第7話 第一章 雪兎を魔人の娘 2

僕は特異点に突っ込むと後ろから女の子も一緒に突入してきた。

目の前が光に包まれ、それを突っ切ると洞窟の中に出た。

ピロリロリーン頭の中で音が鳴る

特殊能力

「ステータスボード」を得ました。

「ニュータイプ」を得ました。

「コーディネイター」を得ました。

「言語完全理解」を得ました。

「異世界会話(テレパシー)を得ました。

「鑑定」を得ました。


「神殺し」の称号を得ました。

「暗殺兎」の称号を得ました。

「異世界渡りの兎」の称号を得ました。

「少女を救いし兎」の称号を得ました。

色々あるけど後で詳細を確かめなくっちゃ。


自分の体がふっと持ち上げられた。助けた少女が僕を前から抱き上げたのだ。


「助けてくれてありがとう、兎さん。あのままだと確実に殺されてたから」

僕の目を見つめながらお礼を言われた、照れるぜ。言語完全理解のおかげで言葉がわかるのは嬉しい


「どういたしまして。」僕はテレパシーで返事をした。


「この声、兎さんなの?」少女の頭の中で男の声が響く。


「そうだよ。僕はリョウ君の名は?」


「アリスよ、よろしくね。」


「リョウは凄いよね、全知神殺しちゃった。」


「あれ、僕なんかスパっとやっちゃいました?って、あれって全知神だったの。」

通りで言語完全理解や鑑定が手に入ったのか。

よくある転生特典かと思ったけど納得した。


「そう、この世界の主神だったと思う。」


特殊能力

「ALICE」を得ました。頭の中で声が響いた。



するといつの間にか目の前にローブを着た骸骨と黒い甲冑を着た男がいた。


「ガキが何処からか出てきたぞ。」黒い甲冑の男は少し戸惑ったような声色だった。


「角の付いた兎と魔人の娘じゃと・・・」


骸骨がしゃべったよ。声帯ないよね。あっ僕も一緒か。でも、僕のはテレパシーだから声帯とは違うよねと心の中でノリツッコミをする。


「ここは何処ですか?。あなた達は誰ですか?」アリスは二人に聞いた。


「ここはノルデエンダにある、洞窟じゃ。かなり危険なマナドリフトの調査にきたんじゃよ。儂はメイザル、隣の男はブレオンじゃ。」


マナドリフトって特異点のことだな。


「で、マナドリフトが消えたと思ったら君が現れた。君は何者だ?」


「私はアリス、この兎はリョウ。あなた達のいうマナドリフトの向こう側から来たの。」


「向こう側じゃと?」


「そう、向こう側でも。一方通行であること以外、詳しいことは良く分からない。」


「どうするよ、メイザル殿。」


「魔人の娘は大きな潜在能力を感じるの。兎はよくわからん。この者達を助けるのは違いない。まあ角兎は魔獣には違いないから魔獣軍にでも放り込んでおくかの」


「私はリョウと一緒が良い。」


「俺たちは魔王様に仕えている。君達を保護する代わりに魔王国に加わって貰うのが前提だ。」


「ここは魔王国の首都から離れておっての、ここから君らを連れて帰るのは結構な手間と時間がかかるのじゃよ。」


「まだ、魔人と魔獣は配属先が違うからそれが決まれば一緒にはいられない。」


「ここは危険な極寒の地での、慈善事業で助けられる場所ではないのじゃ。まあ配属先が決まるまでは一緒に居っても構わんよ。」


「どうするリョウ?」僕に話しかけるアリス。傍から見れば兎に話しかけてるヤバイ少女だが、目の前の二人は気にしていないっぽい。


「この世界の事良く分からないし、保護してくれるのはありがたいよね。」


「そうだけど、離れるのはイヤ」


「魔王国の首都までは一緒に居られるとおもうよ。」


「リョウは冷たい兎だね。」


「そんな事ないよ、配属先が違っても会えないって事は無いだろうし。僕はさ、君の側にいても弱すぎてなーんの役にも立たないんだよね。」


「私は心強いよ。」


「だけど、僕は嫌なんだよね。男の意地てやつ。レベルを上げたら強くなるらしいし頑張ってみるよ。」アリスは僕をギュッと抱きしめた。


「話し合いはすんだかの?」


「はい、あなた方にお世話になります。」


「こんな辺鄙な場所に来たかいがあったな、メイザル殿。」


「全くじゃ。ベアレスが待っておる、ささっと帰ろう。」


「じゃあ、ここから出るぞ、結構歩くからはぐれるんじゃねえぞ。」


二人の案内により、アリスに抱えられて僕達は洞窟を出たのであった。


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