第255話 真優美さんの妹!? その1

「虹心ちゃん!」

「甘さも少し控えめにしてあるし、全粒粉も少し混ぜてあるから、体にも優しいクッキーだよ!♪」


 真優美さんは笑顔で言っている。

 虹心は穏やかな表情で、真優美さんに話し始める。


「けど、真優美さん。クッキーとは言え、お菓子作りも大変では無いですか?」


「あら、そんな事は無いわよ。虹心ちゃん!!」

「クッキーだから保存さえ気を付けていれば、数日間以上は持つのよ!!」

「だから、毎日焼いている訳では無いの!!」


「それに私の所はクッキーがメインでは無く、あくまで新倉にいくらさんの所のケーキが主役だからね!///」


 笑顔で言う真優美さんで有るが、最後の文章は困った笑顔で言っている。

 だけど、表情は和やかな表情に戻って、言葉を続ける真優美さん。


「それにクッキー作りは私だけで無く、妹も手伝ってくれるからね!♪」


「!」


(妹…?)

(例の、陽葵ちゃんかな?)


(陽葵ちゃんは、真優美さんの子どもでは無く妹だったんだ!!)

(だが、著しく年が離れていそうだな…。兄と虹心以上の差は絶対に有るだろう…)


 真優美さんの所には、陽葵ひまりちゃんと言う女の子が居る。

 以前、声だけを聞いたこと有るが、少女らしい可愛い声だった。


 そして、この名前。

 葉月学園一の美少女と言われている、陽葵先輩と同じ名前で有る。


 俺は今まで、真優美さんから陽葵ちゃんのことを聞ける機会が無かったので、此処で聞いて見ることにする。

 俺は和やかな表情で、真優美さんに話し掛ける。


「真優美さん!」

「真優美さんの妹で有る陽葵ちゃんは、小学何年生の子ですか?」


「んっ…!??」


 俺が真優美さんにそう聞くと、真優美さんは凄く驚いた表情と高い声を出す?

 真優美さんは、困った微笑み表情で俺に言い始める。


「三國君……陽葵は、小学何年生の年齢では無いわよ///(汗)」


「えっ!?」

「陽葵ちゃんは、女子小学生では無いのですか??」


 俺は驚きながら言う。

 陽葵ちゃんが中学生や高校生なら、真優美さんが経営する、お店の手伝いを普通するからで有る。


 真優美さんが完全雇われオーナーなら、話しは別に成るが……

 真優美さんは穏やかな表情で、俺に話し始める。


「まぁ、三國君や虹心ちゃんとも大分関係が出来たし、ここらで私の妹でも紹介しておこうかな!」

「陽葵は、三國君たちと同じ学園に通っているわ!!」


「!!!」

「まっ、真優美さん……陽葵ちゃんってもしかして、高等部三年生に在籍する陽葵ちゃんですか?」


 けど、何で、俺は名前ひまりしか知らないのだ!?

 あっ……それは、陽葵先輩の名前を人伝から聞いたから、名字を知らないのだ!!///


 俺は驚きの余り、陽葵先輩を”ちゃん”付けで呼んでしまうが、真優美さんはそれを気にせず、穏やかな表情で話し始める。


「えぇ、陽葵は高等部三年生よ!」

「三國君!!」


「…………」


 俺と真優美さんの会話を、目を点にして聞いている虹心。

 陽葵先輩の存在は、中等部まで知れ渡っている。

 当然、虹心も耳にしているが学部の関係上、姿形までは見られていないはずだ。


(まさか……陽葵先輩の家が、真優美さんの家とは!?)

(学園一の美少女と近付けるチャンス到来と言いたいが、陽葵先輩は俺のことを絶対に知らないだろう!!///)


 俺は緊張した表情に自然と成って、真優美さんに聞き始める。


「えっと……真優美さん!///」

「今、陽葵先輩は、どちらにいらしていますか?///」


「えっ……何、三國君。急に緊張しだしたのよ!?」

「それに言葉遣いも少し変よ……」

「陽葵は生徒会関連の所用で、朝から学園に行っているわ!」


 真優美さんは澄ました表情で俺に言うが、穏やかな表情に変わって言葉を続ける。


「それに、陽葵はまだ帰って来ては居ないよ!」

「出掛ける前と帰って来た時、陽葵は必ず私の前に顔を見せる子だから!!♪」


「あっ……そっ、そうなんですか///(汗)」


「…………」


「…………」


 本日、二日目の落胆表情を見せながら言う俺。

 しかし、虹心と真優美さんは俺の姿を、目を細めて見ていた!?

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