第251話 相席!? その2

「普段…?」

「普段はね~~。どうしても洋食より和食が多く成るからね……ハンバーグとかの洋食も勿論有るけど、焼きそばや季節の焼き魚定食、パスタも和風系が多いかな?」


「あっ、でも、夏は“そうめん”や冷やし中華を出したり、冬は“おでん”を出したりする日も有るよ!!」

「参考に成ったかな。虹心ちゃん?」


 真優美さんは丼鉢を手に持ちながら、虹心に笑顔で話している。


「わぁ。そうなんだ!」

「結構、色々と出すんですね、真優美さん!!」

「ランチだけで見れば、町の定食屋さんみたいですね!!」


 会話上では、和やかな表情で言う虹心。笑顔で答えている真優美さんで有るが、虹心は少し“とげ”を含ませた言い方をする!

 虹心の中では、真優美さんをライバル目線で、本格的に見始めたか!?


「町の定食屋さんって……虹心ちゃん!///(汗)」

「けど、常連さんが求めるから仕方ないのよね!!///」


「想像はしていましたが、みんなが喜ぶ料理を提供するのは大変ですね!」

「ありがとうございます。真優美さん!!」


 流石の真優美さんも、少し頬を染めて困った笑顔で言う。

 だが、虹心は笑顔でお礼を言っている。


 虹心は『嫌み!』で聞いた訳では無く、純粋に喫茶店のランチメニューを聞きたかっただけか?

 真優美さんは常連の希望に合わせて、ランチメニューを決めて、提供している訳か!


(常連の希望も入れてか……お店の経営は大変だ!)

(……だが、虹心は政治家を目指すはずだから、飲食店経営は関係ないと思うが!?)


 どのお店でもそうだが、常連は大事なお客さんで有る。

 だけど、常連の言う事ばかり聞いていたら将来性が無いし、店がおごっていたら常連は逃げてしまう。


 虹心は聞きたい事を聞き終えたのか、此処でやっとケーキに手を付ける。

 真優美さんも、カツ丼を再び食べ始める。


 苺のショートケーキとチョコレートケーキを頼んだ虹心で有るが、チョコレートケーキから手を付けている。

 虹心は好きな物を残すタイプで有るから、本命は苺のショートケーキ何だろう。


「もぐ、もぐ、―――」


「何だか、懐かしい味がするチョコレートケーキだ!!」

「シンプルと言うか、美味しい~~!❤」


 チョコレートケーキを一口食べた虹心は、満面の笑顔で感想を言う。

 その言葉を聞いていた真優美さんは、笑顔で虹心に話し掛ける。


「ふふっ、虹心ちゃん。昔ながらの味でしょ~~!♪」

「このお店に並んでいるケーキは全部、地元の洋菓子店から仕入れているのよ!!」


新倉にいくら洋菓子店と言う、初老の男性と、そのお店兼住居に住んでいる孫娘の二人で、切り盛りしているお店よ!!」

「チョコレートケーキも美味しいけど、この店自慢の(苺)ショートケーキは、苺の酸味とケーキが“どんぴしゃ”に合うわよ。虹心ちゃん!!♪」


 この地域には『新倉洋菓子店』と言う洋菓子店が有って、其処から真優美さんはケーキを仕入れているそうだ。

 初老男性が営む洋菓子店に、孫娘と住んで居ると言う、ファンタジー要素を不思議と感じるが!?


「へぇ~~、それは苺のケーキを食べる時、楽しみ~~♪」

「あっ、真優美さん!」


「後で良いですから、さっきのケーキ屋さんの場所を教えてください!!」

「帰りに寄って見たいです!♪♪」


 笑顔で言う虹心。

 真優美さんも、笑顔で虹心に言う。


「あら!」

「そんなに気に入ったの。虹心ちゃん!♪」


「良いわよ。後で教えて上げる!」

「少し隣の地区に成るけど、駅から電車に乗れば一駅だから!!♪」


(…真優美さんがそんな風に言うと、思わず食べたく成ってしまうな!///)

(苺のショートケーキを!!)


(だが、帰りに虹心が寄るとか言っていたな!)

(なら、ケーキは後で食べることが出来るか!!)


 俺は心の中でそう感じながら、ハーブクッキーを1枚手に取って食べる。


「もぐ、もぐ、―――」


(ハーブの風味が利いていて、普通のクッキーより食べやすいな!!)

(言葉や文章では言い表しにくいけど…(汗))


 感想を言葉に出しても良かったが、俺が喋ると、真優美さんがまた反応するだろう。

 真優美さんはさっきから、話してばかりで有って、食事の方が進んでいない。


 会話の大切だが、食事も大切で有ろう。

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