第10話 ギルドに一緒にやらないか誘いに行こう
昨日ゆっくり休んだ俺は今日ベアトリスと一緒にギルドに人工ダンジョンの話をしに行く。
ククルが留守番してると言ったので、ダンジョンコアの使い方を教えておいた。そうしないと、入口を消してしまえば俺達が帰ってきたときに中に入れなくなってしまうし、ククルも何かあっても外に出られ無くなってしまうから、中と外で2人とも操作出来るようにしないといけないからだ。
「じゃあククル俺達行って来るから留守番よろしくな!」
「行って来る。あまりダラダラしてるなよ」
「2人ともいってらっしゃい」
―――そして家を出て2日後、俺達はシーテンに着いた。しかし、もう日が沈み始めたからアルマス達に手紙だけ出して、用事を済ませるのは明日にして今日はもう宿に泊まる事にした。
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次の日、予定通り冒険者ギルドに向かうために朝食を食べながらベアトリスを待つ。
「なんだマギ、もう起きてるのか?以外に早いな」
「おはよう。俺は結構早起きだぞ」
―――ベアトリスも朝食を食べ、早速ギルドに向かう事にした。
「そういえば1人用魔動車の設計図を商業ギルドに提出しないといけないんだった。時間かかるかもしれないから冒険者ギルドの方に先に行くか?」
「私はどちらでもいいぞ」
「それじゃあ冒険者ギルドに行こう」
宿を出て俺達はギルドなどの施設がある街の中央部に向かって歩いて行くと、大きな街なだけあって立派な建物の冒険者ギルドに着いた。ギルドの最高責任者であるギルドマスターに話があると受付に伝えて、会わせてもらえるようにお願いした。本来なら事前に約束を取り付けるのだが、その事をすっかり忘れてしまってたが、勇者パーティーに居た時に会った事が有るから会ってもらえる事になった。
「失礼します。久しぶりですね。突然押しかけてすみません」
「久しぶりだなマスター」
「いいや、気にしなくていいぞ。書類仕事サボれるからな!ハッハッハッ!!!」
シーテンのギルドマスターは元冒険者で大柄の
「それで…わざわざ俺に会いに来るとは何のようだ?なんかあったのか?」
ギルマスが何しに来たのかと聞いてきたので、俺は元魔王城を利用した人工ダンジョンの話をした。
「…………ダンジョンを造るってか。しかも死なないダンジョンって何だよ…マジでそんな事出来るのか?イヤお前らがわざわざ言いに来るぐらいだから出来るんだろう。その話、冒険者ギルドは全面的に協力するぜ」
「ありがとうございます。あと商業ギルドにも話して1階フロアをちょっとした町みたいにする予定です」
「町か…その方が便利だな。冒険者ギルドの支部もそこに置くんだろう?」
「はい。それで冒険者ギルドに秩序が乱れない様に警備を依頼したいんですよ。兵士に頼むと政治が絡んで面倒なんで」
「なるほどな。確かにそれは面白くねぇなぁ…………。よし!いいだろう。ダンジョンを使わせてもらう代わりにそのぐれぇやってやる!」
冒険者が警備してくれる事になったのは助かるな。
「人工ダンジョン、不死城のダンジョンは冒険者ギルドにとって最重要案件にする!よって!俺が直接視察に行く!」
―――たぶん書類仕事がイヤだからってのもあるんだろうな。
「それじゃあ俺達は商業ギルドにも話しに行くので、いつなら時間取れますか?」
「おう!用事済んだらまた来い。お前らが戻る時に一緒に行くから」
「わかりました。それではまた来ます」
―――話が終わり俺達は冒険者ギルドを後にした。
「すんなりいってよかったな」
「そうだな。まぁマスターの性格から乗ってくるとは思ってたが」
「まぁ…確かにそうかも。それじゃあ次行くか」
俺達は次の目的地、商業ギルドに行く事にした。と言っても、冒険者ギルドの道路を挟んだ向かい側にあるからすごく近い。
取りあえず先に1人用魔動車の件を済ませてからダンジョンの話をする事にした。どうせ約束を取り付けてないだろうと冒険者ギルドのマスターが紹介状を書いてくれたからたぶん大丈夫だと思う。
「―――お待たせしました。1人用魔動車の手続きはこれで終了です。新技術の提供ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」
「あっもう一つ用事があってここのギルドマスターに商売の話がありまして、これ冒険者ギルドのマスターからの紹介状です」
「はい。確認して参りますので、待合室でお待ちください」と受付のお姉さんの案内で待合室に通された。
それからしばらくして「お待たせいたしました。応接室までご案内いたします」とさっきのお姉さんが言いに来た。
応接室に入ると、長い金髪でメガネをかけたエルフの女性が待っていた。(やばい…この手の美人は緊張してしまう…)
「どうも初めまして。シーテンの商業ギルドでギルドマスターをしている【クレア】と申します」
「あっはい。はじめまして、マギといいます。今日はありがとうございます」
「冒険者をしているベアトリスだ。よろしく頼む」
―――どうしても「あっはい」と言ってしまう。これどうにかならないかな?
「本日は何やら商談があるとか?わざわざ冒険者ギルドのマスターから私に紹介状を用意されるなんて内容が気になりますね?」
俺はクレアさんに人工ダンジョンの話をした。するとクレアさんは目を見開き、興奮した様子で俺に詰め寄ってきた。
「その話は本当ですか!?是非とも私達もその話に協力させてください!」
よし!かなり食いついてきたようだな。まぁかなり良い商売になると思うからこうなる事は予想してたけど。
「ありがとうございます。実際どんな感じで造るかは直接ダンジョンで話ながら決めたいと思ってます。冒険者ギルドはマスターが直接見に来るって言ってましたが…」
「そうですね。実際どのようなものなのか想像出来ませんし、私も部下を連れて視察に行きましょう」
クレアさんも来るらしい。まぁ実際に見ないとわからないよな。
「それじゃあ視察はいつにしますか?バッカスさんは今日この後俺達と一緒に行くって言ってましたけど……あっ家も建てれるんで泊まれますよ」
「なるほど……家も自由に建てられるんですか?そうですね。では私も行きましょう。早く見たいですしね」
そう言ってクレアさんは、準備するからロビーでちょっと待っててくれと急いで部屋を出て行った。
言われた通りにロビーで待っていたらクレアさんがもう一人の若い女性を連れて戻ってきた。
「お待たせいたしました。こちらは私の部下の【リリア】と言います。私は何かと忙しいのでリリアを残しますので何かあったらお申し付けください」
「リリアといいます。16とまだ若輩者ですが、どうぞよろしくお願いします」
リリアと言われた少女は、黒髪でショートボブでメガネといかにも仕事が出来そうな雰囲気がある人だ。しかもけっこう巨乳である。
「あぁよろしく!それじゃあ冒険者ギルドに行って、ダンジョンに向かおう」
俺達は冒険者ギルドに行ってバッカスさんに会いに行った。そしたらこちらも見知らぬ少女と一緒に来た。
「おう!来たな!俺だけでよかったんだが、あいつらがダメだと言いやがるからこいつも連れてく事になった」
「こんちは!ニーナっていいまーす!冒険者してまーす!」
ニーナと言った少女は、小柄で茶髪のショートヘア―で褐色肌が健康的な印象を与えてくれる元気な女の子だ。2本の短刀が腰の後ろに装備してある。
「それじゃあ行きますか」と言って俺はストレージから魔動車を出した。6人だとギリギリ乗れるが、ベアトリスには1人用に乗ってもらうか。
「おっ!!何だコレ!?」「うわぁ!!」
冒険者ギルド勢が魔動車を始めて見て驚いている。ニーナの方は突然現れたからってのもある感じだが。
「それが魔動車ですね?話には聞いていましたが、実物は始めて見ました。いろいろな商会がこの乗り物に関心があるようですよ」
クレアさん達はさすがに知っていたようだ。ギルドマスターとしてあらゆる商品を把握しておく必要があるんだろうな。
「これに乗って行きます。普通の馬車より乗り心地が良くて断然速いですよ。ベアトリスは1人用に乗ってくれ」と、俺は1人用のやつを出す
「あぁいいぞ」
「おっ!ちぃせぇのもあんのか?それが1人で乗れんのか?俺もそれに乗せろ!」
「私も魚に乗りたい!」
バッカスとニーナも一人用に乗りたいらしい。まぁ冒険者らしいかな?難しくないしいいか。
乗り方を教えて、そして俺達はダンジョンに戻る事にした。
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