王太子アレキサンダーの視察

序章

 アレキサンダーが、正式にライティーザ王国の王太子となってから、半年以上経った。未だ反対する貴族はいるが、国王アルフレッドに他に子がいない以上、その反対も表立ってのものではない。

 王太子の公務の一つが、地方への視察だ。今回の視察の目的は、それまでとは全く違うものだった。視察の最中に予想を上回る事態となった。アレキサンダーは人の上に立つものとして、様々な決断を迫られた。上に立つものの責任も知った。


(アレキサンダー十六歳、ロバートは十七歳です)


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