第392話 亜紀へ連絡を取る その1

 ……


 虹心とバラエティー番組を見終わった後。この後はドラマの時間に成るが、俺には興味が無いドラマなので、俺は一足先に自室へ戻る。

 その時の虹心も、普通に就寝の挨拶をするだけで有った。


『パタン』


 自室のドアを閉めた俺は、そのまま勉強机の椅子に座り、手に持っていたスマートフォンを机の上に置く。


「……どうしようかな?」

「亜紀へ、連絡を取るべきか…?」


 俺は悩んだ表情で呟く。

 亜紀から何も連絡が無いと言うことは、亜紀の方では問題が発生していないと考えられるからで有る。


「だけど……俺と亜紀が付き合っている情報は、確実に広まっている」

「俺が高岡に聞かれたように、亜紀だってクラスメイトから聞かれているだろう…」


 俺は亜紀に連絡を取るべきか、しばらく椅子に座りながらが考えるが……思い切って連絡取ってみることにする。


「状況確認の名目なら、亜紀の方も文句は言わないだろう?」


 俺は納得した表情で呟きながら、勉強机に置いて有るスマートフォンを手に取り、亜紀へRailで連絡を取り始める。


(Railの通話機能で連絡を取る前に、メッセージで探りを入れてみるか)


 俺は心の中で思いながら、亜紀へメッセージを打ち込み始める。


「亜紀。こんばんは☆」

「亜紀の方は状況どう?」

「俺たちの関係を、誰かに聞かれた??」


「俺の方は高岡と言う、クラスメイトから聞かれた(゚Д゚)」

「5組の牛島と言う奴が、昨日の現場を見ていたらしくて、其奴が周囲に、俺たちに関することをばらまいている……///」


「予想以上に学年中へ、俺たちの関係が広がっている感じだ!」

「亜紀の方はどうかな?」


(出足は、こんな感じの文章で良いだろう)


 俺は心の中で読み上げて、誤字脱字が無いことを確認してから、亜紀へメッセージを送信する。


(亜紀がこの時間。何をしているかは分からないけど、気楽に返信を待つか!)


 俺は亜紀からの返信が来るまでの間。明日の準備や雑用をしながら、亜紀からの返信を待つ。


 ……


 亜紀にメッセージを送信してから、約30分後。

 Railの着信音がスマートフォンから鳴る。


『~~~♪』


「亜紀からかな…!」


 俺はこの時。雑用などを終えて、クッションに座って青年漫画を読んでいたが、青年漫画を伏せておき、側に置いて有るスマートフォンを手に取って、操作を始める。


(やっぱり、亜紀からだ!)


 亜紀から来たメッセージを、俺は読み始める。


『こんばんは。武蔵君♪』

『連絡、ありがとう❤』


『私の方も、クラスメイト女子に聞かれたけど、普通に答えておいたよ!』

『私は、普通コースの武蔵君と付き合っているって!♪』


『却って、おめでとうと笑顔で、女子から言われた位よ///(^_^;)』

『あの亜紀が、彼氏を作る何てね♪』


『噂のスピードなんて、そんな物よ!』

『けど、彩織は私のところへ訪れなかったわ…!』

『彩織の耳には既に、入っている筈だけど』


「二村は今日…。亜紀の前には現れなかったか…」

「そして、亜紀のクラスは、俺との関係を祝福してくれたか!」

「やっぱり、特進の人達は、普通コースと比べて何もかも違うな!?///」


「……じゃあ、二村や松田達は亜紀の所には行かずに、グループで遊びに行っただけか」

「安心と言えば安心だが、そうすると明日・明後日が怖いな///」


 俺は一人喋りをしながら、亜紀からのメッセージを咀嚼そしゃくする。

 亜紀の中では想定内のことで有るから、亜紀からの連絡はしなかった。


 俺は次へのメッセージを考えながら、亜紀宛てのメッセージを打ち込み始めた。

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