第393話 亜紀へ連絡を取る その2
「二村は、今日来なかったか!」
「でも、数日中に亜紀のところに来そうだね…」
俺は確認してから、メッセージを亜紀宛てに送る。
亜紀の方も、俺と会話をする態勢に入っており、短い時間で返信が来る。
『うん!』
『多分、明日辺り来ると思っている』
『ねぇ、武蔵君』
『このまま、問題無く終われるかな?』
(なんだか、後半の文章は亜紀らしくない文章だな!)
(今までの亜紀なら、虹心のように強気な態度なのに!?)
亜紀は俺を当て馬にするつもりは無く、本気で俺との関係を望んでいるのだろう。
俺の方も、問題無く終わらせたいと感じる。
「大丈夫だよ。亜紀!」
「二村だって松田と付き合っているのだから、馬鹿なことは言って来ないよ!!」
「それにもし、二村が余計な発言を亜紀にしたら、俺も出しゃばるから!!!」
『……ありがとう。武蔵君///』
『けど、これは私と彩織の問題だから、出来れば武蔵君を巻き込みたくは無い///』
『丸く、収められるように頑張るよ!///』
(丸く収めるか…)
(それが最初から出来るなら、此処までの状態には成らないよな)
俺は亜紀からのメッセージを読んで、思わず心で感じてしまう。
二村を怒らせたのは俺と亜紀が原因で有るが、距離を勝手に
だが、天然気質の二村に、モテることを教えてしまったのは俺で有る!///
あの時。俺がそのことを発言しなければ、二村は松田達の方へ逃げ込まなかったかも知れない。
「亜紀!」
「何か有ったら、直ぐに俺に言うんだぞ!!」
「俺は二村とクラスメイトで有るから、何時でも物事を言えるからな!!!」
『物事って……武蔵君(^_^;)』
『私は彩織と、言い争いをするつもりは無いよ』
『私は、私の意見と気持ちを彩織に言うだけ』
『私は彩織を親友だと思っているけど、向こうが毛嫌いしているならそれでも構わない』
『けど、誹謗中傷や暴力
亜紀と二村の現在関係は、二村の一方的無視で有る。
だが、俺が亜紀と恋人関係に発展してしまったので、二村の行動がエスカレートする可能性も有る。
俺が今。一番危惧しているのは二村の彼氏に成る、松田とそのグループを使って、亜紀に嫌がらせをすることだ。
松田の度胸からして、亜紀に陵辱行為は出来ないと思うが、二村がそれを命令するかも知れない!?
女の恨みは凄く怖いと、良く耳にしているからだ!!
特に恋愛絡みに関しては、憎悪が渦巻くと聞く!!
松田は二村にベタ惚れで有るから、二村の言うことやお願いは何でも聞いている感じがする。
二村の方も、私がモテている自覚を持ってしまったから、松田とそのグループを上手に手なずけている!?
松田達と関係を持つ前の二村は、松田達から『二村さん』と呼ばれていたのが、今では『彩織さん』に変わっている。
松田に関しては、呼び捨てで二村を呼んでいる。
「多分…。誹謗中傷や暴力紛いのことはしてこないと思うけど、二村は凄く亜紀を恨んでいるからね…」
『恨んでいるだけなら良いけど、私は武蔵君と関係を深めてしまったからね///』
『まぁ、最後は、成るように成るしか無いと思うけど……』
(成るように成るか……)
俺が特進コース生だったら問題無いのだが、俺は普通コース生で有る。
特進コースの女子達は、亜紀に彼氏が出来たことを祝福してくれたが、男子の方は分からない?
普通コースに至っては祝福どころか、悪い方で噂が流れてしまっている!///
更に“やっかみ”や恨みを持っている男子が多数居ると、高岡から聞いてしまっている!!(汗)
(少年漫画の世界のように、闇討ちを喰らう可能性も否定出来ないな…)
……
この日は亜紀と恋人らしい会話では無く、今後の相談のような形で終わってしまう。
二村は絶対に亜紀の元に来るだろうし、俺も松田達から何かを言われるか、二村の指示で嫌がらせを受けるかも知れない?
その日の俺は中々、寝付くことは出来なかった……
俺ももっと、図太い人間に成りたいと思った。
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