第501話 夏と言えば海! その2

 ヴェル○ァイア運転席は当然兄の航平で有り、その助手席には兄の彼女で有る小織さんが乗っているので、俺と虹心は後部座席の中央では無く後部に乗り込む。

 その方が、後から乗せる亜紀と桃香ちゃんが乗り込みやすいからだ。


 ちなみに亜紀と桃香ちゃんは、俺の家の最寄り駅まで来て貰う。

 俺は亜紀の家に迎えに行くことを提案したが、亜紀はそれを“やんわり”と断った。


 俺と虹心は、小織さんとは面識が有るので、軽い朝の挨拶をしておしまいで有る。

 小織さんの姿は、白色系統のフレアワンピース姿で有った。

 小織さんの清楚姿が強調されていて、亜紀とは違う美しさを感じる!!


「……(汗)」


 俺が小織さんの姿を見ていると、虹心は何かを言いたそうな表情をしているが、虹心も小織さんの美しさには勝てないことを自覚している。

 ちなみに虹心の姿は、クリーム系統のサマーパーカー姿で有る。


 兄の運転するヴェル○ァイアは、俺の家から駅の方に向かって車を走らせて行く。


 ……


 兄の運転する車は駅ロータリーに到着すると、ロータリーのとある歩道場所に亜紀と桃香ちゃんの姿を俺は見付けるが、兄は亜紀と桃香ちゃんの姿を知らないから、その二人から少し離れた場所に車は停車する。


「俺。亜紀たちの迎えに行ってくるわ!」


 車が停車すると同時に、俺は澄ました表情で車内に声を掛け、車のスライドドアを開けて車外に出る。

 俺が車外に出ると、亜紀と桃香ちゃんは俺の存在に直ぐ気付き、こちらの方に近付いて来る。


「おはよう!」

「亜紀に桃香ちゃん!!」


 俺は近付いた二人に、笑顔で挨拶をする。

 亜紀も和やかな表情で、俺に挨拶を始める。


 ちなみに、亜紀の姿はグレー系のサマーパーカー姿で有り、桃香ちゃんは柄の入ったワンピース姿で有った。

 今日の亜紀は、ナンバ防止の為か地味姿で有る。


「おはよう。武蔵君!」

「今日はよろしくね!!」


「……レンタカーとは聞いていたけど、ヴェル○ァイアとは驚いたわ…!」


 最後の文章は、少し驚いた表情で話す亜紀。

 亜紀も、ヴェル○ァイアの高級さを知っているようだ!


「…凄いね。お姉ちゃん!」

「おはようございます。虹心ちゃんのお兄さん!」


 桃香ちゃんもヴェル○ァイアを見ながら、驚きと言う依り喜びの表情で亜紀に言う。


 そして、その後に俺への挨拶をする桃香ちゃん。

 桃香ちゃんもヴェル○ァイアを理解している。


 俺は亜紀と桃香ちゃんを車に案内して、車に乗って貰うが……虹心は何時の間にか、後部座席から中央座席に移動していた。

 虹心は亜紀姉妹に向けて、和やかな表情で話し掛ける。


「おはようございます!」

「亜紀さんに桃香ちゃん!」

「席は後ろの方にお願いします!!」


 亜紀と桃香ちゃんは虹心に挨拶後。言われた通りに後部座席へ座る。

 後部座席は亜紀姉妹が座ったので、俺は中央座席に移動する形と成る。

 俺は中央座席に座ってから、虹心に尋ねる表情で話し掛ける。


「虹心…。どうして席移動をしたんだ?」

「亜紀たちは、中央座席の予定だっただろ…?」


「うん!」

「初めは、そうするつもりで有ったけど、亜紀さん達が真ん中だと緊張するかと感じてね!」

「私たちが亜紀さん達をサンドイッチしてしまうからね///」


 虹心は、困った微笑み表情で俺に話す。


(うーん。言われてみれば、その通りか…)

(俺と虹心は亜紀・桃香ちゃんと仲が良いが、兄や小織さんとは初対面に成るからな)


 乗降の関係上で、亜紀と桃香ちゃんを中央座席に座らせようとしたが、それだと俺達兄妹+小織さんで亜紀姉妹を挟んでしまい、亜紀姉妹にプレッシャーを掛けかねない!


 兄の航平が後部座席に顔を振り向かせて、亜紀姉妹に爽やか表情で話し掛ける。


「…初めましてに成るね!」

「武蔵の長男で有る、航平です!!」

「今日は、楽しい日にして行きましょう!!♪」


 兄からの言葉が終わると、亜紀は嬉し恥ずかしそうな表情で兄に話し始める。


「こちらこそ、初めまして!」

「武蔵君とお付き合いさせて頂いています、伊藤亜紀です///」


「今日は、海に誘っていただき、ありがとうございます///」

「私の横に座っている、妹の桃香もとても楽しみにしていました!」


 ……などの定番挨拶をしてから、兄の運転する車で翡翠浜に向かう。

 時間で言えば、此処から1時間半ぐらいで翡翠浜に着けるそうだ。


 小織さんは陽葵先輩の上位互換に当たる人なので、亜紀姉妹も直ぐに小織さんとは仲良くなり、車内はとても楽しいムードで翡翠浜に向かって行く……


 ☆


 道中。大きな渋滞は無く、兄の運転する車は翡翠浜に到着する!

 有料駐車場に車を停め、俺達は各荷物を持って車外から出る。


 夏のとても強い日差しと綺麗な夏空が、波の音と共に俺たちを出迎えてくれた!!

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