第378話 虹心と勉強会? その1

『ガチャ♪』


『パタン♪』


 俺は虹心の部屋ドアを開けて、中に入りドアを閉める。

 虹心の姿は普段着の姿では無く、もうパジャマ姿で有った?


 見慣れた、サックスブルーのパジャマ姿の虹心で有る。

 何時の間に、虹心は入浴を済ませたのだ??


 虹心は俺を見て、和やかな表情で声を掛けてくる。


「兄ちゃん、どうしたの?」

「もしかして、お土産でも渡しに来てくれた?♪」


「あぁ……お土産と今日の報告も、虹心にして置こうかなと…///」


 俺は澄ました表情で虹心に言う。

 虹心はお土産の言葉で、困った微笑み表情で俺に言い始める。


「冗談で言ったのに……本当に買って来たんだ…///」

「まぁ、買ってきた以上は、喜んで貰うけどね…!」


「買ってきたのは、ポストカードだよ!」

「気持ち程度と言うことで、はい。虹心…///」


 俺は少し恥ずかしそうな表情で言いながら、虹心に紙袋を手渡す。

 虹心は紙袋を受け取りながら、嬉しそうな表情で俺に話し始める。


「ありがとう。兄ちゃん!♪」


「……熊の○○さんのポストカードね!」

「これは私好みより、小鞠ちゃん側だな!!」


 紙袋から、ポストカードを取り出しながら虹心は言う。

 俺は尋ねる表情で虹心に聞く。


「……虹心はさっきまで、小鞠ちゃんの家に行っていたのだよな?」


「そうだよ!」

「小鞠ちゃんのお母さんからお誘いを受けて、持て成されてきた!!」

「お風呂も、小鞠ちゃんと一緒に入ってきた!!♪」


 虹心は笑顔で俺に言う。

 虹心は向こうの家で入浴を済ませてきたから、パジャマを着ているのか!


 それなら、納得だ!!

 その言葉の後。虹心は和やかな表情で俺に聞き始める。


「でっ、兄ちゃん方はどうだった!♪」

「譲羽先輩との楽しい時間は!♪♪」

「楽しい時間を過ごせた?♪♪」


「途中までは……陽葵先輩と楽しい時間を過ごせたが、途中から伊藤さん姉妹が乱入してきて、後は複雑だった…!///」


 俺は、複雑な表情をしながら虹心に言う。

 虹心は俺の言葉で少し頬を染め、驚きの表情を見せながら言い始める。


「えっ!?///」

「伊藤さん姉妹が、乱入してきた??///」

「どうして兄ちゃんと譲羽先輩の仲に、伊藤さん姉妹が出て来るのよ!?///」


「虹心…。伊藤さんは陽葵先輩のことを知っていたんだ!///」

「そして同時に……伊藤さんは、俺を振ったけど未練を感じていたんだ!///」


「??」

「??」


「兄ちゃんの言っている意味が、私には良く理解出来ないのだけど…///」


 俺は悩んだ表情で虹心に言うが、虹心は意味を理解しきれず、虹心の頭上に『?』が浮かんでいる表情で言う。

 俺は悩んだ表情で、虹心に言葉を続ける。


「伊藤さんが俺を振ったのは、二村との関係修復を優先させる為だったらしいが、その二村は松田と付き合い始めた!」

「それを知った伊藤さんは、俺に未練が残っている影響から、俺と陽葵先輩との仲を、乱入と言う形で邪魔された」


「だが、この乱入は、偶然から起きた乱入なんだ……」

「市立美術館で”ばったり”と伊藤さんに出会って、俺と陽葵先輩を見た伊藤さんは、その中に乱入してきた…!」


「…………」


 虹心は『鳩が豆鉄砲を食ったよう』な表情をしている。

 幾ら頭の良い虹心でも、これだけの言葉で理解出来たら凄すぎる!!


「えっと……伊藤さんは兄ちゃんが好きなんだけど、二村さんのために兄ちゃんを振った…」

「でっ……その二村さんが、松田さんと恋人関係に発展してしまったから、伊藤さんは兄ちゃんと関係を持ちたいで……で、良い?」


 虹心は混乱の表情をしながらも、俺に説明するように言う。

 俺は、穏やかな表情で虹心に言う。


「うん……そんな感じ。虹心…!」


「うーむ……そんな展開で来たか!」

「これは……兄ちゃんだけでは無理だぞ!!」


 俺の言葉で虹心は腕を組み、目を細めながら呟いている。

 ちなみに、俺と虹心は立ったままで有る。


「よし、兄ちゃん!」

「今から、私と勉強会だ!!」


「勉強会~~!?」


 虹心が謎の言葉を突然叫ぶように言うので、俺はびっくりしながら虹心に言う。

 勉強会って……あの勉強会か!?

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