第5話 ハプニングのちダンジョン、そして発明
―――目が覚めると見慣れない部屋にいて、少し困惑した。
「……………………そうか、新しく買った家か」
状況を理解してベットからおりる。時計を見るともうお昼近い。
「少し寝すぎたか?まぁ…誰かに文句言われるわけじゃないからいいか」
取り合えず顔を洗おうと風呂場に行き扉を開けると……
「!!!!?」
―――ビショビショに髪が濡れて裸のククルが立っていた。
ククルは体をタオルで隠しながら杖を手に取り、水の魔法を俺に放ってきた。
「デテイケ!!!!ヘンタイ!!!!!」
「ぐえぁはぁぁぁ!!!!!」
ドガァンと思いっきり吹っ飛ばされ、俺はククルに必死に誤った。
「すみませんでした!!まさかお風呂に入っているとは思わなかったんです!!わざとじゃないんです!!!!」
「ダマレ!!!」
どうやら許してくれないようだ……………………。
俺は家を飛び出した!!!
しかし回り込まれてしまった。
「…………ニガサナイ」
ククルは俺に再び杖を向け、俺は意識を失った……………………。
―――体の痛みと濡れた服の気持ち悪さで目を覚まし、辺りを見渡すと家の外で倒れていた。放置されたらしい。
「まぁ……裸を見てしまった俺が悪い。こういう時は男は勝てないものだよな……」
ククルの裸が勝手に頭に浮かんしまう。
(いつもローブを着てたから分からなかったが着やせするタイプだったんだな……)
ククルは思ったよりでかかった。
もう一度謝っとこうと家の中に入りククルを探すしていると、リビングで本を読んでいた。
「ク、ククルさん先ほどはすみませんでした。まだ怒ってますか?」
恐る恐る声を掛ける。
ククルはこちらに気が付くと見る見る顔が赤くなっていき、本で顔を隠し「…………別にもう怒ってない」と言った。
「ありがとうございます。今度からはちゃんと確認します」
許してもらえて安心して時計をみたらもう夕方だった。
「腹減ったしメシにするか…………」今日はまだ何も食べてない。
ククルのご飯は、冷蔵庫を改造してストレージと同じように使う事が出来るので、一々俺に出してもらわなくても大丈夫だ。俺は昔、マジックアイテムの作り方を教わったからこういう事も出来るのだ。
なんか今日はもうダンジョンはいいや。そんな気分になれないし、明日からやろう。
気まずいから俺達は別々でご飯を食べて、自分達の部屋に早々に入って休んだ。
―――そしてダンジョン生活3日目でやっと本格的にダンジョン造りを始めた。
「それじゃあ、ダンジョン造りをはじめよう。このダンジョンは新人の訓練や欲しいドロップアイテムの入手、後は強くなるための訓練とシンプルにダンジョンの探索を楽しむ等を目的として造って行こうと思う」
「うん。そういうのはマギに任せる。ていうか私とくにやる事ない」
「まぁ…ククルには意見を聞いたり手伝って欲しい事があったら頼むよ」
「わかった。任された」
ククルがグッと力を込めて頷く。かわいい。
「ダンジョンコアは家の中に置いとけばいいか。このコアが壊れるとこのダンジョンが崩壊してしまうから気を付けてくれな」
「おーけー」
次に俺はダンジョンの操作盤を取り出し1階層をどうするか考えた。
「1階層は冒険者ギルドの受付にするか、あった方がいいしな」
「うん。1階層はそれでいいと思う。それで上の階を訓練用と食材系とかのドロップエリアとして造ったらどうかな?冒険用は地下に広げていく形にした方がいいと思う」
「いいじゃん!!それで行こう!!」
俺は操作盤を使って階層を追加した。
―――――――――
居住エリア(最上階)
―――――――――
ドロップ目的エリア(3階)
―――――――――
訓練エリア(2階)
―――――――――
受付(1階)
―――――――――
地下ダンジョン(地下)
―――――――――
「訓練エリアの魔物はスライム,ゴブリン、ウルフ、オークでいいと思う?」
「たぶん…………。ベアトリス呼んでこようか?」
「……そうだな。取り合えず方針は決まったし、一度街に戻ってみるか。ベアトリスって何処にいるんだ?」
「たしか海の近くに行きたいって言ってから【ラグーリア】だと思う」
ラグーリアは王都の東南にある海の近くにある大きな街だ。王都からだと12日程かかるがシーテンからだと10日とこっちからの方が近い。
「それじゃあラグーリアに行ってみるか?距離はそんなに変わらないし」
「それでいい。遠くにいる人と話が出来る道具があればいいのにのに…………作ってみようかな」
「それが出来たら是非とも欲しいな。すげぇ売れると思うぞ」
「マギがダンジョン造ってる間に、私はマジックアイテムでも作ってようかな」
「いいと思うぞ。ククルは頭いいし、凄いの作ってくれ」
「まぁ…やってみる」
そうして、俺達は一度ベアトリスと合流するためにラグーリアに向かう事にした。
「いちおう戸締りしとくか、ダンジョンだし家あるし」と俺は操作盤で扉と窓を消した。
「すげぇ便利だな。入る事も出来ないとは」
「…………ダンジョンって最強の要塞っだったんだね。入れなく出来るし壊せないし魔物を生み出すし」
「…………そう言われるとかなりヤバいな」
ダンジョンは強力な魔物を閉じ込める目的があるので、神様の力で守られているため壊すことが出来ない様になっている。
「いちいち馬車に乗るも面倒だし、馬を飼うのも面倒だから馬無しで動く乗り物を作らないか?」
「いいけど…………どうやって?」
「それは考えてある。王都で乗った屋根無しの馬車の乗るところだけ用意して風の魔法で飛んでいくんだ」
「なるほど…………けっこうシンプル。地面から浮かせるのと移動する方向に風を吹かせる様に術式を刻めばどうにかなるかも?」
「取り合えずやってみよう!乗る場所は買ってあるんだ!」
俺はストレージに入れてあった馬車の座席部分を出す。
「それじゃあ、風魔法の術式を刻むけどどうやって操縦するの?」
「船のような
「あのクルクル回るやつ?出来るの?」
「取り合えず簡単な仕組みでやってみる。海とかでやるわけじゃないし大丈夫だろ」
そして小一時間後、試作品が出来た。
「出来たな……乗ってみるか」
「マギが試しに乗ってみて。私は見てる」
「…………わかった」
俺は試作機に乗り込み、舵を握ってまず浮かばせるための術式を起動させるとフィーンと音がして宙に浮いた。
「浮かばせる事は成功だな。次は進むことが出来るかどうか……」
前進させるための術式を起動させるとブォーンと勢いよく前に飛び出した。
「うおぉぉぉぉ~!!!」
俺は城にぶつかりそうになり、慌てて舵をきって衝突を避けた。
「あっぶねぇ~!!ぶつかるかと思った!!」
止まる事が出来ないことが分かり、風を進行方向と逆に出す事で止まれるように改良し、感覚を掴むためにしばらく操縦の練習しているとククルが「私もやってみたい」と言ってきた。楽しそうに見えたんだな。
そしてククルにも操縦の練習をさせて楽しんだ。
「結構楽しかったな。これは売れるな、ラグーリアに着いたら商業ギルドに特許を取りに行こう」
「うん。これは偉大な発明」
「これは馬ではなく魔法で動くから【
そして俺達はラグーリアに向かって出発した。
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