第498話 Aを達成する

(俺には、渋い役が似合わないらしいな///)

(元がヘタレだから仕方ないが…///(汗))


 ひとしきり亜紀は笑った後。亜紀は和やかな表情で、俺に体を近付けて来る!

 今日の亜紀は、やけに積極的だぞ!///


 体を俺に近付けた亜紀は、微笑みながら話し始める。


「…武蔵君は、武蔵君で良いんだよ!」

「はい……どうぞ!///」


 言葉の後。亜紀は俺の目の前に顔を近付け、キスを直ぐ出来る態勢を作り出してくれる!

 これなら強引なキスでは無く、求め合いのキスに成るのだが、俺はこの段階で完全に、亜紀の尻に敷かれているな///


「……///」


(俺は亜紀のこの性格も好きだし、亜紀の全てを受けいられる!)

(このチャンスを逃しては成らない!!///)


「亜紀…。好きだよ…///」


『チュッ…』


 俺は、優しい表情で呟くように言った後。亜紀の唇に自分の唇を重ねる!

 亜紀と恋人関係に成ってから、半年以上の時が経ってしまったが、俺はやっと亜紀と初めてキスをする……


「んっ……」


 亜紀は目をつぶりながら、俺のキスを受け入れてくれる!

 これが青年漫画の濡れ場なら、ディープキスへ移行させるのだが、亜紀はそれを許してくれるだろうか?


「……///」


「……///」


 お互い唇を重ねているが、どちらかが舌を出したり、激しいキスに展開させようとはしない。

 しばらくの時が経つと……亜紀はゆっくりと目を開いて、その目で俺に訴えてきた!


『もう、いいよね…』と、俺は亜紀とのキスは果たしたから、俺の方から唇を離す。

 俺が唇を離すと、亜紀は体の姿勢を元の体勢に戻す。


「……満足した。武蔵君…?」


 姿勢を戻した亜紀は笑みでは無く、澄ました表情で俺に尋ねてくる。

 キスをする場面を作り出したのは亜紀で有るが、やはりこの様な行為には興味が無いのだろうか。


「うん…。とても満足した。亜紀…!」

「俺みたいな底辺が学年一いや、陽葵先輩が卒園したから学園一の美少女とキスが出来たんだから…///」


 俺は、嬉し恥ずかしそうな表情で亜紀に言う。

 陽葵先輩が卒園(卒業)した中。葉月学園で一番の美少女は、恐らく亜紀で有るだろう。


 それとも案外、虹心や小鞠ちゃんが台頭しているだろうか??

 あの二人もスペックは、かなり良いからな!


「武蔵君…。以前から言おうとしていたけど、武蔵君は全然落ちこぼれでは無いよ」

「武蔵君の兄妹の中では、最下位に成るかも知れないけど、学園内では其処まで落ちこぼれでは無いでしょう!」


「それに、武蔵君が本当の落ちこぼれなら、私は武蔵君を相手にしないから……」


 亜紀は澄ましたで俺に言う。

 落ちこぼれの基準は第三者が決めるより、自己評価で決めている時が多い。


(私(亜紀)と付き合っているんだから、俺が落ちこぼれでは無いと、亜紀は言いたいのかな)

(そう言われれば……俺はもう、落ちこぼれでは無いのかも知れないな!)


 俺はスクールカーストの中では底辺に属するが、底辺の割にいじられや孤独感は無くなったし、亜紀と言う美少女とも関係を深めている。

 家庭環境の方も、虹心とは和解が出来て凄く良好な関係で有るし、三國家内での居心地も、去年と比べれば著しく改善がされている。


 敢えて残念なことを言えば、虹心の親友で有る津和野小鞠ちゃんと、今では高等部二年生と成る、新倉今日香ちゃんとの関係を悪化させてしまったことで有る。

 けど、小鞠ちゃんは同クラブの彼氏が居るし、今日香ちゃんも俺の前には現れないのだから、あの問題は自己解決させたのだろう?


「俺は何時の間にか、落ちこぼれの域から脱出していたんだな!」


 俺は、何かを悟った表情で亜紀に話す。

 亜紀は微笑みながら俺に話し始める。


「そうだよ…。武蔵君!」

「武蔵君はもう、落ちこぼれでは無い!!」


「普通の人に成れたんだよ…!」

「だから、これからは自信を持ってね。武蔵君!!」


『チュッ』


 亜紀は言葉の後。俺の頬にキスをしてくれる!

 亜紀は俺の存在を認め、受け入れてくれる。


 ……


 俺と亜紀はスワンボート内で、利用時間ギリギリまで甘い時間を過ごした。

 時間は凄く掛かったが、やっと亜紀を者に出来たで良いだろう……

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