第353話 四人でのランチタイム? その2
「そんな訳で、三國君!」
「ランチは洋食店になるけど、良いかな?」
和やかな表情で、俺に聞いてくる陽葵先輩。
(ハンバーグ専門店ではなく、洋食店か…?)
(だが、洋食店と陽葵先輩は言ったから、ファミレスでは無いんだよな??)
ランチに希望メニューが有る訳では無いから、俺は反対意見を言う必要は無い。
だが、この近くに洋食店なんか有ったかな?
「俺は、洋食店で大丈夫ですよ!」
「陽葵先輩!!」
和やかな表情で、俺は陽葵先輩に言う。
俺の言葉の後…。伊藤さんは申し訳なさそうな表情で、陽葵先輩と俺に言い始める。
「すいません…。陽葵さんに三國君…」
「妹の
「そんなの全然平気よ。亜紀ちゃん!」
「私も、ランチの場所に迷っていたから~~♪」
「俺も大丈夫だよ。伊藤さん!」
陽葵先輩は笑顔で、伊藤さんに向けて言っている。
俺はそれを、“社交辞令”だと感じながら聞いている。
陽葵先輩は言うまでもなく、有る程度の目星を付けているに決まっているからだ。
陽葵先輩の言葉の後。俺も和やかな表情で伊藤さんに言った。
「じゃあ早速。洋食店に向かいましょうか!♪」
「この時間なら先ず、並ばずに入れる筈だけど、お店の営業時間が有るからね!!♪」
「ランチタイムのラストオーダーは14時までだったから、まだ間に合うはず!!♪」
陽葵先輩は笑顔で、俺たちに向けて言う。
今の時刻は……13時30分を過ぎた時刻で有る。
陽葵先輩に焦りの表情は見えないから、この近隣に洋食店が有るのだろう。
これから向かう洋食店の場所を当然、俺は知らないし、このグループ散策の主導権は陽葵先輩が持っている。
「そうですね…!」
「私や桃香も、お腹が空いています!!」
伊藤さんも穏やかな表情で、陽葵先輩に言う。
伊藤さんも俺と同じ様に、これから向かう洋食店への心当たりは無いのかな?
陽葵先輩を先頭に俺たちは、これからランチをする洋食店へ向かった。
どんな洋食店へ陽葵先輩は、連れってくれるのだろうか?♪
……
陽葵先輩を主導とするグループは市立美術館から、近くに有る繁華街の方へ向かい、繁華街の目抜き通りをしばらく歩き、途中から一本横道に入って……しばらく進んでいくと、洋食店だと見られる飲食店が見えてくる。
俺は陽葵先輩と横並びで歩き、その後ろを伊藤さん姉妹が歩いている。
「……時間的にまだ、大丈夫そうだね!♪」
「ラストオーダー手前だけど、間に合ったわ!!♪」
洋食店に到着した陽葵先輩は、お店のドアに掲げられている『Open』を見ながら笑顔で言う。
洋風食堂『CLOVER♣』
このお店で俺たちは、これからランチを食べるようだ。
建物の感じ……新倉洋菓子店では無いが、結構年季の入った建物で有る。
老舗の店と言えば、良いのだろうか?
味も、期待出来そうでは有るが……
(見た感じ……高級洋食店で無いと感じるが、ファミレスよりかは高く付きそうだな…!)
(ランチのお金…。千円以内で収まるだろうか…///)
俺は『CLOVER♣』の外観を見ながら、心の中でそう思っていると、俺の真後ろにいる伊藤さんが、困った口調で呟き始める。
「あぁ……やっぱり。CLOVERか…!」
「この近隣だと……此処しか無いからな…///」
伊藤さんが呟いた言葉で、俺は伊藤さんの方へ顔を向け、尋ねる表情で話し掛ける。
「どうしたの。伊藤さん…?」
「何か、問題でも有るの??」
俺が伊藤さんに尋ねると、伊藤さんは『弱ったな…』表情で、俺に話し始める。
「このお店……以前、家族と来たことが有って、料理はとても美味しかった思い出が有るけど、少し高いのだよね!」
「大人のランチでは良いけど……学生でのランチでは、少し身分が高い!///」
(要するに、伊藤さんの中では予算オーバーなんだな…)
(俺も人のことを言えないが、伊藤さんはアルバイトをしていない筈だし、家庭の裕福レベルも俺と同じぐらいだろう?)
みんな学園生では有るけど、陽葵先輩を除く、俺たちには財布が寒くなるランチに成りそうだな…///
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