第374話 電車内で告白!? その2

「…………」


(伊藤さんは俺が知らない所で、そんな風に動いていたんだ…!)

(だが、二村は俺のことを、どうでも良いと言っている割には、今でもほぼ無視を続けてくれている!)


 二村と松田が付き合い始めるのは時間の問題で有ったが、その二人が付き合い始めた以上。俺と伊藤さんは二村を過度に、意識する必要は無く成ったで良いだろう。


 伊藤さんはこのまま……俺へ、告白や好意の言葉を述べるのだろうか!?


『ガタン、ガタン、―――♪』


「…………」


 伊藤さんが話し終えたが、俺は返事が出来ずにいる。

 声を掛けようが無いからだ。


 俺が真の陽キャラで有れば『なら、亜紀! 俺たち付き合おうぜ!♪』と軽口がたたけるが、俺は人の気持ちが理解出来る子(!?)なので、軽口はたたけない。

 俺が無言でいると伊藤さんは、尋ねる表情と落ち着いた口調で俺に聞いて来る。


「三國君……三國君は今でも、私のことは好き…?」

「三國君は今日…。陽葵さんと遊んでしまっているけど、それでも、まだ私のことは意識している…?」


「スペックで言えば……私より、陽葵さんの方が上を行っていると思うけど…///」


 最後の文章は少し頬を染めて、俺から顔をそらしながら言う伊藤さん。


「!!!//////」


(伊藤さん……電車内で急に、告白をして来たぞ!//////)

(陽葵先輩や桃香ちゃんが近くに居るのに大胆だな!//////)


「あっ……でも、勘違いしないでね!///」

「今ここで、三國君が『好き』と仮に言っても、受け取るのは気持ちだけだから…///」


 伊藤さんは少し頬を染めて、寂しい表情で俺に言う。

 なんだ……只の意思確認か…///


「……伊藤さん!///」

「俺は伊藤さんが今でも好きですが……伊藤さんに振られてから、俺の中でも色々な出来事が起きました!///」


「だけど……出来れば、俺は伊藤さんと今以上の関係を深めたいです!///」


 俺は電車内で有るが、少し頬を染めて真面目な表情で伊藤さんに言う。

 伊藤さんは俺の言葉を聞き終えた後。納得した表情で俺に言い始める。


「そうか!」

「三國君は……私が振っても、私を思っているか!!」

「そうか、そうか!!」


「ありがとう。三國君の気持ちを改めて確認した!」

「偶然だけど、今日会うことが出来て良かったよ!♪」


 伊藤さんは言葉の途中から、穏やかな表情に変わって俺に言うが、意味を理解しがたいことを言う!?

 本当の意思確認で、伊藤さんは終えてしまいそうだ!


「???」


(えっ……それで、おわり!?)

(このまま、松田と二村と同じように、俺も伊藤さんと関係を深めないの!??///)


 俺は少し焦った表情で、伊藤さんに話し掛ける!


「あっ、あの……伊藤さん!///(汗)」

「それで、おわりですか!?」

「松田と二村が付き合い始めたら、もう俺と伊藤さんへの障害は無いですよね!///(汗)」


「はぁ……何を言っているの。三國君?」

「さっきも言ったけど、私は三國君の気持ちを確認しただけで有って『付き合う』とかは一言も言っていないし、陽葵さんや桃香が直ぐ近くに居るのに、三國君に告白なんてしないよ…!」


 伊藤さんは澄ました表情でも、ほぼ“素”の表情で俺に言う!

 俺をもてあそんんだだけか伊藤!!


「あっ…!」

「すっかり、忘れていた!///」


 伊藤さんは突然。何かに気付いた様に声を上げる!

 その言葉の後。伊藤さんは尋ねる表情で、俺に聞いて来る。


「そう言えば……私って、三國君のことを、武蔵君と呼ぶように変えていたよね?」


(言われてみれば……伊藤さんから『武蔵君』と、呼ばれるように成っていたな!)


 俺は顔を少し上に向けながら、伊藤さんに言い始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る