第2話 妹です

 クラスの全員が教室に入り自分の席に着いた後、担任の指示により右側の席の人から一人ひとり自己紹介する事になった。


 徐々に順番が回りやがて彼女の番がやってきた。


「初めまして、夏目夏帆なつめかほと申します。趣味は本を読んだりお話をしたりする事です。これから一年間よろしくお願いします。」


 彼女が挨拶を終えると拍手喝采が起こった。

 周りからは「すっげー可愛い」「俺告ってみようかな」など彼女に関することがいろいろ聞こえてくる。まあ大半は男たちだが。


 次は俺の番だ。

夏目颯詩なつめそうたです。趣味は特に特にありませんよろしくお願いします」

 挨拶が終わるが誰一人として拍手していなかったのだが夏帆が拍手した事により周りもそれに合わせるように拍手し始めた。


 そのままクラス全員の自己紹介が終わり、担任がはなしをしてその日の学校は終わった。


「はあ、で?なんでこうなるんだよ」

 俺は呆れながらそう言った。


 なぜなら夏帆は俺の隣を歩いている。それだけならまだよかった。なんと、腕を組んできていたのだった。


「なんでもいいじゃないですか」


 そう夏帆は言うが実際何でもよくない。学校の誰かに見られてらどうすると言いたいところだが、既に後を付けている何人かの学校の人に見られている。


「なんでわざわざ腕を組むんだよ」


「逆にダメなんですか?」


「ダメだ。それに今俺は理由を聞いてるんだ」


 と俺が夏帆とやり取りしていると


「おいお前ちょっと待て」


「お前なんで夏帆様と腕を組んでいるのだ」


「何者なんだ貴様は」


 と突然知らない三人衆が道をふさいできた。


 どこかのラノベかよこの展開は。


「あのー誰ですか?あなた達」


 そう聞くと


「俺たちは夏目夏帆様親衛隊だ!そういうお前こそ誰なんだ!夏帆様とそんなに距離が近いなんて許せないぞ」


 は?親衛隊?夏帆様?こいつらなんなんだよ。


 困りながら夏帆の方を見てもにこにこしながら面白そうにしている。


「と、取り合えず俺は夏帆の知り合いだけど......」


「様をつけろ!」


「は、はい」


 こいつらなんか腹立つな


 その後も何度も関係を聞かれたりしたが全てうまいこと受け流した。

 なぜならそれが学校の人に知れわたるとめんどくさいことになるの間違いなしだからだ。


「妹です」


は?こいつ今さらっと秘密にしていたことばらした? よな


相手の三人衆も驚いたような顔でこちらを向きながら


「いまなんと?」

 と問い返してきた。


「だから、私、夏目夏帆なつめかほ夏目颯詩なつめそうたの妹です」



 




 


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