第394話 敵はどっちに向かう
翌日……
俺は何時もに時間に起きて、虹心が作ってくれた朝食を摂って学園に向かう。
今朝の虹心も、亜紀に関することは聞いてこず、何時も通りの兄妹関係で有った。
「いってらっしゃい~~♪」
この日は、虹心に見送られて俺は学園に向かうが……学園に近付くにつれて、妙な視線を感じるように成る?
そして、この視線は良い視線では無く、妬みや恨みなどを感じ取れる、悪い視線で有った。
『ジーー(怨)』
『……(怒)』
(この周りに居る学園生達から、嫌な視線を感じる…)
(誰が発しているかは分からないが、気分が悪くなる視線だ…)
亜紀は学年一の美少女で有るが、陽葵先輩同様、女子からの受けは悪くない。
亜紀は男子に
……
俺は葉月学園、高等部校舎に着き、昇降口で下履きから上履きに履き替えようとするが、上履きの履く部分に何か、マジックのような物で書かれているのを見付ける!
(……何か、書かれている?)
「!!」
『さっさと』
『別れろ』
ご丁寧に左足側に『さっさと』縦書きで書かれて有って、右足側にも『別れろ』と縦書き書かれて有る!
上履きの履く部分に書かれているので、それを履いてしまえば、他人から見られることは無いが……
マジックの太さは、サインペンサイズで有った。
早速、洗礼を受けてしまった。
(亜紀の方には出来ないから、俺の方へ嫌がらせを始めだしたか…)
(陰湿な嫌がらせだな!)
「……」
俺は澄ました表情で、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出し、悪戯された上履きをスマートフォンの写真撮影機能で撮る。
『カシャ、カシャ、―――♪』
(教室に向かう前に職員室へ寄って、このことを担任に報告をしておこう)
今ではすっかり定着した防犯カメラで有るが、残念ながら昇降口に防犯カメラは設置されていない。
だけど、今回のことを学園(担任)に報告すれば、学園は先ず動くだろうし今後、上履きや下履きに悪戯はされなくなるはずだ。
もしかしたら昇降口に、防犯カメラの設置も有るかも知れない?
(……虹心の方は、大丈夫だよな?)
俺の上履きに悪戯をされたからには、俺の妹になる虹心へだって、影響が全く無いわけでは無い。
(だが、虹心は俺と違い陽キャラ(?)に成るし、無関係な虹心までに手を出す、馬鹿な同学年では無いだろう…)
俺は心の中で思いながら、悪戯された上履きを履いて、昇降口から職員室に向かう。
……
「失礼しました!」
『ピシャ!』
俺は職員室に寄って、先ほどのことを報告して、挨拶をしてから職員室の扉を閉める。
職員室内に居た俺の担任に、悪戯された上履きの件を話し、データで有るが撮影したデータも担任に渡しておく。
マジックで悪戯された上履き部分を、職員室内に有ったウエットティッシュで拭き取ってみたが、油性系マジックのため、拭き取ることは出来ず、上履きの交換までは我慢して使うしかない。
これの犯人を見つけ出すことが出来れば、上履き弁償や交換を要求出来るが……
俺の担任は、40代前半の男性教員だが『三國さん。後は、先生達に任せておきなさい!』、『この後の学年ミーティングで、報告しておくから!』と、爽やかな表情で俺に言ってくれた。
「……」
俺は、職員室から教室に向かいながら考え始める。
(上履きの悪戯を誰がしたかは分からないが、教室の方はどうだろうか?)
(なんせ、敵が多すぎるからな!!///)
(定番の机マジックや、花瓶が置かれていたら苦笑するしかないな!)
(さぁ……俺の教室の状況と、机の方はどうだ!?)
何事も無いことを祈りながら、俺は教室に向かった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます