第376話 微妙な日だった!?

『まもなく、○○に到着します!』

『扉は、―――』


 俺は亜紀さんと車内で会話をしている間に、急行電車は俺たちの住んでいる町の駅に、到着するアナウンスが車内に流れている。

 この後の予定は、恐らくだが……この駅で解散の流れと成るだろう。


 俺の家の方角と、陽葵先輩・伊藤さん姉妹の方角が違うから、この駅で別れるしかない。

 ランチの時に一緒にお茶をしているから、このメンバーのままで真優美さんお店に行っても、余り意味は無いと思うし……


 夏休み直前に亜紀さんに振られてから、俺と亜紀さんの距離はかなり広がっていたが、今日の出会いで、俺が告白する以前の距離に戻れた気がする!

 だが、俺は本当に亜紀さんと恋人関係に成りたければ、此処からが大変で有ろう!?


 ☆


 俺たちは今。俺たちの住んでいる町の駅ホームに居て、俺と陽葵先輩。伊藤さん姉妹と全員が揃っている。

 陽葵先輩が和やかな表情で、俺に話し掛けてくる。


「三國君!」

「今日はこれで、お開きに成るけど良いかな!」


「はい…!」

「良い時間ですし、陽葵先輩たちとの家の方角も違いますから、問題ないです!」


「……」


「……」


 俺が陽葵先輩と話す中。伊藤さん姉妹は澄ました表情で、俺と陽葵先輩の会話を聞いている。

 陽葵先輩は、和やかな表情で俺に話し始める。


「途中から、亜紀ちゃんたちと合流しちゃったけど、三國君との美術館は楽しかったわ!♪」

「じゃあ、これで今日は、お開きにするね!!♪」


「後。お店の方にも、気軽に遊びに来てね!♪」

「バイバイ。三國君!!♪」


「あっ、はい!///」

「こちらこそ、今日は楽しかったです。陽葵先輩!///」

「では、これで失礼します!!///」


 俺は少し頬を染めて、恥ずかしそうな表情で言った後。陽葵先輩に頭を下げる。

 陽葵先輩は先輩だから、先輩への行為をしなければ成らない。


態々わざわざ、頭を下げなくても良いよ~~。三國君!///(汗)」


 陽葵先輩は困った笑顔で言う。

 流石、陽葵先輩だ。


 この様な人だから、学園一の美少女と言われるのだろう。

 陽葵先輩の言葉の後。亜紀さんが、俺に穏やかな表情で話し掛けてくる。


「武蔵君!」

「……私が、陽葵さんと武蔵君の邪魔を結果的にしてしまったけど、私も楽しかったよ!///」


「ほら、桃香!」

「武蔵君に、別れの挨拶をする!」


「バイバイ、三國さん!!」


 亜紀さんの言葉で、桃香ちゃんは笑顔で、俺に別れの挨拶をしてくれる。

 俺は和やかな表情で、伊藤さん姉妹に話し始める。


「亜紀さん。桃香ちゃん!」

「俺も楽しかったよ。気を付けて帰ってね!!」


「ありがとう……武蔵君!///」


 亜紀さんは嬉し恥ずかしそうな表情で、俺に言ってくれる。

 途中から伊藤さん姉妹の乱入によって、本来の陽葵先輩とのデートでは無かったが、伊藤さんの俺に対する気持ちを、偶然知ることが出来てしまった。


 二村や松田達が、俺と亜紀さんの関係を妨害して来なければ、俺と亜紀さんは確実に恋人関係に発展出来るだろうけど、言うまでも無く妨害してくるだろう。

 だが、俺はそれに打ち勝つことが出来るのだろうか……


 ……


 ☆


 俺は陽葵先輩と伊藤さん姉妹と別れた後は、まっすぐ自宅へ戻る。

 自宅に戻ると、夕方には珍しく、虹心が家に居なかった?


 この日は母親が家に居たので、台所に居た母親へ、虹心のことを聞いてみると『虹心なら、午後から津和野(小鞠)さんの家へ遊びに行って、晩ご飯もご馳走に成ってくるんだって!』と、和やかな表情で俺に言う。


 俺は虹心から、そんな話しを聞いていなかったがな?

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