第3話 合流と準備

 

 パーティーを解散してから3日過ぎて、だんだん暇になってきたからそろそろダンジョン造りに取り掛かろうかと思いククルの家に向かった。


 一緒に造ると言っていたから声を掛けておいた方が良いだろう。その場のノリで言ってた様な節もあるから気が変わってる可能性も有るし確認しに行こう。


 最初は1人でやる方が気楽だと思ったけど、よく考えてみるとかなり寂しい状況になるんじゃないかと思ったから一緒にやってくれたらうれしい。座っているだけでも良いかもしれない。


 ただダンジョンで生活する事になるだろうからそこは大丈夫か確認しないといけないなぁ、あと俺と2人きりで生活することになるからそこも確認しないと。



 ククルの家は代々王国に仕える魔法使いを輩出はいしゅつしていて、父親が偉い立場に要ることもあって結構でかい家に住んでいるらしいから尋ねるのはかなり緊張する。


―――そろそろ聞いていた場所に着くかなと思っていたら、少し奥に立派な門が見えた。広い庭が有りその奥に大きな家が建っている。


どうやらここがククルの家のようだ。


「家と言うより屋敷って感じだな。あそこに入って行くのちょっと嫌だなぁ………」と思っているが入らないと先に進まないので覚悟を決めて門をくぐる。


 入って辺りを見渡すと門から見て左側に木が植えてあり、その根元でククルが木を背もたれにして座り本を読んでいた。


…………どうやら家まで行かなくても良さそうだ。


ホッとしてククルに声を掛けた。


「お~い!ククル~!」と声を掛けるとこちらに気付いたらしく本を読むのをやめて歩いて来る。


「マギなんで家にいるの?」


「あぁ、そろそろダンジョン造りに取り掛かろうと思ってさぁ。前に一緒にやるって言ってたけど、本当に一緒にやるか聞きに来たんだ」


「行く。今から行くの?」


「まぁな。荷物は全部ストレージに入ってるし必要な物は近くの街で買えばいいからな。でも本当にいいのか?ダンジョンに住むことになるし、たぶん2人きりで生活する事になるぞ」


「大丈夫。ずっと一緒に旅してたから今更。すぐに用意するから待ってて」そう言って家の中に入っていった。


 ククルが今更だと言ってきたが、2人きりで寝泊まりするのは初めてなんだけどなぁ…………男として意識されてないのか?顔はいい方だと思ってたが、ちょっと複雑だなぁ。


――――――しばらく待っていると「おまたせ」とククルが来た。


「家の人にちゃんと言ってきたのか?」


「大丈夫。マギと一緒に暮らすから、しばらく帰らないって言ってきた」


「…………いや。事実だけど、その言い方だと誤解されないか?ダンジョン行ってくるって言ったか?」


「言ってないけど、一緒に暮らすのにダンジョンは言い訳にならないでしょ?」


「…………まぁ確かにそうかもしれないけど」


 確かに一緒に暮らす言い訳にはならないかも、ダンジョンに住んだ方が近くの街から通うより効率がいいからで、距離的には通うことだって出来る。


「まぁいいか。別に悪い事をするわけじゃないから堂々としていれば誤解されててもわかってもらえるだろう」


「マギは気にしすぎだと思うけど」


 気にしすぎというか後で面倒くさい事になるのは出来るだけ避けたいと思ってるだけだ。


「考えててもしょうがないし取り合えずいくか。途中で買っておく物もあるし」



「うん。快適な暮らしにしなくてはいけないからね。お金いっぱい貰ったし」


 ククルはフンッと気合を入れている。快適な部屋でゴロゴロしている姿が脳裏に浮かぶ。


「魔王を倒した報奨金がかなりの額だったからなぁ。贅沢しなけりゃ働か無くても生きていけるしダラダラしたい気持ちはよくわかる」


「ダラダラしたいとは言ってない」


ククルが否定するが、こちらから目を逸らして言っても説得力がない。


 ちなみに報奨金は10億ギリ1人2億ギリだった。ドラゴン1匹の報奨金が1億ギリぐらいだとすると魔王がどれだけ厄介だったのかわかる。


――――それから俺達は元魔王城の最寄り街【シーテン】に向かった。


 シーテンは、王都から東へ馬車でいくつかの街や村を経由して10日程で着く距離にある国の端にある街で、魔王城がありその他にもいくつかダンジョンがあるため防衛のためにかなり大きな街となっている。


―――王都を出て10日後、やっとシーテンに着いた。大きな街なだけあってたくさんの露店が立ち並び多くの人が行きかっている。


「やっと着いたな…………それじゃあそれぞれ買いたい物買って今日はここの宿に泊まって明日からダンジョンに行こうか」


「うん。それでいいよ。食料はマギに任せるけどおやつもたくさん買っといてね」


「あぁわかったよ。ベットとか風呂とかいるしな…………いっその事でかい家でも買ってくるか?」


「家を買うのは賛成。お金ならあるし」


「………じゃあ買ってくるか。まぁそんな家が売ってたらだけど」


そう言って俺達はいったん分かれて買い出しにいった。


 買い物が終わった時にはもう夕方になっていた。ククルはすぐに買い終わって俺と合流して家を買いに行った。どんな家がいいかククルに選んでもらい、3000万程のそこそこ立派な家を買った。


 ククルが半分出すといったが、俺には後ろめたい事があるので全額払わさせて頂きました。



そして夕食を食べて明日に備えて寝る事にした。



































 





















 

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