第252話 真優美さんから情報を得る?

(色々と真優美さんに聞きたい事は有るけど、せめて真優美さんの食事が終わってからにしよう…)

(そうしないと何時まで経っても、真優美さんの食事が終わらないだろう…)


「もぐ、もぐ、―――♪」


 虹心の方も、笑顔でケーキに夢中に成っているので、俺は真優美さんと虹心を見ながらアイスコーヒーを飲んだ。

 きちんとした会話をするのは、真優美さんの食後からだ!


 ……


「ごちそうさま!」


 カツ丼を食べ終えた真優美さんは、食事後の挨拶をして、恐らくアイスハーブティを飲んでいるのだろう。

 アイスティーと色が良く似ているから、見た目だけでは分からない。


「~~~♪」


 虹心はチョコレートケーキから、苺のショートケーキへ手を付けようとしていた。

 おしゃべりが大好きな妹が、真優美さんに話し掛ける前に、本来の予定外に成るが、俺は有ることが聞きたかった。


 それは、伊藤さんと二村さんに関することで有る。

 あの二人が、この夏休み中に一度も、真優美さんのお店に来ていないことは無いだろう?


 それに真優美さんだって、伊藤さんや二村さんのことを心配しているに決まっている。

 俺は少し真剣な表情で、真優美さんに話し掛ける。


「あっ、あの……真優美さん!」

「少し、聞きたいことが有るのですが…?」


「んっ……何を、聞きたいの三國君?」


 真優美さんは澄ました表情で聞いてくる。

 俺は表情を変えずに、言葉を続ける。


「実は、伊藤さんや二村さんに関することですけど、二人は夏休み中に真優美さんの所へ来ましたか?」


「亜紀ちゃんに、彩織ちゃん?」

「亜紀ちゃんは、お盆時期に家族と一緒に来ていたよ!」

「表情も元気そうだったし、何時もと変わらない感じだったわ!」


 穏やかな表情で言う真優美さんで有るが、此処で表情が少し暗く成って、言葉を続ける。


「彩織ちゃんに限っては……亜紀ちゃんと喧嘩した以降、私のお店には来なく成ってしまったわ!///」

「私を避けているのだと思うけど、近所でも会うことも無く成ってしまった…」


「……そうですか///」

「ありがとうございます。真優美さん…///」


 俺は落胆した表情で呟く。

 俺の言葉で、虹心は俺の方に目線を向けるが……


「もぐ、もぐ、ごくん!」


「……兄ちゃんの状況は厳しそうだね!」


 ケーキを飲み込んだタイミングで、虹心が険しい表情をして呟く。

 しっかりと、俺と真優美さんの言葉を聞いていたようだ。

 真優美さんは困った表情で、俺に話し掛ける。


「その感じだと……三國君の方も駄目そうな感じだね」

「私からも、アドバイスはしようがないし……それに仲介役に入ることも出来ない…」

「亜紀ちゃんと彩織ちゃんとの喧嘩問題と、三國君の問題は全く別問題!」


「そうですよね…。二人の喧嘩問題と、俺と伊藤さんや二村さんとの関係は別問題です!」

「真優美さん……このまま、二人のことは諦めるべきですかね?」


 俺は悲しい表情で言うと、真優美さんは困った微笑み表情で言い始める。


「三國君……諦めるも何も、亜紀ちゃんは別にして、彩織ちゃんに関しては、ほぼ相手が出来てしまったのでしょ!」

「三國君も……男の子なんだから、スパッと切り替えるべきよ!!」


「……」


「……」


 俺は真優美さんの言葉で無言に成ってしまうが、虹心もケーキを食べるのを中断して真剣な表情で俺を見ている。

 すると、虹心がその表情と低い口調で話し始める。


「兄ちゃん……私からも言うけど、諦めるべきだとズッと感じているよ!」

「だからこそ、私は兄ちゃんと関係を深めたのだし!!」


「虹心……」


 俺が続きの言葉を言う前、虹心の言葉で真優美さんが反応を示す。


「えっ!?」

「関係を深めたって……あなた達は兄妹でしょ!?///」


 驚いた表情と口調で言う真優美さん。

 あぁ……その事は、真優美さんは知らないよな!!///

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