはり胸がずきずき痛む。


「ははは。冗談冗談。こんなことを言う連中がいっぱいいる世界じゃよ」


「うっ……! じゃあなんで俺が?」


「それはね……、君のほうがいいってことじゃよ」


「逆に? どういうことですか?」


「そんなこともわからないの、あんた?」


 横からフェアリーが口を挟んだ。


「考えればわかるでしょ。この世界にあんたみたいなブスがほかにいないとでも思っているわけ?」


「お前にだけは言われたくねえよ! …それで?」


「はあ、これだから下等生物は」


「拷問にかけようか? レバウス君」


「すみません神様! 口が滑りました」


 神様が口を挟むと、すぐに礼儀正しくなるフェアリー。


 本当に神様慕ってんのかこいつ。わざとだろ絶対。さっきの涙は何だったんだよ。


「説明を続けるわ。まあ……そうね。あんたみたい――じゃなくて、顔面偏差値が良くない人だってこの世界にはたくさんいる。当然その人たちはこの世界で暮らしにくいわ。命を捨てた人もいるくらいだし。……そんな境遇の人たちが、イケメンの言うことを信じるかしら? 自分は良い優遇の癖に何言ってるんだってなるだけよ」


「そんなのわかんねえだろ。もしかしたら……」


「そんなのもう試したわ。何度も、何度も。でも誰も話すら聞いてくれなかった……」


「…………」


「だから、逆に、あなたの力が借りたいの」


「でもその……盟約とやらがあるんじゃ?」


「その辺曖昧なのよ。バレなきゃOKだし。もう、一回破っちゃってるから多分大丈夫」


「急に適当だな!」


 なんか神様たちはみんなボケらしいから、ここでは俺がツッコミをやらされるようだ。


「女神として、どうしても見過ごすわけにはいかないの。ねぇお願い」


「分かった。……ははっ。これを逃せば一生訪れないであろう異世界転移だぜ? 行かないわけがない!」


「ありがとう!」


「わっはっはっは~」


―――

―――――

―――――――


 ――ヤバい。本当にヤバい。ちょっとこの世界見くびってたわ。


 ……聞いてないよ? ブサイクなだけで、処刑?


 ふざけんなよ。


 これ、どうやって逃げる?


 少なくとも足の速さには自信があるが……、


 この女神を担いで逃げるのは無理だ。


 だからといって、女神を見捨てるなんてことは絶対にできない。


 仲間だから? それが正義だから? 


 違う違う。俺はそんなにお人好しじゃない。


 俺が…………どうしようもない方向音痴だからだ。


 地図があっても、迷う自信がある。


 自慢じゃないが、俺は自分の家以外の場所に一人で行けた試しがない。


 学校はどうしてたのかって? そりゃあ、誰かに付いていっていたのさ!


「さて、どう切り抜けようか」


 ポケットの中を探る。


 武器になりそうなものは……ないよな。


 案の定というかなんというか、何も入っていない。霧生に奪われたのか金すらない。


 この世界ではどうせ使えないだろうが、投げつけて隙を作るぐらいならできたかもしれない。


 ……どうしようか。


 俺の脳内で、選択肢が浮かび上がる。


 《1 土下座して許してもらう》


 ――却下。俺の顔を見てすぐ武器を構える奴が、そんなんで心を許すとは思えない。そもそもこの世界に土下座が存在するのか、という疑念まで湧き上がる。


 《2 抵抗せずに連行される》


 ――却下! てか連行してくれるかさえ怪しい。このまま殺されるんじゃ? 連行されてもすぐ死刑なんじゃ?

 


 くう……思いつかない。俺がこれほどまでに馬鹿だったとは!


 ん……? 馬鹿…………そうだ。一か八かこれに賭けよう。


「おーい、起きてー」


 後ろの女をビンタする俺。


「何をしている! 抵抗するな! 大人しくすればワンチャン、ほんとにワンチャン生き残れるかもよ」


 うん、つまりたぶん死ぬってことだよね。了解了解。


 ――それなら。


「な、なんのこと?」


「とぼけるな? 我ら騎士団から逃れられると思うなよ?」


「きし……だん?」


「貴様、まさか知らないのか?」


「うん!」


「ははは、教えてやろう! ヴェイス騎士団団長・レンタグルドの名に懸けて!」


 かかったな。俺の天然 ショタ声young voice ……てか団長なのこいつ。ただの馬鹿じゃん。


 やっぱり爺ちゃんが昔に話してくれた、「イケメンは馬鹿である」っていう話は本当だったんだな。


『爺ちゃん、今までありがとう』


 空を見つめ、そんなことを心の中で言った。爺ちゃん、別に死んでないけどね。


「何? ヴェイス騎士団を無視して、空を眺めるだと? 貴様、何者だ?」


「俺、ラルク。よろしく」


 この『ラルク』というのは、とっさに出てきた架空の名前だ。


「お前みたいな無礼者の名前など耳障りだ」


 お前が聞いたんだろうが。


「耳、ざわ……?」


「はは! 何も知らないようだな。メスブタ」


 いや、俺はどちらかと言ったらオスだし! お前のが何も知らねえだろ。


「ぶた、さん……?」


「そうだ、ブタどもだ! この世界には、たっくさんいるんだ」


「たっくさん?」


「はっ。そうだ、たっくさんだ。誰のことだろうな。お前には世の中の全てを教える必要がありそうだ。そう――このヴェイス騎士団が、この世界を支配し、邪魔なブタどもを駆逐し、平和で安泰な世界を作り上げる!」


「………………っ」


 直接顔には出さないが、拳をぎゅっと握りしめて、怒りの爆発をギリギリ制御した。……この時間稼ぎに、意味があるのかはわからない。でも、今の俺にできることなんてこれくらいしかない。


 早く起きろ! 


 むにゃむにゃ、すやすや、ぐーすかぴーと爆睡している彼女に、起きる気配はない。どうすれば……――そうだ!


「ぐぅ~~ぐわぁ~~」(※女神です)


「こいつぅ……! 鼾が煩いなあ!」


 俺は寝ている女神をできるだけ子供っぽく睨みつける。すると……


「こいつだって? もっと可愛がってあげなよ。可愛い可愛いメスブタちゃん❤ 起きるんでちゅよ~、ってな!」


 …………かかった!


「――――だァれがメスブタだってェ?!」


 その聞き覚えのある声が聞こえた瞬間、ヴェイス騎士団の男たちは、気づけば壁に強く叩きつけられた。


 ドンッ!!!


 ……男たちの悲鳴は聞こえなかった。それくらい、一瞬だった。


「おっせえよ」


「別にあんたを助けたわけじゃない。私はいつでも逃げられた。でも私の悪口を言うやつは許さない」


「……爆睡してたくせによく言うよ」



 …………しーん。


「あれ?」


 全く音がしない。てっきりヴェイスの野郎が再び襲い掛かってくるかと思ったが、そこには誰もいなかった。


「どういうことだ? さっきまでここにいたはずじゃ……?」


「ここには魔法が存在してるの」


「魔法……?」


「そう。今のは攻撃魔法と転移魔法の混合ミックスよ。吹っ飛ばしてから、どこか適当な場所へ転移させたの」


「魔法か〰〰。やっぱ異世界って感じだわ。来てよかったかも」


「外で歩いてたら、今みたいな襲撃が、毎日のように起こるわよ」


「やっぱり訂正。違う世界が良かった」


「そうね、気分最悪」


「お前は罰だから仕方ないだろ、俺は何もしてないのに巻き込まれてる」


「まあそうね。私も罰だと思って、仕方なく、あなたと旅を続けるわ。一緒に頑張りましょう」


「ああ、もちろん」


 言い方に悪意を感じたが、これから共に旅をする仲間だ。大目に見よう。


 そう思い、握手しようと、笑顔で手を差し出す俺。すると、女神は一歩後ろに下がって、俺を睨みつけた。


「な、何その汚い手は! ……セクハラ?」


「はあ? ちげえよ。俺はただお前との絆を深めるために握手をしようと……」


「最っ低。それをセクハラっていうのよ。綺麗な手ならともかく、何そのきったない手」


 最大限の好意を、最低の侮辱で返されてしまった。


「ちゃんと毎日石鹸で洗ってますぅ」


「それは石鹸を手に付けてるだけ。きちんと入念に洗いなさい。石鹸の無駄遣いよ」


「お前は俺の母親か何かなのか……?」


「断じて違うわ!」


 パンッ! ついにフェアリーは手を出してくれた。


 ギュッ。フェアリーの柔らかい手が触れた。その手は白くて綺麗で、そして温か―― 


「――いたい痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ!」


 すんなり握手してくれたと思ったら、思いっきり握りしめてくるフェアリー。


「これでいいでしょ!」


「よくないわ!」


「はあ……。せっかく女神が握手してあげたのに。……まあいいわ。今のうちに泊まる場所を確保しとかないと」


「そう、だな。宿泊施設でもあるのか?」


「馬鹿なの? そんな所にあんたみたいなブサイクが入れるとでも?」


「そりゃそうか……いや、お前もな」


 あっさり頷いてしまうところだった。危ない危ない。この女神の思惑にはまるなど、俺のプライドが、断じて許さない。


「……ごほん。ええと、あんたみたいのがどうやって暮らしているかというと――」


「咳払いで誤魔化すな。……それで?」


「――マンホールの中よ」


「………………」


 一瞬固まってしまう俺。思考が停止しかけた。


「ぱ、パードゥン?」


「? それは嫌? あんただけなら排水溝の中とかでも別にいいわよ、狭いけど」


「マンホールも狭いだろ」


「それが意外と広いのよ、狭いけど」


「どっちだよ」


「狭いけど、下民が暮らすには十分ってこと」


「入ったことあんの?」


「私はもちろんないわ。高貴な女神だからね。この世界に派遣されたイケメンが何度か入ったことがあるの。その映像を見ただけ」


「そうか……。じゃあ、そこに彼らがいることは確かなんだな」


「ええ」


 全く表情を変えずに、  真顔  ナチュラルフェイス(かっこつけ)で言うフェアリー。


「じゃあ、行ってみるか」


 こうして、俺たちはマンホール探しを始めるのだった。

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