第503話 夏と言えば海! その4

 俺は、兄の航平からだと思われる電話に出る。


『ピッ!』


「……もしもし」


『おっ、武蔵か!』

『航平だ。問題なく、場所が取れたから来てくれ!!』


『場所は、その更衣室から―――』


「分かった。兄貴!」


『…ピッ』


 俺は兄から場所を電話で聞いて、兄との通話を終える。

 通話を終えた後。みんなに向けて、和やかな表情で話し始める。


「…今。兄から電話が有りまして、場所が確保出来たそうです!」

「では、案内します!!」


「俺に付いて来て下さい!!」


 俺は言葉の後。歩き始めて、兄の居る場所へ誘導する。

 みんなのも、俺の後を“ぞろぞろ”付いて来る。

 更衣室から数分後。俺たちは兄と無事に合流する。


 兄と合流した所で、早速遊びの開始で有る。

 兄は既にレジャーシートへ座っており、小織さんもそのまま兄の横に座る。

 兄と小織さんは、海へ泳ぎに行く雰囲気は無さそうだ。


「ねぇ、桃香ちゃん!」

「一緒に遊ぼう♪」


「うん。良いよ!」

「虹心ちゃん!!」


 虹心は桃香ちゃんに笑顔で声を掛け、桃香ちゃんも笑顔で虹心に返事をする。

 その言葉の後。虹心は桃香ちゃんと一緒に俺たちの居る場所から、海に向かって走って行く!!


 相変わらず、元気いっぱいの妹たちだ。

 もしかして虹心は、俺と亜紀に気を遣った?


「…武蔵君!」

「私たちも、海で遊びましょうか♪」


「うん!」

「海で遊ぼう。亜紀!!♪」


 亜紀は虹心と桃香ちゃんを見送りながら、陽気な口調で俺に言ってくれる。

 俺は笑顔で亜紀に返事をした後。俺も亜紀と一緒に海へ向かった!!


 ……


『パシャ、パシャ、―――♪』


 俺と亜紀から少し離れた場所で、虹心と桃香ちゃんは楽しく泳ぐ中。俺と亜紀は泳ぐと言う依り海にたわむれる。

 夏の日差しは厳しいけど、海に入るとちょうど良い加減に成る。


「~~~」


 お互い海の浅瀬を歩いたり、腰まで海水に浸かりながら海を楽しむ……

 亜紀は楽しそうな表情をしており、俺は亜紀と海に来られて良かったと感じる。


 亜紀の競泳水着姿は、普通の水着と比べれば色気を感じないが、それでも亜紀の体型に本当良く似合っている。


(これが“むふふ”なゲームなら、美味しい亜紀イベントが必ず有る訳だが……どうなんだろうか!?)

(これがビキニなら……嬉しいハプニングが、有るはずだが!?///)


 俺は心の中で、亜紀の美味しいイベントを想像するが……亜紀の用心深さからして多分起こらないだろう///

 それに亜紀は競泳水着で有るから、そんなハプニング起きようが無い!

 亜紀は穏やかな表情で、俺に話し掛けてくる。


「適度に冷たくて気持ちいいね~~!」

「ところで……武蔵君の方は、受験勉強順調?」


「うん…。まぁ、順調と言えば順調かな。亜紀?」

「提携大学の推薦も、どうにか貰えそうだし…!」


 俺も、穏やかな表情で亜紀に話す。

 葉月学園提携大学の推薦を俺は目指しているから、俗に言う“共通テスト”を受ける必要は無い。


「亜紀の方はどう…?」

名大なだいの推薦は、貰えそう…?」


 俺は亜紀に穏やかな表情で尋ねると、亜紀は少し微笑みながら話し始める。


「……確実とは言い切れないけど、この先も大きな問題が発生しなければ、大丈夫だとは担任に言われているよ」

「武蔵君……」


「そうか!」

「亜紀の方も順調か!!」


 俺は、穏やかな表情で亜紀に呟く。

 このまま俺と亜紀は志望大学に無事合格して、そして将来を誓う合う関係に発展させたい物だ。


「…兄ちゃん~~♪」


『バシャ、バシャ、―――』


 虹心が笑顔で泳ぎながら、俺と亜紀の方へ声を掛けながら近付いて来る。

 虹心は俺の側に来ると、泳ぐのを止めて立ち上がり、和やかな表情で俺に話し始める。


「兄ちゃん!」

「亜紀さんとの会話も良いけど、みんなで遊ぼうよ♪」


「桃香ちゃん。ビーチボールを持って来たんだって!♪」

「みんなで、ビーチボール遊びをしよう!!♪」


「……亜紀。どうする?」

「虹心は『あぁ』言っているけど……」


 俺は虹心の言葉の後。澄ました表情で亜紀に話しを振る。

 俺は別に構わないが、亜紀が嫌がるかも知れないと思ったからだ。


 だが、亜紀は穏やかな表情で、俺に話し始めた。

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