第5章 個別ルート 伊藤亜紀編

第381話 目標に向かって!?

 ……


 翌日の朝……


 昨夜は虹心と結構話し込んでしまったが、俺は何時も通りの時間に目覚めることが出来た。

 虹心との勉強会の後は、陽葵先輩、伊藤さん姉妹と遊んだ話しをして、虹心と雑談を楽しんだ。


 虹心の方も、小鞠ちゃんと遊んだ話しを俺にしてくれて、俺はそれを楽しく聞いた。

 晩ご飯時に持て成された料理は、出来合品が多かったらしいが、それでも虹心は満足だったらしい?


 ……


 俺は洗面台で顔を洗ってから、母親が作ってくれた朝食を食べて、俺は今日も一人で学園に向かう。

 虹心とは仲が良いが、毎日一緒に通学する関係では無い。


 同じ葉月学園に通っているが、高等部と中等部では校舎の場所が違うから、どちらかに時間を合わせて一緒に登校すると、俺の場合は遅刻ギリギリに成り、虹心の場合は時間を少し持て余す。

 そして虹心は、母親が仕事でいない時は虹心が母親代わりをするので、俺が虹心と一緒に登校する時は少ない……


 ……


 俺は学園に問題無く到着し、教室に入り自分の席に座ると同時に、今日も松田達と二村の方をチラリと見る。


「あはは。もぅやだな~~、松田君!///」

「わたしは、そんなに”おてんば”では無いよ~~///」


「大丈夫だって、彩織!♪」

「彩織なら出来るよ!!♪」


 二村は今日も楽しそうに、松田と会話を楽しんでいる。

 亜紀(伊藤)さんの言う通り、本当に二村と松田は恋人関係に進展したと、言えば良いのだろう?


(……松田の喋り方を良く聞いていると、彩織を“ちゃん”付けで呼ばなく成ったな!)

(これは本当に、恋人関係へ進展したのかも知れないな…)


 俺は心の中で思いながら、カバンから出した教科書類を机の中にしまっていると、高岡が穏やかな表情で俺の席にやって来て、朝の挨拶をしてくる。


「おはよう。三國…!」


「おはよう。高岡!」


 俺も穏やかな表情で高岡に朝の挨拶をすると、高岡は耳打ちをするように俺へ小声で話し始める!


「知ってるか……三國?」

「二村と松田が、付き合い始めたらしいぞ…!///」

「僕も、さっき聞いた情報だけど……」


「あっ……そうなんだ!///」

「やっぱり、そうだったんだ!!///」


 この事に関しては昨日。俺は亜紀さんから聞いているから、軽いリアクションで高岡に言う。

 すると高岡は『あれ?』の表情をしながら、俺に話し始める。


「なんだ……その感じだと、三國は知っているようだな…!」


「うん…!」

「俺も……風の噂で聞いていたからね!///」


 俺は少し頬を染めて、恥ずかしそうな表情で高岡に言う。

 高岡は納得した表情で、俺に言い始める。


「知っているなら良いけど……松田に先を越されてしまったな…!///」

「三國……」


「あぁ……俺では、松田達には勝てないからな!」

「二村さんのことは素直に諦めるよ!!」


「……」


 俺は穏やかな表情で高岡に言う。

 二村なんてどうでも良い。俺の(第一)目標は伊藤さんで有る。


 だが、俺の言葉で高岡は”きょとん”とした表情に成る。

 高岡の予想していた言葉と、俺の言った言葉が違うからだろう。


『ブン、ブン、―――』


 高岡は顔を上下に軽く振って我を戻し、少し困った表情で俺に話し始める。


「三國がそれで良いなら、良いけど……それとも、別の人を見付けたか?」


「まぁ、そんな感じだよ。高岡!」

「だから俺は……二村さんは諦めた!!」


「そうか…!」

「なら、この会話は終わりだな…」


 俺は爽やかな表情で高岡に言うと、高岡は穏やかな表情で俺に言う。

 この後は高岡と少し雑談をした後。高岡は自席に戻っていった。

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