第352話 四人でのランチタイム? その1

「お待たせしました!」

「陽葵さん。三國君…!」


「少し、遅く成ってしまいまして……」


 伊藤さんは俺と陽葵先輩の元へ到着すると、少し申し訳なさそうな表情で言う。

 桃香ちゃんの手には特別展のショップで買ったと思われる、手提げ袋を持っている。


「~~~♪」


 桃香ちゃんの表情はご機嫌で有る。

 特別展のショップで、桃香ちゃんがお土産を買っていたから、伊藤さんが予想した時間より遅く成ってしまったのだろう。


 伊藤さんが俺たちの側から離れてから、約20分位で戻って来た。

 約10分の遅刻になるが、陽葵先輩は和やかな表情で、伊藤さん姉妹に話し掛ける。


「大丈夫よ。亜紀ちゃん、桃香ちゃん!」

「私と三國君は、そんなの気にしていないから!!♪」

「ねぇ、三國君!」


「あっ、はい…」

「俺は、特に気していません……」


 俺は陽葵先輩には返事をするが、伊藤さんには話し掛けない。

 陽葵先輩が決めてしまったことで有るが、伊藤さんによって、俺は陽葵先輩との楽しい時間を邪魔されてしまったからで有る。


「……」


 桃香ちゃんも、特に発言をしようとはしない。

 穏やかな表情で伊藤さん(姉)の側にいて、俺たちの方を見ている。


「では、みんなでランチを食べに行きましょうか!♪」


 陽葵先輩は笑顔で、伊藤さん姉妹に向けて話し掛ける。

 陽葵先輩の言葉の後。伊藤さんも穏やかな表情で陽葵先輩に言い始める。


「そうですね…!」

「ところで陽葵さん…。何処のお店でランチにしますか?」


「そうねぇ~~。亜紀ちゃん?♪」

「何処で食べようかね~~♪」


 陽葵先輩は和やかな表情で伊藤さんに言う。

 陽葵先輩の中では、ランチをするお店を決めていなかったようだ。


 すると、此処で桃香ちゃんが会話に参加し始める。


「陽葵さん!」

「私、ハンバーグ食べたい!♪」


 和やかな表情で言う桃香ちゃん。

 桃香ちゃんの言葉の後。その言葉をたしなめる表情で言い始める伊藤さん!?


「こら!」

「桃香…。勝手な発言をしない!///」


「え~~。でも、お姉ちゃん!///」

「まだ、食べる物が決まっていなければ、良いじゃん!!」


 けど、桃香ちゃんは強気の表情で伊藤さんに言う!

 だが、伊藤さんは困った表情で、桃香ちゃんに言い始める。


「普段二人の時は良いけど……桃香!///」

「今回は、私たちが陽葵さんと三國君の輪に入っているのだから、発言権はないんだよ!///」


(発言権……難しい言葉を言うな!)

(伊藤さん……)


「そんな~~。お姉ちゃん。私ハンバーグが食べたい!!」

「陽葵さん。良いよね!!///」


「……///」


 桃香ちゃんは駄々をこねる表情で、伊藤さんや陽葵先輩に言う!

 それを『困ったな…』の表情で見ている伊藤さん。


(桃香ちゃんは俺たちの前でも、遠慮無しに発言するな!)

(感じ的に言えば、今日香ちゃんタイプに成るだろう……)


(伊藤さんは……かなり、桃香ちゃんに甘い感じだな!)

(学園内では冷酷を演じる反動で、妹の桃香ちゃんに甘くなるのか?)


「~~~♪」


 伊藤さん(姉)と桃香(妹)ちゃんの遣り取りを、穏やかな表情で見ていた陽葵先輩は、笑顔で桃香ちゃんに話し掛ける。


「なら、桃香ちゃん!」

「今から、ハンバーグを食べられるお店に行こうか!!♪」


「本当~~。陽葵さん~~!!♪」

「私、嬉しい~~♪」


 陽葵先輩の言葉で、嬉しそうな表情で言う桃香ちゃん。

 陽葵先輩は桃香ちゃんの喜ぶ姿を見ながら、俺に和やかな表情で話し掛けてきた。

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