第266話 戦果

「私……人に、はっきりと言える趣味は無いの!///」

「えっと……三國君には悪いけど、その、なしで!!///」


 陽葵先輩は、少し頬を染めながら困った微笑み表情で言う。


「……」


 虹心はそれを目を細めて、俺たちの方を見ているが、俺の方に顔を向けて、唖然とした表情を見せる。

 きっと虹心の心の中では『お見合いか!!』と、感じているに決まっている!!


「あっ、そうなんですか!///」

「それは、変なことを聞いてしまいました!///」


 俺は困った笑顔で陽葵先輩に言う。

 出足をつまずいてしまったから、会話を続けさせることが出来ない……と感じるが、陽葵先輩が俺に尋ねる表情で話し掛けてくる。


「私からも聞くけど、三國君の趣味や興味は何ですか?」


「俺の趣味や興味ですか!」

「俺の趣味は……えっと―――」


 俺は陽葵先輩に趣味を言おうとした所で、言葉に詰まってしまう!!///


(あれ?)

(俺の趣味って何だ!?)


(青年漫画を読むこと?)

(スマホのアプリゲームをすること?)

(陽葵先輩に趣味を聞いておきながら、俺も人に言える趣味が無いな///)


「まぁ……俺も、人に言える趣味は無いですね。あはは!///」


「はぁ~~!」


 俺が作り笑顔で陽葵先輩に言った途端、虹心は嫌がらせのように、大きなため息を吐いてくれた!!


「!」


 陽葵先輩は俺の言葉より、虹心のため息で驚いている!

 陽葵先輩は俺では無く、虹心に困った表情で声を掛ける。


「虹心ちゃん。急にどうしたの!?」

「大きなため息を吐いちゃって!!」


「ん~~、先輩……余りにも兄ちゃんが馬鹿だから、ため息吐いちゃいました~~!」


 虹心は呆れ返った表情と愚痴を言う口調で、陽葵先輩に言っている。


「えっ、えっ!?」

「私……虹心ちゃんの意味が、理解出来ないだけど…///」


 虹心の言葉で困惑する陽葵先輩。

 虹心は『やれやれ』の表情で、陽葵先輩に話し始める。


「兄ちゃんが……譲羽先輩に興味が有るんですって!」

「ですから先輩…。兄ちゃんと親友までとは、行かなくても良いですから、多少のえんを持ってくれませんか?」


「……虹心ちゃんは普段、三國君のことを“兄ちゃん”と呼んでいるんだ!」

「それに、虹心ちゃんの姿も見てしまったような…///」


 陽葵先輩は少し驚いた表情で虹心に言った後、俺の方へ顔を向けて、澄ました表情で話し始める。


「えっと、三國君は、私と関係を作りたいのですか?」


「あっ、はい!」

「もちろん譲羽先輩とは、仲良くしたいです!!///」


 俺は和やかな表情と、はっきりとした口調で言う。

 だが、陽葵先輩は澄ました表情で、俺に話し始める。


「私から断るつもりは有りませんけど、三國君は私の立ち位置を理解していますよね?」

「私の身分は、高等部生徒会副会長で有り、そして……学年一と言う変な噂話も付いています…///」


「此処(喫茶店)は私の家でも有りますから、普通の会話が出来ますが、学園内だと非常に厳しいと思います!」

「私は中等部の人達を含めて、かなり好意を持たれて居るそうですから///」

「それでも、よろしければ……」


(言葉的に、歓迎されてない言葉だな!)

(だが、瓢箪ひょうたんから駒も現実に起こるかも知れない!!)


「はい!」

「それでも、大丈夫です!!」

「譲羽先輩!!」


 俺は真面目な表情で陽葵先輩に言う。

 すると……陽葵先輩は穏やかな表情で言い始める。


「なら、今日から仲良くしましょうか!」

「三國君!!」


 てっきり、断ると思っていた陽葵先輩が、俺と親友に成ってくれる!!

 これは、第二のモテ期が到来か!!

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